カナダ国民「大麻入り食品を試してみたい」36%までに減少|カナダから見るマリファナ合法化のあと

 大麻合法化前は、カナダ国民の46% が「大麻入り食品を試してみたい」と答えていたが、最新の世論調査によるとその割合は36%までに減少。

世界の大麻事情
米イリノイ州、嗜好用大麻合法化法案が可決

月31日、米イリノイ州にて、嗜好用大麻合法化法案が可決された。シカゴ·サン·タイムズ紙によると、J.B.プリツカー州知事はすでに法案に署名する計画だと発言しているとのことだ。米国ではすでに西部カリフォルニア州を含む、計10州と首都ワシントンがあるコロンビア自治区で娯楽用大麻が認められているが、イリノイ州が嗜好用大麻解禁11番目の州となる。

 大麻規制課税法が制定されると、2020年1月1日より21歳以上のイリノイ州居住者は30グラム以内の大麻花冠、5グラム以内の濃縮大麻、500ミリグラム以内のTHCを含む大麻製品を購入と所有が合法となる。法案には30グラム以内の大麻所持が絡む、およそ80万件の有罪判決を犯罪記録から抹消するという社会公正条項も含まれており、更に30~500グラムの大麻絡みの有罪判決の場合は個人または州検事局が裁判所に上訴できるそうだ。カナダと同様、米国でもどの人種も大麻を使用する割合は同じとされているにも関わらず、人種的少数派は処罰される確率が高く、米国自由人権協会の調査によれば2001年から2010年にかけてアフリカ系米国人が大麻所持で逮捕される確率は白人の4倍近い。このような背景を元に、州内の大麻産業から創出された収入は、連邦政府の差別的な麻薬取締によって荒廃したコミュニティに再投資され、過去の過ちを正すという社会正義の実現が今回の合法化の中核にある。

 合法大麻の収入の分配方法に関しては収入の35%は州の一般事業費に割り当てられ、25%は新設されるコミュニティ再生費、また20%がメンタルヘルス及び薬物依存治療に充てられ、10%が未払い費用の補填、8%が警察当局のトレーニング補助金、2%が公的薬物教育プログラムに充てられる予定だ。

 また、合法化の議論において自宅栽培に焦点がしぼられた。当初の法案は成人であれば1世帯当たり苗木5本まで密室で栽培することが認められていたが、修正が加えられ、条項は医療用大麻を必要とする6万5千人の州域患者のみに適用されることとなった。患者以外の者が5本以下の苗木を栽培した場合は罰金200ドル以下の処罰となり、軽犯罪の扱いになる。

 米国では近年、若者を中心に大麻の合法化を求める声は大きく、米世論調査会社ピュー·リサーチ·センターが行った昨年10月の調査によると、市民の62%が大麻の合法化を支持すると回答しており、特にミレニアル世代は74%と支持率が高い。サンダース上院議員は連邦レベルでの合法化を訴えており、今後米国では大麻合法化を巡る議論はさらにヒートアップしていくことが予想される。

カナダの大麻事情
今年合法化される予定の大麻入り食品、一年後には年間販売額が23億カナダドルになる見通し

 Health Canadaは、今年10月17日に大麻入り食品(エディブル)の合法化を行うと公表。大麻入り食品の合法化に踏み切るまで数ヶ月だが、最新のデロイトの調査によると、合法化の一年後には大麻入り食品の年間販売額が23億カナダドルになる見通しだそう。調査によれば、年間の大麻入り食品の販売額は推定16億カナダドルとなり、カンナビスを使用した飲料の販売額は529万カナダドル、他大麻を使用したオイルやローションなどの商品の販売額は400万カナダドルになるそう。

 また、調査によれば大麻入り食品の合法化は、大麻使用の経験が少ない者にとっても「食品」というハードルの低さから影響があると言われている。「大麻入り食品は、アルコールが摂取される場と似た環境、そして頻度で使われることになるでしょう。大麻入り食品は間違いなくアルコール飲料業界を脅かすことになります」とデロイトのジェニファー·リーは述べている。

 ただ、先月のDalhousie大学の調査によると、カナダ市民は大麻入り食品の使用を躊躇する人が年々増えているとのことがわかった。過去一年間において、多くのカナダ市民達はメディア上で子供が誤って飴などの形状をした大麻入り食品を口にし、病院に運ばれたニュースなどを見ており、子供から大麻入り食品を遠ざけるための厳しい規制に触れる機会が多い。2017年の大麻合法化前には、カナダ市民の46%が「大麻入り食品を試してみたい」と調査に答えていたが、最新の世論調査によるとその割合は36%までに減っている。

 大麻市場の調査を行なっている企業、The Arcviewの調査結果によると、カナダとアメリカ合衆国の大麻入り食品産業市場規模は2022年に推定41億に上る見込みだそうだが、カナダの今後の動向に注目である。


本文=菅原万有 / 企画・編集=TORJA編集部