キヤノン・カナダ新本社がブランプトン市に完成

全製品群を揃えたショールームを併設し、同社の理念である“共生”を基に環境保全や従業員の働きやすさを追求。最高かつ最先端のテクノロジーとサービスとともに、過去・現在・未来を繋ぐ日本を代表するイノベーターとしてさらなるカナダでの成長を目指す。

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新本社グランド・オープニング・セレモニー

左からDoug Whillans氏、Linda Jeffrey市長、江川泰三郎氏、Michael Palleschi氏、Jeff Bowman氏、Vic Dhillon氏、足達洋六氏、中山泰則総領事、Tony Valente氏

左からDoug Whillans氏、Linda Jeffrey市長、江川泰三郎氏、Michael Palleschi氏、Jeff Bowman氏、Vic Dhillon氏、足達洋六氏、中山泰則総領事、Tony Valente氏


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キヤノン・カナダは、43年間に渡りミシサガ市に構えていた本社を、新しくブランプトン市に6年の歳月をかけて建設した新本社に移転し、そのお披露目会が11月4日に開催された。

当日のセレモニーでは、ブランプトン市のLinda Jeffrey市長をはじめ、在トロント日本国総領事館中山泰則総領事が参列され、また米国からキヤノン・アメリカの会長兼 CEOである足達洋六氏が出席し、多くの来賓とともに新本社完成の喜びを分かち合った。

キヤノン勤続46年、東京・カナダ・アメリカ・中国・香港・シンガポールと世界各地での豊富な経歴を持つ足達洋六氏は、冒頭に登壇し、カナダは自身初の海外赴任先であり、当時の7年半の生活は約40年も前のことではあるが、今でも非常に大切な思い出として記憶に残っており、家族にとってもカナダは第二の故郷であると語り、この特別な日に立ち会えたことに喜びと感謝を述べた。

さらに赴任時のユーモア溢れるエピソードを交えながら、1984年のキヤノン・カナダ前オフィス完成に立ち会えたこと、その約10年後の1998年にキヤノン・カナダ社長として再度日本から赴任したこと、そして今回また新本社完成に合わせてカナダに来ることができて非常に嬉しく思っていると語った。

足達氏は、「キヤノンの企業理念である〝共生〟は、人種・宗教・文化を超えて共に生活し、共に働くことを意味しています。ビジネスのためだけではなく、市民と協力していくことを目指しており、キヤノン・カナダがブランプトン市に仲間入りできたことはとても誇りに思っています。今後、市とも協力して環境保全やイノベーションに取り組み、明るい未来を創造していきたいです」と、さらにブランプトン市と友好な関係を築いていくこと、そして同社のさらなる発展を強く目指すことを宣言した。

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続いて、新本社紹介の映像が流され、1973年の同社創立、1984年にミシサガ市にオフィス誕生などの歴史に触れながら、2010年に決定した新本社移転計画からその実現までが案内された。そして同社の理念である〝共生〟という考えを反映すべく、環境保全を前提としたLEED(世界標準の環境評価基準の一つ) の導入や従業員の働きやすさ、ヘルスケア、さらに周辺環境への配慮など新本社に込められた想いと意図が紹介されるとともに、カフェテリアやフィットネスルーム、リフレクションルームの他、同社製品のショールームを併設していることが挙げられ、クライアント、社員、コミュニティとの〝共生〟を創り上げ、ブランプトン市と共に未来へ向けてより成長し、進化できるとまとめられた。

ブランプトン市のLinda Jeffrey市長は、キヤノン・カナダが新本社にブランプトン市を選んだことに対する喜びや感謝を示し、今後、お互いに成長していくことを期待すると述べた。またブランプトン市には新たに大学が設立されると発表されたばかりで、キヤノンのような一流企業は多くの優秀な学生を引き寄せ、その学生が将来的にキヤノンに貢献できる人材となることを願うと語った。さらに市長は、同社が医療分野でも活躍している事実に注目し、これから開院する特別な小児病院も含め、市内にある3つの病院とお互いにより良い関係を築きあげてほしいと挨拶を締めくくった。

続いて挨拶に立った在トロント日本国総領事館の中山泰則総領事は、「キヤノンは映像機器やOA機器における日本最大手メーカーとして世界的にも有名で、最新のテクノロジーとハイクオリティな製品でカナダでも成功を収めている会社です。今後もカナダ・オンタリオ州・ブランプトン市と協力して、さらに成功し続けることを願っています」とキヤノン・カナダの今後の成長に期待を寄せた。

最後に登壇したキヤノン・カナダ社長の江川泰三郎氏は、新本社完成の喜びと各関係者のサポートに感謝を述べ、「キヤノン・カナダのビジョンはテクノロジーとサービスによって、お客様を満足させるイノベーターであることです。新本社に作られたショールームにはカメラ、プリンター、医療機器など同社の扱う全ての製品群が展示されており、過去・現在・未来を繋ぐ私たちのビジョンにマッチしたものです。さらに新本社は企業理念である〝共生〟のもと、ブランプトン市とのパートナーシップとともに完成しました。

社員が新本社をホームと呼べるくらい働きやすい環境が整っており、カフェテリアやフィットネスセンターなどヘルスケアはもちろん、リフレクションルームやコラボレーションルーム等があり、自然に囲まれた素晴らしい場所です。このような素晴らしい新本社の完成に携わってくださった多くの方々に感謝しています」と万感の思いを込めて挨拶を締めくくった。

セレモニーの終盤には、挨拶に立った方々が、市議会議員のDoug Whillans氏、Jeff Bowman氏と地方議員のMichael Palleschi氏、オンタリオ州議員のVic Dhillon氏らとともに、「CANON WAY」と記された道路標識をお披露目し、盛大な拍手のなか、レセプションは幕を閉じた。

イベント後、江川キヤノン・カナダ社長は「社員や地域を含めた総合力を出していくことが、これからはより大切だと思っており、社員間のコミュニケーションやコラボレーションを高めることを意識した新本社になっています。このオフィスには実質初めて全製品群を展示するショールームを併設し、お客様の様々なニーズに対して多様に応えていけるものになっていると思います」と語ってくれた。

同社が掲げる〝共生〟という理念の下で建てられた新本社は、すでにブランプトン市に温かく受け入れられ、今後、同社がさらに飛躍していくための基盤が十分に整えられた環境と設備であると感じられた。

従業員の働きやすさを最大限に考慮した最新設備が揃う新オフィス

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周辺は緑が多く、落ち着いた環境にある新本社のエントランスには企業理念である〝共生〟のモニュメントが置かれ、オフィス内は従業員の働きやすさを最大限考慮した近代的な空間となっている。トロントとオタワにオフィスを構えるカナダの建築事務所“MORIYAMA & TESHIMA ARCHITECTS”がデザインしたという近代的なオフィスは、建物中央の吹き抜けの天井はガラス張りで、支柱のデザインも自然光をより多く取り込めるよう工夫され、オフィス内を明るく保つことができているという。

さらに三層で造られたアメリカ産の窓ガラスは防寒対策も万全で、かつ張り出したフィンにより紫外線の低減を実現しながら、太陽光の温かみは十分に取り込めるようデザインされているなど、様々な箇所で従業員がより快適に働きやすいような工夫がなされている。

また社員のそれぞれのデスクは、パーテーションが低く設定されており、上司や社員同士のコミュニケーションが取りやすいようになっている。さらに、会議室とは別に社員同士が自由な雰囲気で話し合えるコラボレーションエリアが設けられ、パソコン等のIT機器の接続も可能になっており、リラックスしながら、よりクリエイティブなアイデアを出しやすい環境となっている。

エグゼクティブルームには、ハイテクノロジーが備わった会議室があり、世界中の会議に参加するためのテレビ電話や、プロジェクターが用意されている。会議室のガラスはボタン一つですりガラスのようにすることができ、重要な会議や来客などに応じて、外からの視線を遮断することができるなど、様々な最新設備が備えられている。

そして、江川キヤノン・カナダ社長がレセプションでも述べていた通り、従業員のヘルスケア等のサポートという点でもオフィス機能が充実している。全面ガラス張りの広く明るい雰囲気の「カフェテリア」は、社員の多彩なニーズに対応できるようにと日替わり・ピザ・パスタ・アジア料理といった充実したメニューが揃っている。夏にはオープンテラスが設けられ、アウトドアが好きなカナディアンの満足度は高いことだろう。

また、最新のフィットネス器具、更衣室、シャワー室が完備された「フィットネスセンター」は、トレーナーも常駐しており、軽く体を動かしたい人からトレーニングに励みたい人まで、社員それぞれがエクササイズを楽しむことができる。フィットネスセンターの窓からは周辺の緑や池を一望することができ、リフレッシュするには最高の環境となっている。また多民族都市であるカナダならではといった、様々な文化や宗教をバックグラウンド持つ従業員のために、「リフレクションルーム」も用意されている。ここではそれぞれの価値観や宗教を尊重し、お祈り等をする場として活用されている。

過去・現在・未来を繋ぐキヤノン・カナダ全製品を取り揃えたショールーム

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キヤノンの長い歴史と実績、高い技術力を目の当たりにできるショールームは、入り口のモニターパネルで時代の流れとともにどのような製品が世に送り出され、どのような分野で革新的な製品やサービスを生み出したかなど、一目で把握することができる。このモニターパネルはセンサーで人を感知し、情報を映しだす仕組みになっており、ショールームの随所にもテクノロジーが使われていることに驚かされる。

足をショールーム内に運ぶと、 ハイクオリティの大型プロジェクターにより、映像が薄いガラスに映し出され、 必要以上に大きなスペースを取ることがなく、有効活用されたスペースで最新技術が体感できる。

キヤノンの代名詞といえるカメラの展示では、それぞれのモデルが揃えられていたが、そのなかでも特筆すべきモデルは、人工照明や月明かりのない暗闇でも、星明かりなどの非常にわずかな光源だけで被写体を認識できる多目的カメラの「ME20F-SH」。ショールーム内には、本当に暗闇で撮影したのかと疑ってしまうほど、クオリティの高い動画も一緒に展示されている。他にもカメラと連動した、フォト&ムービーストレージの商品も充実している。昨年弊誌12月号でも紹介した「Connect Station CS100」はカメラで撮った写真やビデオを保存・鑑賞できるだけでなく、インターネットを介して遠方の家族や友人とも簡単にデータが共有できる優れものである。

印刷物のニーズに合わせて展示されているプリンターエリアでは、その最新技術に驚かされる。名刺を簡単に作れるなどの多彩な機能付きのものから、印刷時に紙を留めてくれるホチキスいらずのプリンターなどに加え、「Image RUNNER ADVANCE C7260」は印刷時に紙を三つ折りにできる機能を搭載しており、簡単な資料やパンフレットを作ることができる。 また、ショールームの奥に展示してあるひと際目立つ大型プリンター「Océ Arizona 1280GT」は、大型ドキュメントの印刷やタイルなどどんなものにでも印刷でき、商業用として高いシェアを誇る。

また医療分野でのキヤノンの役割は高く評価されており、カナダではまだ認可がおりていないが、「OCT」という光の干渉性を利用して高分解能・高速で撮影する技術で、主に眼科領域で臨床応用されている機器である。これは、緑内障など失明率の非常に高い病気も、この「OCT」により早期発見が可能になり、カナダでも早期に一般化されることが期待されている。

これまで高い技術力を武器に様々な商品を世に送り出し、積極的な海外展開のなかでカナダでも40年の歴史を誇る同社の新本社では、B to C市場のみならず、B to B市場におけるキヤノンの製品群と技術を体感できることができ、同社に深い理解を得ることができる。企業理念である〝共生〟の想いが詰め込まれた新本社から生み出されるパワーと日本を代表するグローバルカンパニーとしての今後のさらなる活躍に期待をしたい。