第34回「つぶやき…」| MIRAY’S STORY

こんにちは、シンガー・ソングライターのミレイです!2013年にインディーズでデビューしEPをリリース、現在トロントを拠点にしています。日系社会においては2006年のJCCC紅白歌合戦に出演以来、新企会、Matsuri Festivalなど多方面で活動しています。連載コラムでは私の音楽だけではなく、日本からカナダへの道のりやニューヨークでの修行道中など盛りだくさんお話したいと思います。


「いや〜暑いですね〜!って、もう秋なのにどういう事?」という会話が最近絶えない今日この頃。今回は最近思った事、感じた事をちょっぴりつぶやいてみます。

ここ最近テクノロジーの進化が急激に加速している傾向を客観的に見てみると、え?これでいいの?と思うような場面があちらこちらに見えてきます。その中の一つがバーチャルと現実のギャップ。シンプルな例でいうと映画の予告が迫力満点で、あらゆるマーケティング方法を使って人を惹きつけるが実際にその映画を観ると内容や演技がイマイチで予告で期待していたのと違いがっかり…という事皆さんよく経験されませんか?それがネットの影響であらゆる場面で前よりも加速しているように思えます。「見た目良ければ全て良し」と思う人たちが増え、自分は度々膨らむ期待を外され正直飽々しています。

特にSNSの広まりで最近よく聞く「インスタ映え」というようなフレーズがそれで、超見た目のみ重視な世の中に恐れをなしています。レストランやデザート屋さんも「インスタ映え」にかなり力を入れているのか、やたらカラフルでふざけた盛り方やオシャレな店内の様子を投稿し話題を生むが実際の料理の味や中身、サービスなどは二の次三の次。街で行われるイベントなどもそれです。広告やブログなどで盛りに盛っておいて実際はめちゃくちゃしょぼかったり…。

この偉大な「インターネット」というフィルターは一見便利で役立つ事ばかりに思えるのですが、私はどうも首を傾げ疑ってしまいます。マーケティングの観点からしても、最近では一般人の口コミが主導権を握る世の中。専門的な知識、技術や才能はそれほど期待されることもなく、それよりもネットにどう映るか、どう認められるか、どのように話題を作ってフォロワーを増やすかというギミックが重視。

デニス・チェンバースと


こう思っているのは自分だけなのかなぁと思いきや、先月Parliament Funkのメンバーとして伝説的有名なドラマー、デニス・チェンバースのドラムクリニックを訪れた際、彼はこんなことを言っていました。「最近のミュージシャンは誰かのマネばかりだ。自分の音を生み出そうとしない、でもそれと同時に自分の音を生み出そうとする奴らはなぜか世間から求められず、チャンスさえも与えられない。むしろ誰かのマネを完璧にこなすことで認められる世の中になっている。なんとも不思議だ。レコード会社もリスクを取りたくないからその質や内容よりもフォロワーの数でアーティストと契約をする、こんな事ではいけない」彼はこの思いをきっかけに数年ぶりにクリニックのツアーを復活させたらしいのです。ドラムのテクニックの説明よりも自分の「サウンド」を追求することの大事さ、オリジナリティーを持つことの大切さを3時間かけて話されたのですが、これから自分自身の音を持つ若者たちがもっと出てきてほしいという彼の熱い想いがひしひしと伝わってきました。このようにどんどん彼のような大御所が表に出てきて話すべきですよね。こういう刺激、大事だと思います。

イメージやBrand Awarenessに対して人々は昔よりも遥かに敏感になってきている素晴らしい進展でありながら、そのシステムに頼りがちで実際に注目するべき実物や中身が疎かになり、感性やクオリティーが落ちてしまう事が危惧されます。そんな若干悲観的なつぶやきが出てしまう今日この頃のミレイでした。


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Miray

神奈川県鎌倉出身、親戚にグラミー賞受賞者を持つ音楽家族の元、幼少からドラムとタップダンスを始める。カナダ移住後ジャズやロックバンドでドラムを演奏、吹奏楽部でクラリネットを演奏。 15歳で初めてソロボーカルの舞台を経験。ヨーク/シェリダン大学デザイン科専攻卒。在学中にジャズ、ゴスペルコーラス、R&Bバンドに所属。現在デザイナー&シンガー・ソングライターとして活動中。世界的ドラマーのレニー・ホワイトにも曲を絶賛される。ボニー・ピンクやホリー・コールなどのジュノ賞ノミネートプロデューサー:マーク・ロジャーズと共に新曲作成中。
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