「スケートを学びにトロントに」まゆみさん、明未さん、明由さん3人のご家族にインタビュー|カナダで夢に向かって頑張る子供達

左から明由さん、明未さん、まゆみさん

 今回、スケートを学ぶために、アメリカのニューヨークシティ(NYC)からカナダのトロントに移住して来たまゆみさん、明未さん(グレード6、11歳)、明由さん(グレード4、9歳)ご家族に、トロントに来られたきっかけや学校生活、日常生活についてインタビューさせていただきました。明未さんと明由さんは、現在トロントのミッドタウンにあるプライベート・スクールに通われています。

久保: スケートを学びにトロントに来られた、とのことですが、トロントを選ばれた理由を教えてください。

明未さん: NYCよりもトロントの方がスケートのリンク環境が良かったんです。今、所属しているスケートクラブは、選手レベルが高くて、世界的にも有名な選手が拠点にしていることも理由です。毎日、とっても刺激をもらっています。

スケート大会で活躍される明未さん

まゆみさん: NYCの時は屋外のスケートリンクがメインだったんです。もっと上達するためには、集中して練習できる屋内リンクに変更したほうが良いと考えた結果、スケート環境だけでなく、学校環境、生活環境もバランス良くコンパクトにまとまっている場所がトロントでした。

久保: スケートでは、どんなことを学んでいますか?

明未さん: トロントに来て、今までスケートのやり方を、変えられることもありました。はじめは、その方法に慣れていないので、変な感じでしたが、慣れたら徐々に難しいジャンプも跳べるようになりました。

まゆみさん: 子供達はシカゴ、NYC、サマーキャンプはスイス、日本でスケートを習ってきました。色々な場所で色々な方法、多くのコーチに習うことによって、違う説明の仕方に苦労することもありました。でも、それが後にスケート以外のコミュニケーション能力の部分でもでも「かけがえのない経験」に繋がっていくのだと信じています。

久保: 国によってスケートの教え方に違いはありますか?

まゆみさん: 国というより、クラブや、コーチによると思います。

明由さん: 日本のサマーキャンプ(合宿)はコーチとその生徒チームで行きました。指導が細かく厳しいし、同じ練習を何回もやるし、みんなでマラソンをしたり、すごく疲れました。年齢が上の子が下の子の面倒を見るシステム。とても楽しかったです!

 今のリンクは、メインコーチだけでなく、技術的な担当が分かれたコーチがいます。練習している生徒の中から選んで追加レッスンをしてくれる仕組みです。いつも「レッスンしてくれないかなぁ」と、やる気を笑顔でアピールしてますっ!

大会で優雅なパフォーマンスを披露される明由さん

明未さん: 徐々にスケートランクが上がってくると、選ばれてレッスンを受けるのは厳しいシステムだと感じています。特に今のクラブは、トップクラスにいける才能のある選手が集まってきます。だからこそ、今はやりがいを感じています。コーチたちは笑顔で、厳しいです(笑)。

久保: ところで、明未さんも明由さんも最初、英語はどう学ばれたのですか?

明未さん: 2、3歳の時には日本でインターナショナルスクールに行っていました。その後、シカゴとNYCの学校で習いました。シカゴに来たら、お母さんと話す以外は全てが英語の暮らしなので、自然に身につきました。小さいときは、英語で思い通りに言いたいことが言えずに、泣いたこともあります。今は日本語のほうが苦手です。

明由さん: 2歳からずっとアメリカなので、自然に話せるようになりました。

久保: 現在、通われている学校はフランス語がメインの学校とのことですが、全ての授業がフランス語ですか?

明未さん: 算数、社会、サイエンスなど、ほとんどの授業がフランス語です。英語の授業と音楽は英語です。入学して初めての年は、フランス語が全然わからなかったので、英語でいうESLのような初心者だけの小さなクラスで、フランス語を中心に勉強しました。数字もフランス語で読み書きするので、最初のころは算数の計算問題が簡単すぎて、学校がつまらないと思ったこともあります。

明由さん: 今では、算数の文章問題もフランス語なので、グーグルでフランス語から英語に変換して内容を確認しながら、宿題も工夫してやっています。

久保: 明未さんと明由さんの1日のスケジュールは、どんな感じですか?

明未さん: 毎朝5時に起きて、6時15分から7時30分までスケートレッスンを受け、その後、8時30分から学校に行きます。曜日によって違うのですが、12時か14時15分には学校を早退して、15時〜18時頃までスケートの練習をしています。他にもダンス、バレエや公文で算数と英語もやっています。

明由さん: 公文は、練習の合間にパパッとしています。

久保: そうとうハードなスケジュールですが、学校の勉強はどうされていますか?

明未さん: 宿題は土曜日と日曜日に集中してやりますが、学校のお昼休みが長いので、学校で宿題をやってしまうことが多いです。

明由さん: わたしは空いた時間にフランス語の勉強をパパッとやっています。でも本当はもっともっと勉強しないとダメです(笑)。

久保: 学校の授業はどんな感じですか?

明未さん: グレード6になるとクラスルームはありません。担任の先生もいません。授業ごとに教室を移動します。習っている教科は日本とほぼ同じだと思います。全ての授業でパソコンを使って、宿題もグーグルクラスルームを使います。算数だけは教科書がありますが、他の科目には教科書はありません。先生がスマートボードやホワイトボードに書いたことを、ノートにメモを取ります。

明由さん: わたしの先生は、プリントをくれて、それを自分たちのノートに貼っています。書く時間が無駄だからか、みんなが書くのが遅いからかな?

まゆみさん: 宿題はパワーポイントを使ってプレゼンテーションのことが多く、日本のように「単語を繰り返し書く」や「紙で提出」という宿題はあまり見たことがないです。考えて自分なりの意見を発表する宿題や授業が多いです。

久保: 学校のクラスメートはどんな人たちですか?

カザフスタン出身の友人とりんご狩りに

明未さん: 学校にはイジメはないし、差別を受けたこともありません。グレード6からグレード12の学生ではアジア人が多い印象です。

明由さん: クラスメートには色々な国の人がいます。2歳からグレード5の中に日本人はとても少ないけど、アジア人は多いと思います。

久保: 将来の夢は何ですか?

明未さん: 夢は大きくスケートでは、いつか世界大会に出たいと思いながら練習をしています。なぜなら、いろんな開催国に行けるし、違う国の人の前で滑れるし、楽しいと思う。スケート以外でも、いろんな国に行って、いろんな国のものを食べて、旅行をしてみたいです。

明由さん: スケートはできればオリンピックまで出たいけど…(笑)。そのあとは、AIの研究します。

久保: カナダでスケートを学びたいと思っているお友達に、何かメッセージをいただけますか?

明未さん: 学びたい、早く出来るようになりたいと強く思う気持ち!そうすると、「英語でもコミュニケーション取るぞ」と思ってきます。コーチの言っていることをちゃんと理解したいと思うから。

久保: まゆみさんにお伺いしたいのですが、日本を離れて、カナダでお嬢さんと一緒に生活をされてみて、どのような感想をお持ちですか?

まゆみさん: 東京暮らしが長く、そしてNYCでも暮らしているので、この2つの都市と比べると、トロントは刺激が少ない、と感じることもありました。でも研究して(笑)探していくと、何でも揃っているのもトロントでした。トロントは生活上のストレスはすごく少ないですし、生活で足りないものはなく、とてもシンプルに住みやすい場所だと思います。寒さが問題と良く言われますが、子供達は雪が大好きですし、車で移動できれば、問題はないです。

久保: 食生活の面はいかがですか?

まゆみさん: アジア人が多いので、外食でも、スーパーでも、日本食が手に入りやすく、全く問題無いです。ただ、日本食材は日本よりは若干、高いとは思います。野菜やフルーツ、お肉もとても新鮮だと思いますよ。

大好きなアフガニスタン料理

 最近は、アフガニスタン料理や東欧料理にはまっています。子供達と「アフガニスタンってどこ?」「イエメンってどこ?」から始まり、どんな国か?どんな文化?どんな宗教?どんな歴史?と料理を待ちながら調べたり、お店の人とおしゃべりしたり。食を通じていろんな国の文化を知り身近に感じられるようになることも多民族国家のカナダの良い点だと思いました。

久保: お子さんを連れて留学したい、という親御さんに、何かアドバイスはありますか?

まゆみさん: もし海外行きを躊躇されている方がいらっしゃれば、半年でも1年でも、親子留学をオススメしたいです。一度、海外で暮らしてしまうと、日本に帰りたくなくなる、という可能性も高いですけど(笑)。トロントは比較的安全なので、ナーバスになる必要はないと思います。交通網として郊外は鉄道が充実していないので、車の運転ができた方が、行動範囲が広がりより広大なカナダライフを満喫できると思います。

インタビューを終えて

久保: 明未さんも明由さんも絶えることのない笑顔で、終始、穏やかに話をしてくれる姿がとても印象的でした。日頃、スケートで鍛錬されているからでしょうか、受け答えも、とてもしっかりしており、長時間に及んでしまったインタビューにも集中力を切らさずに答えていただきました。また、お母さんのまゆみさんが、お嬢様方にとって、何がベストかを常に考え、そして、それを最大限の努力で叶えていく、その行動力にも圧倒されてしまいます。インタビュー中にもコメントがありましたが、幼少の頃に、海外に実際に行き、違う言語や文化、人種に触れることが、その後の人格形成や人生に大きくポジティブな影響を与える。その好例が、正にまゆみさんご家族ですし、世界を目指してトロントでスケートに励まれている明未さんと明由さんの益々の活躍に目が離せません。

久保恵一

 ​日系広告会社カナダ支社への赴任後、カナダの主体性と考える力を育む教育環境に感銘を受けて移住。より多くの日本人の子供に、カナダでグローバルな経験を積んで欲しいと思い、ジュニア留学・親子留学専門のコンシェルジュ・サービス「ライフ・デザイン・カナダ(lifedesigncanada.com)」を設立。プライベートではトロント日本商工会理事を務めた他、日系文化会館の理事、トロント三田会代表を務める。