カミングアウト/ovrseeのカナダライフ日記【第2回】

2017年から開始したovrseeのLGBTサポート。きっかけはovrseeで働いているLGBTスタッフが語ってくれたこれまでの人生。日本での自分、トロントに留学して変わった自分のストーリーはとても心に響くものがあり、その体験談を元に日本のLGBTの方、またはLGBTコミュニティーに関心のある方に向けLGBT留学サポートを開始しました。2018年にはTorontoのLGBT情報を紹介する日本語サイトLGBTxトロント(http://lgbtoronto.ca/)を公開。

カミングアウトの言葉の由来

カミングアウトとは英語でComing out。これはComing out from closetという言葉を省略した言葉で、クローゼット(閉ざされた状況)から出てくる→今まで公表してなかった・隠していことを公にするという意味になります。日本の某テレビ番組が、サブタイトルに「カミングアウトバラエティ」と使っていたのにとても違和感を感じました。北米ではカミングアウトという言葉は、一般的に性的マイノリティーであるということを公表する時にしかしようされません。

2018年平昌オリンピックで話題になったアスリート

2018年に韓国・平昌で話題になったアメリカのアスリートがいます。フリースタイルスキーヤーのGus Kenworthy(ガス・ケンワージー)選手とフィギュアスケーターのAdam Rippon(アダム・リッポン)選手。なぜ話題になったかというと、彼らはアメリカのオリンピックの歴史で初めて、ゲイ男性であることをカミングアウトした上で、アメリカ代表として選出されたからです。そして、米国代表団の団長を務めたアメリカ副大統領がLGBTの人権について、批判的な政策を取っていることから、LGBT選手VS副大統領という構図で、さらに話題になっていました。

オリンピック後に行われた、HRC(Human Rights Campaign)というLGBTの人権を支援する団体のイベントに招待されたこのアスリート2人。 Adam Rippon選手がLGBTの人権活動に貢献した人に送られるVisibility Awardを受賞し、そのプレゼンターとしてGus Kenworthy選手が登場しました。

Adam Rippon選手がスピーチでとても印象的な言葉を残しています。

There might be people who come to your life just to tell that they hope you fail.
Be kind to them.
They see something in you they wish they had. 

世の中には、あなたの失敗を望み、攻撃してくる人がいる。
でも、そんな人に対しても思いやりを持って接しよう。
彼らは自分に無い物を持ってるあなたの事がうらやましくて仕方がないんだよ。

私の中で、この言葉がとても心に響きました。ちなみに、カナダのペアフィギュアスケート選手、 Eric Radford選手もカミングアウトした後に平昌オリンピックに臨みました。結果は団体で金、ペアでも銅と二つのメダルを獲得!

LGBTのT

私が発しているLGBTという言葉。そのTはTransgender(トランスジェンダー)を意味します。トランスジェンダーとは日本語でいうと性同一性障害と訳されます。

先日、ovrsee代表Mihoの高校生息子さんの学校でこんな出来事がありました。

Ethanという少し体の大きい男の子。その子が授業中、告白したいことがあるとクラスの前に立って話しはじめました。

今までずっと自分の性別のことで格闘してきた。親と話し、これからは女の子として人生送ることを決め、名前もジェスに変更するという告白でした。

全くそんな感じがなかった子だったのでみんな驚いたそうですが、勇気出して告白してくれたのは簡単なことじゃない、Mihoの息子さんをはじめ、先生もクラスメートも、ジェスの生き方を100%尊重すると考える子がほとんどだそうです。

この学校はアートスクールなので、通常のハイスクールとは少し異なりますが、高校生でこんな重要なことを勇気を持ってクラスメートに告白し、何よりも先生が授業中に彼のために時間をさいて、そしてみんながサポートするとは素晴らしいなと思います。

カナダ首相のJustin Truedau氏も、2017年11月20日のTrans Day of Remembrance(トラスジェンダーであることが理由で命を失った人たちを想う日)にツイッターで

We remember the victims of transphobia, as we keep working to build a world where people are free to be who they are.

「トランスフォビア(トランスジェンダーの人に対する嫌悪)による被害者を私たちは忘れない。私たちは誰しもが自分らしく自由に生きれる世の中を作るために働き続ける」

とコメントを残しています。

私自身、Ethanのことを知りませんが、強く美しく人生を送っていって欲しいなと心から願わずにいられません。


ovrsee co. 秋山みほ

2017年から開始したovrseeのLGBTサポート。きっかけはovrseeで働いているLGBTスタッフが語ってくれたこれまでの人生。日本での自分、トロントに留学して変わった自分のストーリーはとても心に響くものがあり、その体験談を元に日本のLGBTの方、またはLGBTコミュニティーに関心のある方に向けLGBT留学サポートを開始しました。2018年にはTorontoのLGBT情報を紹介する日本語サイトLGBTxトロント(http://lgbtoronto.ca/)を公開。