今はバブル?株と不動産の縁遠い世界 | バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明

世界で株高が話題になっている。バンクーバーから始まったカナダの不動産ブームは東に進み、今それはモントリオールにも波及している。ビットコインバブルはその舞台を中国から日本に移した。お父さんやお母さんから聞いたあの噂のバブルはまた、やってくるのだろうか?


日本のバブルを知っている人は今や50代から上の人だろう。日本やアメリカのIT・IPOバブルを知っているのは40代から上の人、アメリカの住宅バブルを知っているのは30代から上の人だ。どれもこれも狂っていた。

銀座では当時、ホステスの座る飲み屋に行けばまずはお相手してくれる人が誰だろうが「はい、1万円」と気付が渡された。IT・IPOバブルは全ての若者に「上場したら何でも買える」という夢を与えた。日本では堀江貴文氏がフジテレビを買うと鼻息が荒かった時期に重なる。アメリカ住宅バブルのころは「うちの会社に入社すればBMWをプレゼント」というとんでもない採用条件もあった。

そのバブル、終わってみれば「この車を買えばもう一台プレゼント」という史上初の自動車版ツーフォーワンの広告が出回ったリーマンショックに見舞われるのだが。

今、世の中はバブルではないか、という議論がある。バブルをどう定義するのか、これは不明瞭だが、私は自分のブログで「主婦と学生が株を買い始めた時」と定義している。つまりあぶく銭をもった人が不労にてより大きなあぶくを得て儲かった気分に浸る人が目について増えた時、投資対象は実態からはるかにかい離し、無重力地帯を浮遊していると考えている。

ではお前は現状をどう考えるのか、といえばまだバブルではないとみている。理由はバブっているのは一部の金持ちであり、投資家であり、資産家であって一般大衆ではないからだ。

かつてのバブルは不動産や上場利益という一定のきっかけがあった。元祖バブルといえばオランダのチューリップだが、これもその投機の対象物が明白であった。今回の不動産や株式相場の高騰は結果として上昇したのであって、ビットコイン以外は特定の対象物があったわけではない。ではなにがそうさせたか、といえば金融緩和による「カネ余り」である。

実は堅調な株式相場に於いてスポットライトが当たらないのが金融株で特に日本の銀行株はその恩恵をほとんど受けていない。理由は金利は安いわ、貸出先はないわで今の経済環境では指をくわえていることが多いからだ。銀行の出番といえば問題企業が資金繰りに困った時にホワイトナイトごとく現れる黄門さま、銀行さまということだが決しておいしい話ではない。儲かっているところは余ったカネを提供する新たな資金の出し手になったことが銀行業務の根本的地殻変動を引き起こそうとしている。

一方でカナダの不動産、「♬どうにもとまらない♫」と口ずさんでしまいそうだが、止める方法はある。一つ目の劇薬はいくらでも作らせて需給の飽和点を探ること。もう一つの劇薬は2軒目を買わせないことだ。住宅は住むところだから一人一軒までと限定する。そうすれば価格は暴落する。

カナダの住宅価格の高騰が止まらないのは住宅を住宅として見ていないからだ。ここにメディアも学者も識者も誰も気がついていない。金(ゴールド)の需要は何故あるか、といえば工業用品や貴金属としての実需もあるがそれ以上に安全なマネーの滞留先という理由がほとんどである。

カナダの住宅は政治的にも金融制度的にも移民政策もマイルドな先進国であり、そこには中国のみならず、中東、イラン、インド、ロシアなどあらゆるマネーが集積する。それらのマネーが形を変えて扱いやすいのは再販市場が確立している住宅なのである。つまり、カナダの住宅はゴールドと同じポジションにある。

これは何を意味しているかといえば地球上であまりにも緩和しすぎたドル、ユーロ、円など主要通貨を用いて錬金術でとてつもないマネーを手にした人たちがそのマネーを世界の何処に置き、何に変えて置いておくか、を考えた末に最適と考えたのがカナダ都市部のコンドミニアムということだ。

言い換えればバブルという「猫も杓子も株に不動産」ではなく、持てる者が借入金もないピュアな資産を場所や形を変えて投資をしているだけの話である。

では一般庶民は指をくわえてみているだけか、といえば私なら「あやかればよい」と思う。もちろん私は投資指南家ではない。責任も負えない。だが、カナダでの投資は魅力があふれている。例えば代表的な株式インデックスTSXはようやく史上最高値を更新しつつあるところでUS市場の上げ余地が限られるのに対して出遅れ感がある。

それとカナダの株式銘柄には毎月配当金をくれる銘柄がゴロゴロある。そしてその多くは年率換算で6〜8%取れる。銀行のGICやセービングで1%前後でどうのこうの、と言っているレベルではない。日本の投資信託では毎月配当、実は元本食いつぶし、というのがあったが、カナダは株価のリスクはあるが、そんなトリックはない。

金持ちになりたい人にこれだけ申し上げておく。ゼロから100を貯めるのはメチャ大変だ。だが、同じ100を増やすのにも100から200は案外すっと行く。ましてや1000から1100は目をつぶってもできる。この意味はあるところから加速度がつくということだ。初めは我慢、でもそれを乗り越えればあーら不思議、となればよいのだが。

バブルの申し子がバブルの伝道師のような話をしてしまったが、世の中、確実に言えるのは「不景気」ではなさそうだ、と申し上げておこう。


岡本裕明(おかもとひろあき)

1961年東京生まれ。青山学院大学卒業後、青木建設に入社。開発本部、秘書室などを経て1992年同社のバンクーバー大規模住宅開発事業に従事。その後、現地法人社長を経て同社のバンクーバーの不動産事業を買収、開発事業を完成させた。現在同地にてマリーナ事業、商業不動産事業、駐車場運営事業などの他、日本法人を通じて東京で住宅事業を展開するなど多角的な経営を行っている。「外から見る日本、見られる日本人」の人気ブロガーとしても広く知れ渡っている。