日本人による日本人のための法律相談 ー 第2回 SETTLEMENT:示談交渉

第2回 SETTLEMENT:示談交渉

今回は、弁護士やパラリーガルの本来の役割についてお話しましょう。

「弁護士やパラリーガルへ相談するのは、裁判を起こすため」だと思っていませんか。実はこれ、大きな誤解なのです。そしてこの誤解が「被害にあっても裁判するくらいなら我慢したほうがマシだ」と諦めたり、「賠償金を受け取れても弁護料を払ったらマイナスになる」と思い込んだりすることにつながっているのかもしれませんね。

実際には、弁護士やパラリーガルの最も大切な仕事は、セトルメントを促すこと、つまり示談交渉にあるのです。民事案件を例に代理人に示談交渉を依頼する際のステップをご紹介します。

◆何を解決したいのか

まず、コンサルテーションで、抱えている問題が法案件として成立するかどうかを確かめましょう。電話やメールではなく必ず面談してください。契約書や覚書など被害を裏付けるものを持参してください。しかし、契約書などのない口約束であったとしても、事実を立証できる状況や説得力のある証言などがあれば十分裏付として通用する可能性があります。

◆どう解決したいのか

何よりもどのような損害賠償を望んでいるのかを明確にしたいですね。場合によっては、賠償金を請求したいのではないかもしれません。しかし賠償金を望まれる場合は、被害を立証する記録から、被害額を正確に算出しなければなりません。

◆完全開示と守秘義務

コンサルテーションですべての事実を伝えることが、示談への第一歩です。事の成り行きと被害状況を細かくお話いただけなければ、正しいアドバイスを提供することができません。弁護士やパラリーガルの守秘義務は大変厳格で、これを怠ると免許を剥奪されてしまいます。

◆判例

オンタリオ州の法システムは、イギリスのコモン・ローを受け継いだもので、過去の裁判官の判決が裁判の行方を左右します。ですから、過去の似たケースがどのような判決を受けたか(判例)を知ることで、それぞれの案件の勝算を測ることができるのです。したがって、判例のリサーチは、弁護士やパラリーガルの重要な仕事の一つです。  

こうして、判例を手に相手との交渉に取り掛かることになるのですが、当然、1時間当たりの料金の高い弁護士がリサーチを行うより、パラリーガルがリサーチに携わることでコストダウンにつながります。

◆示談交渉

ここまでのステップが丁寧に行われていれば、提訴するまでもなく相手を示談に応じさせることが可能です。精神的にも費用の面でも大変なストレスとなる裁判を避け、法廷の外で解決に導くことこそ、プロが目指すべき仕事なのです。

◆協議離婚と日本人パラリーガル

法廷の外で解決に導くことは、離婚案件でも同様です。日本人パラリーガルが離婚弁護士とチームを組むことで、日本語で詳細を伺い協議離婚交渉をすることができます。

裁判を避けること、クライアントの権利と秘密を守ることは、どれも法の専門職に課せられた使命なのです。

新企会・APJW共催 法律セミナー『日本語で法律相談』

テーマ: 「マリッジ・コントラクト」
日時: 7月15日(土) 午後1時〜3時
参加費: 無料
場所: Y.LIU LAW FARM Suite 200, 3190 Steeles Ave. E(J-town 隣)



野口ひろみ

日本語で法律相談ができるリーガルサービス
オンタリオ州公認パラリーガル

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