第9回 大学院生満足度アンケート調査 | University of Toronto |メープルバレー発。カナダの大学情報・アカデミア事情

 1962年に創立されたThe Canadian Association for Graduate Studies(CAGS)では、2007年から3年に一度、カナダの大学院生を対象に学生満足度アンケート調査「Canadian Graduate and Professional Student Survey(CGPSS)」を実施しています。

 日本のいくつかの大学も学生満足度調査やそれに類比する取り組みを行っているそうです。最新の2016年度はカナダ50校の大学から約14万4千人の回答を収集し、今後の大学院生の教育改革や強化に役立てられています。University of Torontoでは2016年のアンケート調査は2月と3月に実施され、履修登録済の大学院生の5千513人(34.6%)からアンケート結果を収集しました。今回から次回にかけ、トロント大学院生満足度アンケート結果の中から私が気になった項目をいくつか取り上げてみたいと思います。

1.UTSC FROSH 2019: THE RISING

 トロント大学院生のなんと91%が現在のアカデミック・プログラムに満足をしていると回答しています。Satisfaction with Program, Quality of Interactions, and Coursework欄に対する回答結果で、14項目中で特に目を引くものが「The intellectual quality of the faculty(知性のすぐれた教授陣)(97%)」、「The intellectual quality of my fellow students(知性のすぐれた学友達)(93%)」と評価。この高い満足度は2010年のアンケート調査以来ほぼ横ばいで変わっていません。

2.トロント大学の教授陣と大学院生との高いつながり

 トロント大学の教授陣と大学院生とのつながり(表1)の満足度は、学部・学科で違いがありますが、2010年度以来、Research Master’s(研究系修士課程)Professional Master’s(実務系修士課程)学生の満足度がDoctoral(博士課程)学生よりも比較的高くなっています。

 また表2のその他の項目では、Professional Master’s学生は「Opportunities for student collaboration or teamwork(学生によるコラボレーションとチームワークの機会)(93.4%)」と最も高く、Research Master’sとDoctoral学生は共に「Overall quality of graduate level teaching by faculty(教授陣による全体的な大学院教育の質)(89.3%、83.4%)」が高い評価となっています。

3.トロント大学大学院課程の教育の質に対する高い評価

 トロント大学院博士課程学生は、自身の大学院課程の教育の質がその他国内の大学(Other Canadian Peers)に比べ比較的高い基準であると評価しています(表3)。この評価は2010年度以来ほぼ変わっておりません。このアンケート調査結果は、トロント大学博士課程を卒業した私自身にとってとても嬉しく誇りに思います。

4.学部・学科からの手厚いサポートの実感

 大学院生のリサーチ、研究発表や論文作成の際に担当教授からのアドバイスや学部・学科からのサポートの評価として、博士課程と研究系修士課程学生ともに「Faculty guidance in formulating a research topic(研究テーマへの教授からの助言)(96.0%)」、「Conducting independent research since starting your graduate program(大学院に入学して以来続けている独自の研究)(93.7%)」、「Training in research methods(before beginning your own research)(研究手法に対するトレーニング)(91.9%)」の値が5つある項目の中で最も高く評価されています。

Yukari

 トロント大学環境学部で博士号取得。カナダ北部の環境問題や温暖化について研究中。カナダの大学学部、大学院留学、ポスドクの経験を元にカナダのアカデミアについて情報発信していく。