キャサリン・ウィン [オンタリオ州首相] 訪日経済ミッション ダイジェスト

州首相、日本の団体と1億2千万カナダドルを上回る15の協定に締結。

キャサリン・ウィン州首相は、東京訪問中にオンタリオ州全土と日本からの指導者と会談し、1億2千万カナダドル相当の新たな事業合意に達し、同州で170人の雇用創出数が見込まれると発表、日本とオンタリオ州の事業体と団体が、下記を含む15の新たな事業協定と提携関係を結んだ。

オンタリオ州の再生医療商業化センター(CCRM)と日本のヘリオスが総額約6千万カナダドルに上る一連の契約書を実行する了解覚書に調印。これにより日本とオンタリオ州間で、技術移転、許認可、治験協力、製造、トレーニングを行う機会が創造される。

フタバ産業株式会社は5千万カナダドル超を投資して、同社のオンタリオ州ストラトフォード工場を拡張する。この投資により、日本から輸入するホットスタンプ装置が同工場に設置される。

マックマスター大学、センテニアルカレッジ、ならびにセネカカレッジは日本の諸教育機関との了解覚書合計6件に署名した。これは、中等後教育、優れた研究、イノベーションに地域を上げて取り組む姿勢を示すものとなる。

また、在日カナダ商工会議所協賛、在日カナダ大使館主催の「経済ランチョン」における基調講演の中で、企業上層部や投資家に対し相互間の経済協力関係を拡大する機会をより一層推進した。

さらに、ウィン州首相は、MaRSがFinTechセクターとして世界で初めてNTTデータとの国際合意に署名したネットワーキングイベントでも演説を行った。この協力は、日本の市場機会を求めるカナダの新創設企業に新しいプラットフォームを提供することになり、MaRSは、株式会社NTT主催グローバルオープンイノベーションビジネスコンテストにおいてNTTデータの初のパートナーとなる。このコンテストは、イノベーションのハブと有望な新技術の開拓加速化事業者の架け橋となってグローバルな経済問題に取り組む革新的なイニシアチブだという。

自動車技術、リサーチ、製造部門への投資は、日本とオンタリオ州双方の経済成長を推進することになる。州首相は、東京にあるスバルとホンダの本社を訪問し、自動車部門のイノベーションにおける支援や世界市場で競争力を維持する方法ついて意見交換を行い、ホンダでは、同社が世界に誇る最先端の人型ロボットASIMOとも対面を果たした。

さらに、航空宇宙部門におけるオンタリオ州の指導力を開発するため、住友精密工業の経営陣と会談し、将来的な提携機会について話し合った。

オンタリオ州と日本の経済は、製造部門を通して緊密に連携しており、訪日中に開催されたF-Tech(オンタリオ州通称F&PとDyna-Mig社)との会合では、自動車部品製造に対する投資機会について意見交換も行われた。

また、共同研究機会について調査するため、製造業の経営陣と名古屋で会談し、トヨタの経営陣と自動車産業におけるイノベーションについて意見を交換した。また、同州の航空宇宙部門に対する投資機会を促進する目的で、三菱重工航空宇宙システムのチームとも話し合った。

今回の訪日経済ミッションは、同州の革新的な事業環境を推進し、将来的な投資を奨励する目的で、主要な経済界首脳及び製造業の経営陣と会談し、一連の日程を終えた。 

ウィン州首相は、「今回の訪日ミッションは、オンタリオ州全土で約150社の日本企業が既に4万2千5百人以上を雇用しているという確固たる基盤の上に成り立っています。新たな投資や雇用機会が、最先端のイノベーションや優秀な人材といった同州の価値を証明しています。新しい製品や工程を設計、検査、試験する新技術開発の専門知識のおかげで、オンタリオ州は世界に通用する競争力を維持しています。今日の世界市場において、国際協力はオンタリオ州の経済成長と競争力にとって必要不可欠なものです。日本とオンタリオ州は、イノベーションや製造等、多数の優先事項を共有しており、共同研究の可能性も多いことから、政財界の首脳陣との会談を通して、将来的な協力関係や商取引の機会を開拓していきます。」と述べ、訪日経済ミッションを締めくくった。

小池百合子東京都知事と会談

知事室で小池百合子東京都知事(右)と会談(中央は通訳者)。両者ともに女性初の州首相、都知事である。行政や実業界における女性の役割など幅広い経済社会問題が話し合われた。

知事室で小池百合子東京都知事(右)と会談(中央は通訳者)。両者ともに女性初の州首相、都知事である。行政や実業界における女性の役割など幅広い経済社会問題が話し合われた。

ウィン州首相は会談について、「本日、小池百合子東京都知事と会談し、意見交換を通じて双方が学ぶことで、東京都とオンタリオ州が、共通の目標に向けてどのように連携していくかについて話し合いました。

東京都は、人口1300万人以上を抱える、世界でも有数の大都市のひとつです。東京都とオンタリオ州は、低炭素経済への移行、基本施設の建設と維持のほか、イノベーション分野での先導など、主要な優先事項を共有しています。

現在東京都は、2020年に開催される夏季オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて準備を進めています。小池都知事は、2015年のパンアメリカン•パラパンアメリカン競技大会を、予定期限内に予算内で開催したオンタリオ州の経験に高い関心を示されました。小池都知事と私は共に、それぞれの行政官庁の官職に就任した初めての女性です。政策決定に影響を与えるべく、すべての行政団体で女性が議席を確保するため、これまで以上に働きかけていく必要があることを確信しています。本日、政府における女性の役割と実業界における女性のリーダーシップについても意見を交換しました。

小池都知事との会談は、東京都とオンタリオ州の貿易および文化的な関係を強化し、双方に対する知識を高める一助となりました。建設的な政治関係を構築することにより、経済協力及び商取引の確固たる基礎固めを促進します。」と声明文を発表した。

高円宮妃殿下と懇談

高円宮妃殿下(右)と懇談。妃殿下は故高円宮殿下とともに親加家であられる。ロイヤルオンタリオ博物館には、日加関係や故殿下と高円宮妃殿下が架け橋となったカナダとの強い絆を記念した高円宮ギャラリーが常時展示されている。

高円宮妃殿下(右)と懇談。妃殿下は故高円宮殿下とともに親加家であられる。ロイヤルオンタリオ博物館には、日加関係や故殿下と高円宮妃殿下が架け橋となったカナダとの強い絆を記念した高円宮ギャラリーが常時展示されている。

ウィン州首相は懇談について、「高円宮邸にて高円宮妃殿下にお目にかかれたことは大変光栄であります。

高円宮妃殿下は、オンタリオ州をはじめ、日加関係に多大なる貢献をされてきました。日本とオンタリオ州は、共通の価値観や経済・文化面での強力な連携関係に基づく生産的な関係を享受しています。オンタリオ州を故郷とする日系人は約4万人と言われ、両地域の自然な繋がりを生み出しています。

高円宮妃殿下は、「カナダのプリンス」として日本で親しまれた、今は亡き高円宮殿下に因んだ、王立オンタリオ博物館の高円宮殿下日本ギャラリー開会式典に御臨席のため、2006年にオンタリオ州を御訪問されました。本ギャラリーは、日加の友好関係を称え、高円宮同妃両殿下とカナダ、オンタリオ州の強い絆を記念して設立されました。

文化交流を深めるため、高円宮妃殿下にお目にかかるお時間を頂戴し、感謝申し上げます。日加外交90周年となる2019年が間近に迫り、政治、経済、文化上の日加関係において、大きな節目を迎えようとしています。高円宮妃殿下との懇談は、両国が共有する歴史と明るい将来の可能性を思い出させる有意義な時間となりました。」と声明文を発表した。

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新たな事業協定、貿易・経済提携の強化、新たな協力機会の発見を求めて3日間に渡り訪日したオンタリオ州のキャサリン・ウィン州首相(前列、白いドレスにスカーフ)とオンタリオ州使節団。日本の経済は世界第3位で、オンタリオ州の貿易相手としては第5位。今回の訪日ミッションではイノベーション、自動車、航空宇宙、製造、情報通信技術(ICT)、ライフサイエンスなど相互で実力のある部門に焦点を絞っている。州首相の訪日ミッションに同行したイアン・バーニー駐日カナダ大使(前列左から7人目)とブラッド・デュグイド経済開発成長大臣(前列左から5人目)。

写真で振り返る訪日経済ミッション

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訪日ミッション初日、キャサリン・ウィン州首相はオンタリオ州と日本の団体と共に、15件、1億2千万カナダドル相当にのぼる新たな協定を発表。オンタリオ州政府は提携先と協力して、強力で弾力性と競争力のある事業環境の展開に重点を置く。

協定調印の様子。着席者:左から、株式会社ソリトンシステム創始者で代表取締役社長の鎌田信夫博士、SOTI Inc.のカール・ロドリゲス社長兼CEO、ヘリオスの鍵本忠尚CEO、オンタリオ州再生医療商業化センターCEOのマイケル・メイ博士、ベルチャイルドの藤田好邦社長、スカイネットのポール・トーマス社長。立席者:左から、イアン・バーニー駐日カナダ大使、ウィン州首相、ブラッド・デュグイド経済開発成長大臣。

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日本市場参入を目指すカナダのテクノロジー企業向けプラットフォーム創設に向けたMaRSとNTTデータの新規提携を喜ぶオンタリオ州キャサリン・ウィン首相(左から3人目)。NTTのグローバルなイノベーションハブと有望な新技術の開拓加速化事業者を結ぶイニシアチブにおいて、MaRSはNTTの最初の提携先となる。MaRSはアジア輸出を目指す参加企業にこれを紹介して、オンタリオ州の経済成長を促進する。

ウィン首相の同席者:左から、ブラッド・デュグイド経済開発成長大臣、イアン・バーニー駐日カナダ大使、MaRSのFinTechおよびイノベーション責任者アダム・ナンジー氏、NTTデータ事業推進部オープンイノベーション事業創発室長の残間光太朗氏、MaRSベンチャー部門副社長のサリム・テジャ氏、NTTデータ技術戦略、情報セキュリティおよび財務セグメント担当代表取締役常務執行役員の植木英次氏。

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訪日ミッション2日目に名古屋のトヨタ博物館とトヨタ工場を視察するオンタリオ州キャサリン・ウィン首相と、同行したケンブリッジ市のダグ・クレイグ市長(左)とブラッド・デュグイド経済開発成長大臣(左から2人目)。在日カナダ商工会議所ロン・ヘイグ会頭(右)も同行した。トヨタはオンタリオ州ケンブリッジ工場を国外初のレクサス組立工場に選んでいる。

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キャサリン・ウィン州首相は東京のホンダ本社で同社が世界に誇る最先端の人型ロボットASIMOの出迎えを受けた。訪日ミッション初日にウィン首相は成長を促進して自動車産業を支援する方法について、ホンダの経営陣と意見を交換した。ホンダのオンタリオ州アリストン工場は、世界各地の同社工場にホンダシビックの製造技術を教える教育工場である。

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キャサリン・ウィン州首相(左)は、東京で住友精密工業の経営陣と航空宇宙提携を強化する機会について会談。オンタリオ州で活況を呈する航空宇宙産業の年間売上は60億カナダドルを超え、州内で2万1000人を上回る技術者が雇用されている。

ウィン首相の同席者:左から、イアン・バーニー駐日カナダ大使、ブラッド・デュグイド経済開発成長大臣、オンタリオ州投資事務所のトレバー・ダフニー副所長、オンタリオ州およびカナダ産業省のレイ・タンゲイ自動車部門アドバイザー。向かい側の着席者:左から、住友精密工業の橋本奈津常務取締役、住友精密工業の田岡良夫副社長。

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キャサリン・ウィン州首相は自動車産業のリーダー、スバルのショールームで、成長と投資の促進についてスバル海外第一営業本部副本部長兼北米営業部長、早田文昭氏と会談。オンタリオ州における2015年の生産台数は220万車を超え、自動車セクターの雇用人数は10万3千人を上回る。

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名古屋のトヨタ博物館とトヨタ工場を視察したオンタリオ州キャサリン・ウィン首相(左)と、同行した在日カナダ商工会議所ロン・ヘイグ会頭(中央)とケンブリッジ市のダグ・クレイグ市長(右)。首相は工場で今後の投資と成長の可能性についてトヨタ経営陣と会談した。

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名古屋の三菱重工業経営陣と将来のビジネス機会について会談するオンタリオ州キャサリン・ウィン首相(中央)。首相に同行したブラッド・デュグイド経済開発成長大臣(右から3人目)と三菱重工民間機事業部の廣瀬圭介部長(右)。三菱重工を含む世界の航空宇宙企業上位25社の半数以上がオンタリオ州で主要事業を展開している。

写真クレジット©Queen’s Printer for Ontario, 2016