MIRAY’S STORY #31 「ヨーロッパの旅(その1)」

Chapter 31 「ヨーロッパの旅(その1)」

こんにちは、シンガー・ソングライターのミレイです!2013年にインディーズでデビューしEPをリリース、現在トロントを拠点にしています。日系社会においては2006年のJCCC紅白歌合戦に出演以来、新企会、Matsuri Festivalなど多方面で活動しています。連載コラムでは私の音楽だけではなく、日本からカナダへの道のりやニューヨークでの修行道中など盛りだくさんお話したいと思います。


ただいま〜!人生初のヨーロッパの旅。とうとう行ってきました!もう、とにかく見るもの全てが素晴らしくてまるで夢のよう!
未だに思い出しただけで興奮します。ウィーンの街やスイス横断。ジャズフェス巡りから山登りまでとにかく思い出が沢山凝縮された、あっという間の10日間でした。

着いた初日、エアポートからホテルに向かう時、タクシーの窓から見える景色がまるでタイムスリップしたかのようで不思議な感覚でした。ここでモーツァルトやベートーヴェンが名作を作り、他にもあらゆる音楽家があつまる都として知られているウィーン。私にとってこの旅を初めるにはぴったりな地点でした。

泊まったホテルも実はアーティストや作曲家がよく泊まるらしく、部屋によってはグランドピアノが置いてあるらしい。このブティックホテルは100年以上前からあり、誰かの家を改造して7年前ほどからホテルになったとの事。今は一部屋一部屋違うインテリアデザイナーがコーディネートしていてユニークなアートが所狭しに飾ってあり、ヴィンテージとコンテンポラリーが混じったとてもオシャレなホテル。

5世紀創業のレストラン

ベートーヴェンのサイン

早速、着いて気づいた事の一つは、とにかく街が静か。音がないんです!びっくりしました。街のど真ん中なのにも関わらずまるで音がどこかに吸い込まれてしまったのかと思うくらいの静けさには何か意味があるのかしら。それとも地形?謎です。でももしこの静けさが昔も今も変わらないのであれば、音楽家や作家にとってはまさにぴったりな環境ですよね。なんだか開放感があってとても落ち着きました。

そしてお店の中も!BGMがないんです。もちろん全てとは言いませんが私が訪れたレストランやお店は音が全く聞こえませんでした。最初は違和感があったけれど徐々に慣れて行くと耳が敏感になって人の話し声や鳥のさえずり、お皿の音までが心地良くなって不思議。逆に考えると、私達の生活って常に色んな音に囲まれて生きていたんだなぁ。

シェーンブルン宮殿にて


初日の夜はウィーンで最も古いレストラン「グリーヒェンバイズル」を訪れました。そこは1447年に設立したらしく、名だたる音楽家や作家、様々な芸能界の著名な人物が訪れたところで有名なんだそう。そして訪れた著名人は必ず部屋の壁にサインをするのが伝統で、そのまさかのベートーヴェンやモーツァルトはもちろん、ストラウスやマーク・トウェイン、ジョニー・キャッシュや日本の俳優や女優までとにかく壁がサインでぎっしり!

部屋は1447年以来そのままの状態で歴史を生で感じることができました。ここで、かのモーツァルトがお酒を飲みに来たと想像するだけで…というか、想像できますか!?彼にとってもこのレストランは古く、歴史的建造物だったんですよ!まさに老舗中の老舗ですね(ちなみに日本人の女優で見かけたサインは米倉涼子さんでした(笑)。)。

次の日はハプスブルク皇帝家が所有したシェーンブルン宮殿に訪れたり、ベルベデーレ宮殿なども見渡してから夜は1869年に建てられたウィーン国立オペラ座でハービー・ハンコックのコンサートを鑑賞。今回はスペシャルゲストにドラマーのヴィニー・カリウタが出演して会場が大盛り上がり。歴史あふれる空間に流れるジャズ。座った席が小さな箱の中でまさに「ザ・オペラ座」的な眺めでした。

ハービーを観るのは今回初めてで、演奏はグランドピアノ意外にもシンセや声の音を変化させるヴォコーダーなどを交互に操ってとてもコンテンポラリーな演出でした。しかし演奏の最中にキーボードのサウンドに問題があったようで、ハービーは舞台裏からまさかのキーボードギターを取り出し、予想外の展開に。でもこんな時でも笑顔でトークやインプロヴァイズでさらに観客を魅了しました。

私にとって印象的だったのがヴィニーのドラムソロ。まるで何十回もリハーサルしたかようにハービーとの息がぴったりで、とにかく完璧。彼の弾き方から、違う意味での「場の空気を読む」を感じ取りました。ちなみにその頃、私は未だに自分がウィーンにいるという実感がわかず、周りのドイツ語オンリーな空気に戸惑うばかり(汗)。続きは9月号で!


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神奈川県鎌倉出身、親戚にグラミー賞受賞者を持つ音楽家族の元、幼少からドラムとタップダンスを始める。カナダ移住後ジャズやロックバンドでドラムを演奏、吹奏楽部でクラリネットを演奏。 15歳で初めてソロボーカルの舞台を経験。ヨーク/シェリダン大学デザイン科専攻卒。在学中にジャズ、ゴスペルコーラス、R&Bバンドに所属。現在デザイナー&シンガー・ソングライターとして活動中。世界的ドラマーのレニー・ホワイトにも曲を絶賛される。ボニー・ピンクやホリー・コールなどのジュノ賞ノミネートプロデューサー:マーク・ロジャーズと共に新曲作成中。
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