比べてみました!日本とカナダの「年金・収入・貯蓄・消費税・大学学費」|特集「憧れ・出会い・交流 ニッカナインティー」

 日本からカナダに移住や留学などで生活拠点を移した時に気になった違いに着目して制度や数字を調べて両国を比べてみました。生活に役立つ比較カテゴリーは今後TORJAウェブサイトで追加・アップデートしていく予定です。

収入

年間平均収入・個人(2016)

世帯収入

年金

Public Pension(政府による年金サポート)

CPP(Canada Pension Plan)

 65歳以上、または条件を満たす60歳〜64歳の人が受給できるいわゆる厚生年金。一部例外を除き18歳〜70歳の就労者が払わなければならない、政府による年金制度である。所得レベルに応じて納める保険料は異なるが、CPP積み立ては自営業者の場合全額自己負担、給与所得者は雇用主との折半でそれぞれの給与から自動的に差し引かれる。

 CPP年金はOASと同様に課税対象であり、OASに上乗せされ支給される。また、受給の際にカナダ国外に居住していても受給可能である。CPP年金にはそれぞれ異なった条件が設定されているものの、退職年金や障害者年金のほか、障害者年金受給者の子供への手当て、遺族年金、死亡給付金などが含まれている。

OAS(Old Age Security)

 税収を財源に65歳以上のカナダの市民権、永住権保有者に毎月政府から支給されるいわゆる老齢年金。税収を財源としているため就労に関係なく、保険料の徴収もない。条件としてはOAS年金を受け取る際、カナダ国内に住んでいれば、18歳以降の最低10年間の居住証明書が、また国外に居住している場合は、18歳以降の最低20年間の居住証明書が必要。18歳以降に何年カナダに居住したかにより給付額が異なり、40年の居住で満額給付となる。受給額は課税対象。

 さらに、定年後低収入者カテゴリーに入るGIS(Guaranteed Income Supplement/補充所得年金)や、60歳〜64歳の配偶者を亡くした方や夫婦片方の年金のみを頼りに生活をする家庭を対象としたSpouse’s Allowance/配偶者手当などがOASに含まれている。

Private Pension(企業・団体や個人が積み立てる年金対策)

 RPP(Registered Pension Plans)は、企業がプライベートに持っている企業年金でカナダの約40%の企業が加入している。代表的なものはGroup RRSPDefined Benefit Pension Planの2つ。また、RRSP(Registered Retirement Savings Plan)という銀行などで受け付けている個人年金もあり、税金控除の対象になる。

公的年金/国民皆年金(政府による年金サポート)

国民年金

 全ての年金の土台になることから老齢基礎年金とも呼ばれ、20歳以上60歳未満の日本に住む者は国籍に関係なく国民年金の被保険者となる。保険料納付済期間と保険料免除期間などを合わせた資格期間が最低10年以上の、国籍を問わない65歳以上の日本居住者が受給できる。

 自営業者などは第1号被保険者として毎月定額の保険料を自ら納める必要がある。

 会社員や公務員は第2号被保険者と呼ばれ、毎月定率の保険料を雇用者と折半で負担する。

 専業主婦など扶養されている人や低収入者と認定されている人は第3号被保険者となり第2号被保険者が保険料を負担するため個人として保険料を納付する必要はない。

厚生年金

 厚生年金は、カナダのCPPに似て第2号被保険者の就労者が国民年金に加えて加入するもので、国民年金と給与に応じて定められた厚生年金の、その両方の保険料を雇用者と折半して負担する年金政策である。65歳以上の第2号被保険者は、就労中の給与と加入期間に合わせた給付額を国民年金に上乗せして受給できる。

 また、公的年金制度には老後用の年金だけでなく、障害者となった場合の障害基礎/障害厚生年金、亡くなった場合に備えた遺族基礎/遺族厚生年金と呼ばれる年金が支払われるという保険も含まれている。

企業年金・個人積み立て年金(企業・団体や個人が積み立てる年金対策)

 カナダ同様、政府とは別で企業団体や個人が個別で老後のさらなるサポートとして積み立てを行なう年金政策がある。

国際社会保障協定

 カナダと日本は、国際社会保障協定を結んでおり2008年から施行されている。この制度は、状況や条件は個人で様々であるが、両国で働いた人や住居していた人を対象に、二重の保険料負担を防いだり、年金の受給に必要な期間の通算を相互にできることを可能にしている。国際化が進む現社会でこのような協定は両国の市民にとって貴重な制度となっている。

年金受給額 カナダ vs 日本

カナダ

日本

 第1号被保険者は、2016年度の時点で免除制度が効く場合を除いて毎月定額で1万6260円の国民年金を、第2号被保険者は国民年金と厚生年金を合わせて月給の17.828%の半分ずつを雇用側と共に負担している。

消費税

カナダ

オンタリオ州のHSTは 13%

 カナダ全土で一律に適用されるGST(連邦消費税)と州によって異なるPST(州税)またはHST(ハーモナイズド消費税)の3種類がある。現時点でGSTは5%、PSTのある州ではGSTとPSTの合計が消費税として捉えられる。

 一方カナダの東部の州、オンタリオ、ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンス・エドワードアイランド、ニューファンドランド・ラブラドール州の5州ではHSTの税金方式を実施。これはGSTとPSTを既に含んだ税額で、これらの州ではHSTのみを消費税として払う。

 医療費や薬代、州によって基準は異なるが生活必需品などには消費税はかからないが、その他のものには最大で15%の消費税がかかるため日本と比べると高めである。

日本

全国一律で 8%

 2019年には10%に引き上げられる予定だ。ただし、増税時に特定の品目に対して税率の適用を免除するシステムである軽減税率を導入することになっている。日本では飲食料品(規定有り)と新聞に適用される。

大学学費

カナダ

 カナダ全体の学費平均は、4年制大学で1年間で1.4万ドル~2万ドルが一般的だ。さらに各大学で奨学金制度を設けており、金額は様々だが留学生も含め成績などに応じて奨学金を受け取る生徒が多い。ちなみに日本政府や団体も海外への留学生を応援する奨学金制度を用意しており、日本学生支援機構などはカナダの大学留学にも利用できる。

日本

 初年度に納付する授業料や入学金、施設設備費などを合わせた平均額は次のようになる。

貯蓄

カナダ

 2018年のCIBCの調べによると、カナダ人が予想する退職後、老後に必要なお金を考えた時の平均貯蓄額は75万6千ドルだが、実際の貯蓄額は平均18万4千ドルであるという。貯蓄予想額と実際の貯蓄額は世代によっても大きく異なっており、30%が退職後の貯蓄がなく、19%が5万ドル以下の貯蓄という結果になっている。そして退職を控えたカナダ人の90%が詳細な老後プランを立てていないとのことだ。また、女性は男性と比べて貯蓄は少なめで、退職後のプランのある男性が32%なのに対し女性は22%、55歳以上の時点でも43%の女性がプランを用意できていないという。一方、男性は27%となっている。

日本

 預金や年金保険、株式など金融資産保有者の貯蓄平均額(シングル)は1590万円で中央値は600万円である。金融資産を持たない人口も含めた場合、シングル世帯の貯蓄平均額は822万円、中央値20万円とその金額には大きな差がある。近年では金融資産を保持しない世帯が徐々に増えており、そのほとんどは無収入・低所得の世帯であるためそこから見ても貯蓄額の低さに関係していることは明らかであるが、高所得世帯でも貯蓄ゼロの世帯はおよそ29%と決して少なくない。