だからカナダは住みやすい!ベストカントリー2位に選ばれた理由を徹底調査! | 特集「 カナダって実にいいところ」


毎年U.S. News & World Reportによる“Best Countries”ランキングが今年も発表され、カナダが2年連続第二位に選ばれたことが先日ニュースでも大きな話題になった。

このランキングは80か国を対象に、9つの大項目と57の小項目を10点満点で評価し、その平均からランキングをつけていく形を取っている。

そこで編集部では、カナダがどうして2位に選ばれたのか、いくつかのカテゴリーに注目して、カナダの魅力を分析してみたいと思う。

VS 日本

カナダは2位、日本は5位ということで最終順位こそカナダが上だけれども、実は0.4ポイント差という僅差だったということは知っていただろうか?実際にそれぞれの評価項目に目を通してみると、9つの大項目を見るとCultural Influence、Entrepreneurship、Heritage、Movers、Powerという5項目では日本の方がカナダよりも好成績を修めている。


(www.usnews.com/news/best-countriesより)


カナダが2位にランクインしているだけでなく、日本も5位にランクインしている!カナダ在住日本人にとっては、嬉しい限り!

Citizenship (市民権)

出自が違ってもみんなカナディアン

Citizenshipの中には財産権、プログレッシブさ、信頼、ジェンダーイクオリティー、政治力の分散、環境への配慮、人権への配慮、思想の自由という8つの小項目がある。カナダはCitizenshipでは9.7ポイントを獲得し、4位になっている。この項目で日本は4.8ポイントを獲得し、19位とカナダに比べて順位は低くなっている。

各小項目で高い得点を獲得しているカナダだが、その中で最近注目を浴びているのはジェンダーイクオリティや人権への配慮、思想の自由が大きいものではないだろうか。人権への配慮と言えばシリアでの内戦を受けてカナダが難民の受け入れを積極的に行っていることはよくニュースに出ている。カナダの難民政策の特徴は「国民参加」という、政府と民間や個人のパートナーシップによって築かれている。

マルチカルチャー・コミュニケーションの実現

多文化主義の国、カナダにとって思想や宗教の自由を保障することはとても大切だ。2013年には世界の心境の自由を推進する「信教の自由局」を外務省内に設置し、この局は迫害にさらされている宗教を信じる人たちを守るとともに、特定宗派への憎悪や非寛容に反対し、多様性や寛容性といったカナダが大切にしている価値観を国際的に広めることを目的としている。

LGBTQへの配慮も世界トップのカナダ
Photo by:Destination Canada

Adventure (冒険)

都会も自然も全部満喫できる!

アドベンチャーにはFun、Scenic、Pleasant Climate、Friendly、Sexyという5つの小項目がある。その国に住んでいる人にとって、楽しい時間が過ごせるような場所なのか、過ごしやすい気候なのか、そしてそこに住む人のフレンドリーさによって採点がされている。この項目のランキングだけで見るとカナダは4.4ポイントで18位、日本は2.7ポイントで38位になっている。

その中でもカナダが高得点をマークしたのがFriendly(8.9ポイント)とScenic(7.5ポイント)。一方の日本はこの項目についてFriendly(5.2ポイント)、Scenic(5.6ポイント)とそこまで高くない。

アーバンライフだけじゃない!やっぱり魅力は大自然!

Scenicの観点からカナダが高いポイントを獲得できているのは、47の国立公園があり、その内11の公園が世界遺産として登録されていることからわかるのではないだろうか。日本も勿論景色が美しい場所はたくさんあるが、オーロラを見たり、ダイナミックな自然を楽しめるのはカナダならではの強みと言える。

Cultural Influence (文化的影響力)

毎年多くの映画関係者や映画ファンが集まるTIFF
Photo by:Destination Canada

世界を魅了するソフトパワー

文化的影響力というこの項目には知名度、エンターテインメント、ファッション、トレンド、モダンさ、影響力のある文化の有無、そして幸福度という7項目が入っている。この項目は日本の方が7ポイントで6位にランクインしており、カナダは5.1ポイントで11位になっている。日本はクールジャパン政策に見られるように、ソフトから日本を発信しようという活動を積極的に行っている。

世界に誇れるポップカルチャー

順位自体は日本の方が高いが、カナダはトレンドやモダンさ、幸福度が日本よりもポイントは高い。トレンドやモダンさは毎年夏に開催され、アカデミー賞の前哨戦とも言われているToronto International Film Festival (TIFF)や、4月開催のHot Docsと言った北米でも最大規模のイベントが開催されている。そのほかにもジャスティン・ビーバーやキアヌ・リーブス、ライアン・ゴスリング、アヴリル・ラヴィーンと言った世界的に有名な俳優や歌手も排出している。

世界幸福度ランキングは7位

幸福度については、今年の3月14日、156ヵ国を対象に国連が行った「世界幸福度ランキング」発表された。このランキングは自由、信頼、寛容さ、所得、等の要素を基準にランク付けされたものになっている。その中でカナダは第7位、そして日本は54位にランクインしていることがわかる。実際、最高の国ランキングでは幸福度に関してカナダは8.4ポイントをマークした一方で、日本は3.0ポイントとかなり低い得点になっている。

Entrepreneurship (企業家精神)

経済を支える高い教育水準

企業家精神という項目は世界市場とのつながり、インフラ、技術的専門知識、教育を受けた人口割合と言った10の小項目から構成されている。日本は満点である10ポイントを獲得してドイツに次いで2位、カナダは8.6ポイントを獲得して7位という結果になった。

この中でも特に注目したいのが、高度な教育を受けた人口割合の部分だ。そして、トロント大学やブリティッシュコロンビア大学を始めとしたカナダの大学4校がTimes Higher Education’s World University Rankings 2018のトップ100にランクインしている。日本からは東京大学と京都大学の2校しかトップ100にはランクインしていないことから見てもカナダの大学の教育水準の高さが伺える。

世界トップレベルの大学の学費がアメリカより安い!

さらに、Statistics Canadaによるとカナダ人向けのカナダ全土の大学平均授業料は年間6,373ドル(約52万円)であるのに対して文部科学省が公開している「諸外国の教育統計2017年版」ではアメリカは州立大学では平均8,070ドル(約63万円)、私立大学では24,525ドル(約192万円)と大きく変わってくる。カナダもアメリカも勿論州や大学によって学費は変わってくるが、基本的に大学は全て州立になっているカナダの方がアメリカよりは安くなる。ただ単にアメリカと比べ学費が安いのではなく、教育水準が世界トップレベルというのがとても心強い。

Movers (社会を動かす原動力)

カナダ社会を突き動かすのは多様性

社会を動かし、その国の経済力が成長していく原動力は、その社会に属するヒトやモノが他とは違うことやユニークであること、そして活発であることが大切になってくる。カナダは3.5ポイントの獲得で32位、そして日本は8.9ポイントを獲得して5位になった。この項目でトップになっているのはアラブ首長国連邦、インド、シンガポールといった、今まさに国際社会で急速に力をつけている国々だ。

各国の将来性を見据えるこの項目でカナダがいい成績を残せなかったのは悔しいが、なかなか上がらない給与の一方で不動産価値は上がっていく今日の状況から、住宅バブルがはじけるのを恐れて、動きが鈍くなってきていることが要因になっているのかもしれない。

Heritage (遺産・継承物)

昨年、建国150周年を迎えたばかり

この項目は身近な文化、豊かな歴史や料理といった4つの項目で構成されている。カナダと日本の間で最も順位に差があったのはこの項目で、カナダは2.5ポイントで40位、日本は6.4ポイントで12位となった。日本は4つの項目で豊かな歴史と魅力的な文化という部分で8ポイントという高得点をたたき出した。その一方でカナダは身近な文化が6.6ポイントが取れているだけで、豊かな歴史は0ポイント、そして料理も1.2ポイントととても低い得点になってしまった。

カナダにはまだ知られていない面がたくさん

カナダという国は2017年に建国150周年を迎えたという、比較的に歴史は浅い国だが、カナダができる前から先住民族たちが住んでいたことを考えれば、決して豊かな歴史が無いとは言えないはずだ。この歴史の部分については対外的にいかに発信していくのかといった部分が今後重要になっていくのではないだろうか。

マルチカルチュラル・シティの魅力は実はたくさんある

また、魅力的な料理のポイントが低いというのも驚きだ。マルチカルチュラル・シティということもあり、街を歩けば様々な国の料理を見かけることができ、その多くが移民によってはじめられたもののため、美味しいレストランやカフェは多く存在している。

しかし、カナダの問題点は日本のように日本食といったらこれ!と浮かぶような料理がないことではないだろうか。もちろんプーテインやビーバーテイル、ティムホートンズはカナダに住んだ方ならすぐに浮かぶだろうが、カナダを訪れたことのない人々にとってはカナダの歴史や料理はなかなか想像しにくいものなのかもしれない。

Quality of Life (生活の質)

驚異の3年連続世界1位!

食料、住居、教育、医療、雇用、政治的・経済的安定、個人的自由といった9つの項目から作られているのがQuality of Lifeという項目だ。カナダは10点満点で見事、3年連続で1位を獲得獲得した一方で日本は6.7ポイントで14位となった。カナダに住んでいる人間としては、この項目が1位だったことが何よりも嬉しい、という人が多いだろう。住むコスト、収入の公平さと言った部分ではいい得点を得ることはできなかったが、、それ以外の項目は全て8.9ポイント以上と見事な成績を修めた。

雇用状況は驚異の伸び率

雇用状況の良さについては今年の1月、Statistics Canadaが過去40年以上の中で失業率が最低水準を記録したと発表があった。2017年12月時点でのカナダの失業率は5.7%と発表され、カナダでの雇用率が増えていることがわかる。驚くべきは、カナダは2017年の1年間という限られた時間の中で、雇用率を2.3%も上げることに成功している。この伸び率も過去15年間で最速の伸び率であるという。

安全性は満点!

安全性の部分でもカナダは満点である10ポイントをマークしている。Vision of HumanityのGlobal Peace Indexによるとカナダは世界で8番目に安全な国として挙げられている。ちなみに、日本は10位となっているため、日本とカナダで外を歩く感覚は全く同じと言えるのではないだろうか。

公教育制度の良さについては別の項目にもあったようにカナダの大学は世界でも高く評価されている。それに加え、今年U.S. News & World Reportが発表した世界教育ランキングでもイギリス、アメリカに次いで3位にランクインしており、国全体として教育に力をいれていることがわかる。

住む人もこれなら安心メディケア制度

そしてカナダと言えば魅力的な社会保障として医療が有名なのは言うまでもない。読者の皆さんもご存知の通り、カナダで医療機関に支払う医療費は大人も子供も無料となっている。これは勿論入院や手術、妊娠検診や出産も無料となっているため、Quality of Life項目のファミリーフレンドリーという部分にもあてはまる。

医療機関で処方された薬は一部を自費で負担する必要こそあるが、それ以外は無料だなんて日本と比べると驚いてしまう。もちろん、何も支払わずにただで医療費、なんてことはないためカナダの税金は日本と比べると高い。だが、支払った税金がしっかりと国民に還元されているというのはとても充足感があるのではないだろうか。

カナダのメディケア制度のおかげで安心して生活ができる

Power (実力)

政治的影響力と同盟関係に注目

軍事力、同盟関係、経済力、そしてリーダーシップといった5つの小項目から評価がされるPower。この項目ではカナダが4.4ポイントで12位、日本は6.2ポイントを獲得して7位となった。この項目でのトップ3は勿論アメリカ、ロシア、そして中国となっている。

Global Fire Powerではカナダは26位、日本は7位になっており、軍人や自衛隊員の人数や予備人員、そして戦車などの装備ほぼ全ての観点から見て日本の方が軍事力は上であることがわかる。だが同時にこれは、北朝鮮情勢や領土問題などで緊迫した状況下に日本が置かれているからだということを忘れないでいただきたい。

好感度が高い国、カナダ!

カナダが日本よりも高いスコアを獲得した項目としては政治的影響力と同盟関係の2つであった。政治的影響力については、カナダが積極的に難民の受け入れを行っていることや、移民政策と言ったところが関係していると言っていいだろう。BBCが2017年に発表した国別好感度ランキングでもカナダは堂々の1位を獲得しており、民間レベルからもカナダが世界にいい影響を与えているイメージが強いと言える。

NAFTAの今後によって特に経済力という項目は大きく変わってくることが予測できるため、今後も是非注目していきたい。

Open for Business (ビジネスのオープン度)

透明性の高さに注目

この項目では組織の腐敗、税金、製造コスト、透明性のある施策と言った5つの項目から評価が行われる。カナダは8ポイントを獲得して7位、日本は5.8ポイントを獲得して26位をマークした。

カナダが日本を大きく引き離した要因は9.1ポイントを獲得した透明性のある政府の施策という部分が大きいのではないだろうか。

活発な日加の交流

3月9日にカナダや日本を含めた11ヵ国がチリにて環太平洋連携協定(TPP)に米国抜きでの実施に大枠合意をした。ピーターソン研究所が発表した推計では、今回のTPPは2010年までに世界の実質所得を0.1%押し上げると言われている。

カナダと日本は数多くの姉妹都市で結ばれている。

また、カナダには日本と姉妹都市になっているところが非常に多い。トロントは相模原市と姉妹都市関係にあり、昨年は相模原市の副市長らがトロントを訪たことは記憶に新しい。

まとめ: やっぱりクオリティオブライフが一番!

TORJA読者の皆さんが住むカナダが2位に輝いただけでなく、カナダからは遠く離れた母国日本が5位にランクインしたことがなんとも嬉しい。2018年もまだ始まったばかり。今年はアンテナを張って、カナダや日本だけでなく世界で起こることをもとに、来年はこのランキングがどう変わるかを予測してみても楽しいかもしれない。