MIRAY’S STORY #25 「働き方」

#25 「働き方」

こんにちは、シンガー・ソングライターのミレイです!2013年にインディーズでデビューしEPをリリース、現在トロントを拠点にしています。日系社会においては2006年のJCCC紅白歌合戦に出演以来、新企会、Matsuri Festivalなど多方面で活動しています。連載コラムでは私の音楽だけではなく、日本からカナダへの道のりやニューヨークでの修行道中など盛りだくさんお話したいと思います。


Happy Chinese New Year!皆様新年どう過ごされましたか?今年は酉年という事で御節は沢山鶏肉を食べました(笑)。でもやっぱり正月はお雑煮が主役ですよね(ちなみにウチは餅を揚げる派)。三が日丸々休めるかと思いきや、早速お仕事という事で束の間の休息でした。

手作り御節

手作り御節


仕事と言えば日本のニュースで最近「働き方改革」という言葉をよく耳にしますね。日本はサービスがどの国よりも長けていて、あらゆるお店が24時間営業。そのクオリティーの高さは間違いなく世界一と誰もが思うでしょう。でも裏を返せば日本人はどの国よりも働く文化。また、「あまりにも働きすぎる」と海外、そして国内でも労働基準や働く環境のあり方を問うトピックが近年の報道などで浮き彫りになって来ています。実際私の大学時代の友人も以前大手広告会社で働いていたのですが、あまりにもハードな環境、週末出勤や残業、長く働いた方が認められるような暗黙のルールなどに囚われ生活習慣が乱れてしまい、精神的なダメージを受けていました。

幸い転職でそのブラックな世界から抜け出せたのですが、日本はこのような事が日常茶飯事なのでしょうね。カナダで同じような状況が相次げば間違いなくストが起きると思います。特にユニオン(労働組合)は黙ってはいません。不満があれば声をあげ、問いかけるでしょう。もちろんその背景にはお国柄もあるでしょう。でも日本のいう暗黙の了解、「こう言うのが当たり前」という考えはどこまで通用するのでしょうか?

少し角度を変えて「仕事」の文化をカナダと日本で比較してみましょう。私はカナダに引っ越した時この「仕事」という観点でものすごくカルチャーショックを受けた場面が2度ありました。今でも鮮明に覚えています。1つ目は8年生の卒業式の時でした。「卒業式」という大事な人生の節目の日に我々の大好きな担任の先生が自分の息子の卒業式と日が重なったので欠席して代わりに自分の等身大を立たせ、式で握手させたのです。一見笑える話に聞こえますが当時私や母はものすごくショックで信じられませんでした。

「こんなに大事な日なのに最後の日なのになんで先生いないの!?」と自分の生徒たちの卒業を見届ける事よりも自分の家族を優先した事を私はどうしても許せなかったのです。でも周りの生徒や親は「あら、それならしょうがないわね。」と誰一人疑問に思わなかったのです。

2つ目の出来事は12年生、高校最後の年の事でした。私は吹奏楽部に入っていてそれまで毎年修学旅行に行き、各地で演奏するのが恒例でした。でもその最後の年、いつもの担任の先生はやめてしまい、サブの先生が仕切っていたため、前年同様ニューヨークへ修学旅行に行く事が決まっていました。同じ学年の生徒たちはこれが最後の修学旅行だね!と皆楽しみにしていました。

しかし、その数ヶ月前…まさかのキャンセルになったのです。その理由が今でも信じられません。なんと、そのサブの先生の奥さんが妊娠していて、旅行の時に生まれる可能性が高いので今年は修学旅行は無しとの事。ありえないでしょ!?ブチギレそうになりました。でも、周りを見ると「まぁ悔しいけど、そういう事ならしょうがない。先生おめでとう!」てなリアクション。他の先生が担当するとか方法なかったのかなぁ…あの悔しさは一生忘れません。でもこれらの例は要するに「仕事」に対する見方は国柄でこんなにも違うんだという事です。

カナダは仕事はあくまで仕事であり、家族はどんな事があっても優先(もちろん職業により異なりますので全員とは言いませんが)。でも私は何年ここに住んでいてもこれは100%納得する事はできません。もし学校の卒業式が母の主催するピアノのリサイタルと重なってしまい、来れなかったとしても私はきっとなんとも思いません。寧ろ尊敬するでしょう。それが仕事に対する責任、プロなのですから。でもきっとこの考えは日本人的思想なのでしょうね。

逆に考えると、日本はお客様を神様扱いして、まるで同じ人間同士と思えないくらいの対応。もちろん接客は世界に誇るほどですが、この「働き方改革」をきっかけにお客も目線をもう少しフラットに見て相手も同じ人間とみて思いやれる環境を作ることができれば理想ですね。

さて、来月はLAのお話をしたいと思いますのでお楽しみに!


mirays-story-01-03Miray
神奈川県鎌倉出身、親戚にグラミー賞受賞者を持つ音楽家族の元、幼少からドラムとタップダンスを始める。カナダ移住後ジャズやロックバンドでドラムを演奏、吹奏楽部でクラリネットを演奏。 15歳で初めてソロボーカルの舞台を経験。ヨーク/シェリダン大学デザイン科専攻卒。在学中にジャズ、ゴスペルコーラス、R&Bバンドに所属。現在デザイナー&シンガー・ソングライターとして活動中。世界的ドラマーのレニー・ホワイトにも曲を絶賛される。ボニー・ピンクやホリー・コールなどのジュノ賞ノミネートプロデューサー:マーク・ロジャーズと共に新曲作成中。
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