トロント国際映画祭GALA上映映画「テルマエ・ロマエ」阿部寛さん 上戸彩さん

独占ダブルインタビュー

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トロント国際映画祭3日目。朝方からの雨模様も回復し、午後12時45分、多くのファンが集まるRoy Thomson Hallのレッドカーペットに「テルマエ・ロマエ」主演の阿部寛さん、ヒロインの上戸彩さんが登場した。二人は会場に集まった多くのファンの声援に応えながら、約30メートルのレッドカーペットを原作者のヤマザキマリさん、プロデューサーの稲葉直人さんとともに約30分かけて歩いた。トロント国際映画祭のレッドカーペットを日本人俳優が初めて歩いた歴史的な瞬間であった。上映中には会場全体が爆笑の渦と化し、上映後には拍手喝采。日本から遠く離れたトロントの地でも大いに受け入れられる作品であることを証明した。

そしてTORJAではGALA上映終了後の四名に独占インタビューを敢行!!映画祭の感想や作品について伺った。

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阿部寛さん&上戸彩さんインタビュー

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―まず、レッドカーペットを歩いての感想をお願いします。

阿部さん:権威あるこのトロント映画祭のレッドカーペットを歩かせてもらったことは、自分にとってすごく大きなことに今後なるかなと思うんですね。レッドカーペット自体はそんなに長さはないから、あっという間に終わってしまうんだなあと思ったのだけど、他の俳優さんとかの名前を聞いたら、その17分の1でレッドカーペット歩くことに選ばれたっていうのは素晴らしい経験だったなって。この後、実感していくんだと思います。

上戸さん:たくさんある映画の中で17組の内の1つに日本映画が選ばれているっていうことと、あのレッドカーペットを初めて日本人が歩く、その二人になれたっていうのが、すごくついているなあと思いました。運があるなあって。

―今会場の観客の反応の中で、意外な反応に驚いた部分はありましたか?

阿部さん:日本人にしかウケないのかなと思っていたこととかも、むしろ外国の人の方が、日本の文化をちょっと遠めで観ているっていうのかな?たとえばウォシュレットだったり、日本のおじいさんだったり、外国の人の方がむしろ優しく滑稽に笑ってくれるから。僕も劇場に入って、こっちの方と同じ気持ちで新鮮に観れたのは、すごく楽しかったです。

上戸さん:一番最後に「すべての道はローマに通じる」っていう、真実の漫画の部分があって。あそこで、たぶん日本のみなさんはジーンとくる方が多いと思うんですけど、イタリアもトロントも、そこで笑いが起きるんですよね。あとは阿部さんもおっしゃいましたけど、日本のおじいちゃんの部分。海外の方が見たら案外スルーで見るんじゃないかなと思っていたら、日本以上にみんな、普通のおじいちゃんなのに(笑っていて)。日本人ってこういう風に見られているんだろうなってわかる感じで楽しかったです。

―続いて役作りに関して。なにか特別、事前準備やここを気をつけたという部分はありましたか?

阿部さん:実際のルシウスのマンガの表紙…、彫刻の身体がくっついているんですけど、古代ローマっていうと日本人はそういうイメージがあるから、多少やっぱり鍛えなきゃなーと思って。監督からもそういう要請があったから、ちょっとジムに行ったりとかしました。あと、たとえば古代ローマ人になるのに、日本人はちょっと無理じゃないかって。でも、衣装を着て、(髪型を)クルクルにしてみたら、実は全然違和感がなかった(笑)北村さんとか市村さんも宍戸開君もなんか違和感がなくて、むしろローマ人よりも濃いんじゃないかっていう(笑)

上戸さん:自分が最初に台本をいただいていたときにイメージしていた漫画家とは全然違って、監督が求めるものって。奇抜なファッションと福島出身で言葉のなまりがものすごくあった女の子だったので、個性はすごく強かったから、後はもう現場に行って、現場現場の雰囲気で、監督に言われるがままにやりました。けど、監督からはもっとテンション上げてっていうのは常に言われてました。もっとやってもいい、みたいな感じで

―以前本誌のインタビューのなかで上戸さんは役柄とご自身に似ているところが全然ないとお答えされていましたが…?

上戸さん:ないですねー。あんなにガチャガチャしてないので。どっちかっていうと静かな方だと思うので。

―阿部さんとルシウスに似ている部分はありますか?

阿部さん:同じ理数系だっていうところですね。僕は俳優ではあまりいない、珍しい(タイプ)って言われているんですけど。電気工学を大学までやっていたので、そういう考え方でよく似ているところはあるな。エンジニアという考え方が。うちは親父もエンジニアだったんで。

―GALA上映では、多くの日本人のファンの方も駆けつけていましたね。最後にトロントに滞在している日本人の方々へメッセージをお願いできますか?

阿部さん:今回こうやってここに呼ばれたってことは、すごく驚いたし、すごく嬉しいことだし、多くの人に今日レッドカーペットの会場で会えたと思う。話を聞いていると(トロント滞在中でも)いろんな日本の作品、もちろん彩ちゃんの作品も、僕の作品もこっちで観てくれているんですよ。それがすごく嬉しいことでした。どんどん応援してほしいなと思います。これからも。

上戸さん:やっぱり、海外に来るって皆さん目的があったり、夢があったり、皆さんそれぞれあると思うんですけど、私なんかは日本で十分って思っちゃうタイプで、冒険できない。本当に尊敬しています。今日お会いできたのもすごく嬉しかったですし、なんか、どんどんカナダの良さを日本に持って帰ってきてもらいたいなあって思います。


ヤマザキマリさん&稲葉直人さんインタビュー

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―原作を描くきっかけはどういったものでしたか?

ヤマザキさん:以前留学でイタリアに行ったとき(お風呂が)ないわけですよ。だけどお風呂の遺跡は残っていて。2000年前のローマ人が入っていたもの(文化)はもうすっかり無くなっていて、お風呂に入るっていう習慣がなくなっているのがすごい悔しいというか。お風呂に入っているような絵を描くと(海外生活の長い自分も)疑似体験的にお風呂に入っているような感覚になれるし、調べていくうちに古代ローマとの共通項がすごいたくさん見えてきたので、これは漫画になるかなあと思って。

―その原作から映画化へと至ったのはどういった要素からのものですか?

稲葉さん:(原作との)出会いは立ち読みでした(笑)単純におもしろいというだけでなく、良い意味での違和感をおぼえました。ワクワクするユニークさみたいなものでしょうか。ずっと月並みじゃない、新しいタイプの映画をつくりたいと思っていたんですね。今の日本の社会全体だけでなく映画のラインナップにも閉塞感がある気がしていて。なので、突き抜けたコメディをきっとみんな待っているだろうなあという気がしていたんです。

―トロントいう街に対しての印象はお持ちですか?

稲葉さん:お持ち、ですね(笑)本当に偶然なんですけど、次にやりたいなって思っている映画がトロントとバンクーバーが舞台だったりするんですよ。

ヤマザキさん:(私はシカゴ在住ですが)湖渡っただけで、こんなに違うんだって。トロントって移民されてきた方達がエネルギッシュだという印象があります。暮らしていてどんどん元気になりそうな街ですね。

―ラストシーンからも続編の期待が高まりますが、続編制作の可能性はあるのでしょうか?

ヤマザキ&稲葉さん:その質問、来ましたねー(笑)

稲葉さん:あったらいいですね(笑)わかんないですね(笑)

ヤマザキさん:でもたくさんの人が観たいと思っていますよ。日本でも。

―私も個人的に思いました。観たいって。

稲葉さん:本当ですか!? まあ、(続編希望の)お手紙が何枚くるかで(笑)つくるチャンスをいただけたらいいなと思いますね。

―では最後に、トロント在住の日本の方々に対して、何かメッセージをお願いいたします。

ヤマザキさん:ほんと、嬉しいですよね。日本から遠く離れたトロントで、本当に日本のままの気合いっていうか、フレッシュな情熱をもって(会場に)来てくれたっていうのは。すごい感激。日本からこんなに離れていても、こんな気持ちになれるって、やっぱり日本の人たちってこんなに日本が作り出すものを愛してくれているんだなって。あたたかいものを感じました。

稲葉さん: 次の映画でカナダで撮影をすることになったら、そのときは優しくしてください(笑)