トロント補習授業校に通う野津田華奈さん(小5)「文部科学大臣賞」を受賞!

海外子女文芸作品コンクールは、海外で生活をする日本人の子供たちの生の声を詩や短歌、俳句、作文に表現してもらうという海外子女教育振興財団によるコンクール。

カナダでムースを初めて見に行った時の思い出を短歌に書いて、海外子女文芸作品コンクールに応募、応募総数4万点超の中から、見事に短歌の部で「文部科学大臣賞」に輝いたのは、トロント補習授業校に通う野津田華奈さんだ。

もともと芽生えていた創造性がカナダに来てさらに花開いたという華奈さんと、ご家族や先生の皆さんにインタビューを行った。

「雪の降る五月の森にあらわれた小さな角の大きなムース」

このムースとの出会いから短歌が生まれた

この度はおめでとうございます。まずは率直な受賞の感想を教えてください。

華奈さん:実は、自分がその短歌を書いていたことさえも忘れてしまっていたので、受賞のお知らせを聞いた時は、あまり何のことだかよくわかっていませんでした。色々と先生や友達に声をかけてもらったりして、だんだんと実感が湧いてきています。

応募作品の「雪の降る五月の森にあらわれた小さな角の大きなムース」は、アルゴンキンでムースを見に行った時のお話を書いたと聞きました。

華奈さん:3時間ぐらいずっと山の中で探して、やっとムースを見つけられたのでうれしかったです。私にとっては初めて見たムースでした。あまり人もいなくて、始めに見つけて眺めている人がいて、それで私も見に行きました。思ったよりも体が大きくて「本物ってこんなに大きかったんだ」と思いました。でも角だけは「メスなのかな?」と思うくらい、小さかったです。

カナダでの生活は楽しいですか?

華奈さん:はい。カナダには自然がたくさんあって、動物もたくさんいて、楽しいし好きです。

自分で作ったお話を書くのが好きだった

前から詩を書いたりするのが好きでしたか?

華奈さん:詩は、現地校では書いたことがあります。あとは毎日学校で起こったことや、友達のことを英語で日記に書いています。何より、自分で作ったお話を書くのが好きです。

ファンタジー系の物語が好きなのですか?

華奈さん:はい。他にはミステリー系のお話が好きで、江戸川乱歩の小説を読んだりしています。あとは、一番最初に英語で読んだ「Goosebumps」という怖いお話が好きです。

トロント補習授業校での学校生活は楽しいですか?

華奈さん:普段は現地校に行っているので、あまり日本語を使うことがないけれど、ここに来て日本語を使えるのが楽しいです。

今後、どんな勉強をしてみたいですか?

華奈さん:今回の文部科学大臣賞受賞で自信がついたので、もっと詩や短歌を書いてみたいと思いました。

野津田さんご家族と仲順也校長

では、続いてご両親のお二人に伺います。受賞の知らせが届いた時の感想を教えてください。

:「応募作品が上位入賞したから、華奈の写真が撮りたい」というメールをいただいた時は、ちゃんとした賞の名前が分かっていなくて、普通に「良かったね。おめでとう。」という感じでした。10月の末に一時帰国から戻ってきて、その後インターネットで直接調べてみたのですが、賞のタイトルの大きさに思わず言葉を失いました。

:文部科学大臣賞と書かれていて、一番上に娘の名前があったから、それくらいすごいことだったんだと驚きましたね。宝くじに当たったような気分でした。

普段のお嬢さんはどのような性格ですか?

:割とシャイなんですが、芯が強いところがあります。頭の中では、色々としっかり考えている印象ですね。

ずっとつけている日記帳。両親と交換日記も行っている


:シャイであるがゆえ、家で学校であった出来事を聞いても、うまく言葉が出てこない時もあり、子供用のキャラクターノートに親子の交換日記を書いていたりしています。たわいもない日常の話なのですが、文字にすると1ページくらいたくさん書いてくれます。

もともと文才があったりなど、何か普段から才能の芽生えを感じていましたか?

:国語の宿題で、教科書に書かれている物語のその後の話を作る宿題があるときに、すごくよく書けていて面白いなと思ったことが印象に残っていますね。

:自分で作る創作のお話になると、いつも筆がスラスラと進むようです。

受賞後、何かお嬢さんの変化を感じましたか?

:ニュースの動画を毎日見るようになりましたね。以前から不定期でNHKの子供用ニュースをよく見ていたのですが、現在はCNNの英語のニュースとNHKの子供用ニュースを家に帰ったら毎日見るようになりました。自分なりに、言葉の大切さを認識できたのかなと思っています。

子供を補習授業校に通わせている意義や、通うことで何か期待していることを教えてください。

:一つはやはり母国語である日本語を忘れないでほしいということです。あとは、日本人の友達作りができたらいいなと思って、入学を決めました。結果として、語学力だけでなく、現地校の算数の成績などにも良い影響を与えてくれていますし、現地校と並行して通うことで、「では日本の場合はどうなのか?」と色々なことを自ら比較して調べる癖がついたように感じます。

カナダに来てから、どんどん積極的で明るい子へと成長している

華奈さんは将来どのような仕事をしたいと話をしていますか?

:昔から動物が好きだったこともあり、最近は動物関係のお仕事に就きたいと言っています。夏休みにパスを使って、トロント動物園に四日間通ったのですが、普段は入れない研究所のような機関に入ることができたんです。そこで、なりたい気持ちがさらに強まったようです。

:普段はシャイな娘が「どうやったらアニマルドクターになれますか?」とその時自ら質問したのですが、今までの華奈には考えられないことでびっくりしました。カナダに来てから、どんどん積極的で明るくなっている気がします。

カナダの四季をアウトドアでエンジョイする野津田ファミリー

これからお嬢さんには、どんな風に成長してほしいですか?

:自信を持って、何か人の役に立ってくれれば、それだけで嬉しいです。

:コミュニケーションが上手にとれるようになれば、きっとどんなことでも出来るようになると思っています。

コンクール主催の海外子女教育振興財団もお墨付き!
トロント補習授業校にて校長を務める仲順也校長先生に直撃インタビュー

仲校長先生と一緒に

今回の文部科学大臣賞受賞についての感想を教えてください。

校長:4部門のそれぞれ一人にだけもらえる最高の賞を受賞できたこと、嬉しい気持ちでいっぱいです。今年は40971点の応募があり、その中での受賞ですから、とてもすばらしいことと思います。

今回の受賞は野津田さん本人だけでなく、補習校に通う多くの子にも励みになると思いますが、いかがでしょうか?

校長:今回で6年連続、12回目の学校賞をいただきました。394人が728作品を応募してくれた「がんばり」を認めていただいたすばらしい賞です。また、野津田さんの文部科学大臣賞をはじめ、入選した子は17名にも上ります。海外子女教育振興財団の理事長様からは、「トロント補習校は一番がんばっていただいている学校です。」とお褒めの言葉をいただきました。これはトロント補習校への最高の励ましです。

私は4月の子どもたちとの出会いで「さまざまに挑戦してほしい。親子一緒に挑戦してほしい。」とお話をしました。この賞をいただいたことは、この機会を逃さず挑戦してくれた子どもやご家庭のやる気の表れと感じています。

また、補習校で先日行った「作文・意見文発表会」でも感じたことですが、子どもたちは五感を用い、巧みに物事を表現する力が備わってきています。この力をさらに伸ばしていくため、さまざまな学びに挑戦する機会を生かしてほしいと思います。

校長にご赴任されて数ヶ月が過ぎましたが、学校の印象や生徒は校長先生にとってどのように感じますか。

校長:トロント補習校に通う子は、とても明るい子どもたちです。朝、玄関であいさつを交わす子どもたちの顔は笑顔いっぱいです。私は、明るくて何事にもアクティブに挑戦する子どもたちの姿を見ながら、この子たちと一緒に学び続けていることに嬉しさ、誇りを感じています。子どもたちは、現地校でがんばり、補習校でがんばる。それぞれの予習復習も気を抜かずにやり通す。そして、ご家族の皆さまは、この子どもたちを支えるために家庭での学習環境を整えてくださっている。すべての人たちの力が集まり子どもの笑顔が作られている。そう感じています。

今を大切に、自分づくりを楽しんでほしい

日本語や国語、算数などを勉強しているトロント在住の子供たちにメッセージをお願いします。

校長:学びは自分の「できること」を増やしてくれる。できることが増えれば「チャレンジ」できる。皆さんの前には限りない可能性が広がっています。見逃さず、そのチャンスをつかんで自分の力としてください。そして、それを積み重ね、「力のかたまり」を大きくしてください。その昔、ペスタロッチ賞を受賞した教育者である東井義雄さんの言葉に「自分は自分の主人公 世界でただひとりの自分をつくる主人公」とあります。今を大切に、自分づくりを楽しんでください。