今年カナダで起きるチャレンジなビックプロジェクト

特集 チャレンジ特集
2016年ももう2月。あっという間に2月になりましたが、皆さんいかがお過ごしですか?
寒い冬でもあなたをホットにしてくれるチャレンジングなモノ・コト・トコロを集めてみました。

■ 12年振りに復活World Cup of Hockey

アイスホッケー・ワールドカップはNational Hockey League (以下NHL)が主催しているアイスホッケーの世界大会である。国際アイスホッケー連盟が毎年開催しているアイスホッケー世界選手権はNHLプレーオフと同時期に行われるのに対して、アイスホッケー・ワールドカップはNHLプレシーズンに試合が行われるため、NHLの全てのトップ選手が参加することが可能になっている。

前身は1976年に始まったカナダカップで、NHL選手の参加できない冬季オリンピックや世界選手権ではカナダ代表はベストメンバーが揃わないということでカナダホッケーとNHL選手会の合意の上、全てのトップ選手が参加できる世界大会を開催することになった。5回開催されたカナダカップではその内4回はカナダが優勝しており、ワールドカップ改称後も2004年に優勝を収めている。今回のワールドカップは2004年から12年ぶり3回目の開催となり、9月17日〜10月1日の間、エアカナダセンターで競技が行われる。

参加チームはカナダ、アメリカ、ロシア、スウェーデン、フィンランド、チェコの6カ国に加え、23歳以下のカナダ・アメリカ合同チーム、上記6カ国に入っていないヨーロッパのオールスターチームを合わせた合計8チーム。4チームずつに分かれて予選が行われ、各グループから上位2チームが決勝トーナメントに進出できる。

一体どこがカナダの優勝を脅かす可能性があるのか?! 国ごとの特徴を理解してカナダを応援しよう。

チケットや試合情報はこちらから:
nhl.com/ice/eventhome.htm?location=/worldcup/2016

アメリカ:近年ロシアに変わりカナダのライバルとして頭角を現している。特に過去4年間で2度もスタンレーカップを手にしたゴールキーパーJonathan Quickの壁は厚い。またPatrick Kane、Phil Kessel、Max Pacioretty、Blake Wheelerと充実した攻撃陣と合わせて注目されている。

ロシア:近年世界大会で目立った成績がないが、Evgeny Kuznetsov、Vladimir Tarasenko、Artemi Panarinといった新しい選手の台頭で攻撃陣に厚みが増している。

スウェーデン:2014年のオリンピックで銀メダルを獲得しており、2012年のジュニア世界選手権で優勝した際のメンバーも多く、経験豊富なベテランと若く勢いのある選手が上手く噛み合えばトップ争いに加わってくるはず。

フィンランド:攻撃陣では目立った選手がいないが、Pekka RinneとTuukka Raskが守るゴールの壁は厚く、1点でも決めることができれば白星を勝ち取ることもできるだろう

ヨーロッパ:各国に注目すべき選手がいることも事実だが、違う国同士の選手がいかに早く打ち解け1つのチームとして機能するかどうかが勝利への鍵だろう。

ノースアメリカ:攻守ともに勢いのある若手が育ってきているが、肝心のゴールキーパーはマイナーリーグの経験しかないところが弱みになってくるだろう。

チェコ:過去の戦績では目立った結果が出せていないが長野オリンピックではカナダを抑えて優勝するなど油断はできないチームだ。


■ カナダで最も高いコンドミニアムThe One

昨年Yonge St × College St近くに完成した78階建てのAuraが273mの高さでカナダで最も高いコンドミニアムとして話題に上がったばかりだが、昨年末、Yonge St × Bloor Stで新たに着工したThe Oneが80階建て、340mを予定しており、完成すればAuraよりも67m高く、カナダで最も高いコンドミニアムになる。またこの高さは298mのFirst Canadian Placeや275mのScotia Plazaよりも高い建物になるということで事実上カナダで2番目に高い建造物になる。(一番高い建物はCNタワーの553m。)

Foster + Partnersが建設デザインに携わり、現在の予定では早くて2018年の完成を目指している。1階から7〜8階までを商業施設用に建設しており、様々なショップやレストラン、フードコートを用意し、また、建物の顔となるグランドフロアは高い天井とガラス張りのロビーでコンドミニアムに住む人もその周辺の人にとっても欠かせない空間作りを約束している。外観のデザインはダイヤモンドをイメージした大胆な菱形でプロジェクトを担当しているSam Mizrahi氏は、トロントの新たなランドマークになるだろうとコメントしている。

The Oneは約560部屋に加え約600台分の地下駐車場、7階分の商業施設を含む高さ340m、80階建てを予定している。プロジェクトの詳しい進捗はonebloorwest.comをチェック。

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■ アメリカ大陸で初開催となる American Masters Games @バンクーバー

ワールドマスターズゲームズは4年ごとに開催される中高年齢者のための世界規模の国際総合競技大会で国際マスターズゲームズ協会が主催している。2008年にヨーロッパ地域のアスリート活動を活性化させるために初めてヨーロピアンマスターゲームズが開催されたことに倣い、今回Pan-American地域初となるAmerican Masters Games(以下AMG)の開催が決まった。開催場所はバンクーバーで8月26日から9月4日までの9日間に渡って開催される。

参加条件はそれぞれのスポーツに決められている最低年齢(30-35歳)以上であることのみ。個人競技14種、チーム競技11種の合計25種類のスポーツがあり、それぞれに複数の年齢制限枠が用意されているので、各世代でより白熱した試合が期待できる。通常のマスターズゲームズでは元オリンピック選手から、スポーツを楽しんでいる人、企業チームなど幅広い世代、幅広いレベルの人が参加しており、現在バンクーバーAMGでも参加アスリートを募集している。参加アスリートとその家族、コーチは特別価格でバンクーバーのホテル等に泊まることが可能で、オリンピック同様のオープビングセレモニーやイベントが開催される予定だ。今年の夏の思い出に普段スポーツをしている人には是非挑戦してもらいたいイベントだ。詳しくはこちら、americasmastersgames2016.com

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■ The Big Move トロントTTC延長計画の行方は?

昨年1月号でも紹介したEglinton LRTやToronto-York Spadina線の延長計画を含むトロント市、ハミルトン市の交通網を拡充させる計画The Big Move。その計画のうちの一つ、空港とユニオン駅を繋ぐUnion Pearson Expressは無事昨年6月に開通したが他のプロジェクトがどうなっているのか追ってみた。

Union駅改装工事
オリジナルプランでは昨年のPan Amerian大会に合わせての完成を目指して行われていた5年計画の大改装工事。現在はTTCのユニオン駅工事は終了しているが、未だにGo Train駅周辺、PATHなどは工事が続いており、完成は1年遅れの2016年年末予定に変更されている。だが、今年1月頭にはPATHに繋がるGreat Hall地下の計画が見直され、新しい工事計画がトロント市に提出された。昨年夏にユニオン駅前のSir John A. Macdonald Plazaで開かれたビアーガーデン、出店などの野外市場が人気を博したことから“Culinary, Cultural and Retail”テーマに特に食に特化したスペースを作り上げる予定だ。細かな改装計画が市に提出され工事も大詰めといった感じだが、予定どおり今年中に完成できるのか注目したい。

Toronto-York Spadina線の延長計画
昨年TORJA1月号で取り上げた時には当初の2015年末開通予定だったが、援助金の遅れや工事現場での事故などで遅れが生じ、一度見直された工事計画では2016年秋開通予定に変更されていた。現在は更に遅れが生じており2017年末開通予定になっている。だが実際トンネル工事は完了しており、全体の80%は工事が終了しているのだが、Public Artとして計画されている作りこまれた駅のデザインで作業に遅れが生じている。また今年1月頭には400億ドルの追加費用の支払いが決定した。このプロジェクト自体は、市、州、国、それぞれからの援助金で始まったものだが今回の追加費用は州、国からの援助はなくトロント市240億ドル、ヨーク地区160億ドルから支払われることが決定した。TTCのCEOAndy Byford氏はこれで2017年内の開通を実現するとコメントしているがプロジェクトの動向に注目したい。

Eglinton LRT駅工事開始
トンネル工事の第一段階(Black Creek Dr – Allen Rd)は昨年1月に無事終了しており、Dennis、 Leaと名付けられた2台のトンネル掘削機は昨年4月から第二段階(Allen Rd – Yonge St)に着工しており、昨年9月には更に2台のトンネル掘削機DonとHumberにより第三段階(Brentcliffe Rd – Yonge St)が着工した。トンネル工事と並行して各駅の建設準備も進められており、今年は西側の駅から順に工事が開始されていく予定だ。当初の完成予定2020年から既に1年の遅れが出るだろうと予測されているが、他のプロジェクトよりはスムーズに進んでいるEglinton LRT。今年1月には3駅増やされるはずだったScarborough LRT延長計画が1駅に縮小され、現在予定されているEglinton LRTよりも更に東へ延長することが決定している。

Finch West LRT着工
元々はDavid Miller氏が市長を務めていた頃に始まり、2013年完成を目指していたが、2010年にRob Ford氏に市長に替わった際にキャンセルされた計画がThe Big Move計画と同時に再度工事が始まることになった。最終的には空港から現在のFinch駅、そしてDon Mills駅を繋ぐことを目標としているが、今回の計画ではFinch West駅(Toronto-York Spadina線の延長で作られる駅)からハンバーカレッジを繋ぐ。昨年ルートや作られる駅の数、経費についての計画書が認められ今年の春に着工を予定している。完成は2021年の予定。

2月から新しい改札ゲート導入決定
2014年から検討されていた新しい改札ゲートの導入がついに今年2月から開始される。これは現在のメトロパスやトークンではなく、日本のSuicaと同様のカードPRESTOの普及を促すことと、ラッシュ時の混雑を解消することを目的としている。2015年末に新旧問わず、全てのストリートカーにPRESTOリーダーが設置され、2016年末までには全てのバス、サブウェイの駅でも使用できるようになる予定だ。新しい改札ゲートはDundas駅から導入される予定で2017年末を目処に全てが入れ換えられる。またそれと同時にメトロパスの発行も終了予定となっており、2016年のメトロパスはトロントのシンボルが描かれたコレクターズエディションとして発行されている。

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