【ワーホリ → アスリートビザ】20歳という若さでWoodbine Racetrackなどカナダ各地の競馬場で活躍中!騎手 福元 大輔さん|特集「カナダワーホリのその先」

ゼロからコネクションを作り、現在はアスリートビザを取得

 実家が小さな牧場だった福元さんは、3、4歳くらいからポニーに乗るなど、小さな頃から馬が身近な存在だったという。コネもないカナダの競馬の世界に飛び込み、自力で騎手ライセンスを取得し、現在も自分自身でも騎手の仕事を得るために営業もするという。

ーカナダに来てからデビューまでの経緯を教えてください。

 初めは観光ビザできました。英語も本当に出来ませんでしたが、コネクションづくりに色々なレース場や厩舎にも通いました。その後ワーキングホリデーを利用し、最終的に色々な方の力をお借りしてアスリートビザを取得しました。

ー現在騎手として活躍されていますが、主にどちらでレースに出られているのですか?

 今は週4日はWoodbine、1日ナイアガラでも走っています。週だと15から25レースでしょうか。フリーランスの様な形式なのでエージェントの方が取ってきた仕事や声がかかったところに出場しています。オンタリオ州の騎手のライセンスを取得していますが、他の州でもレースに出ることが可能です。

カナダに来てから2年間は英語とライセンス取得の勉強漬け

ー騎手デビューに到るまでの歩みを教えてください。

 デビューは昨年の7月26日です。トロントに2015年の7月に来て最初の2年間はWoodbineの調教師の方について勉強しながら研修生みたいなことをしていました。2年間はライセンス取得の勉強や英語も一から学びましたね。

 研修中は朝の馬の調教が主で、馬を引く等もありました。毎日早く騎手になりたいと思っていましたね。早くなりすぎるのも良くないのですが…。他の人達は馬に乗る以外でもジムに行く人もいましたが、僕は馬に乗ることが好きなので基本的に馬に乗って鍛えました。

 日本では騎手になる学校に通った場合、1年は競馬場での研修になります。カナダは最低2年間下積みをして、その後筆記や実技のテスト、面接を受けて合格すると騎手のライセンスが取得できます。

ー毎回同じ馬に乗られるのですか?

 ケースバイケースですが、朝練習で乗ってみて調教師に「今日乗って」と言われることもあれば、毎日乗って、「じゃあレースでこの馬乗っていいよ」という時もあります。この馬に乗る人がいないから乗って、なんてケースもあります。馬がアサインされるのは早いと1、2週間前から決まっていることもありますし、3日前や当日決まることもあります。だから、結構毎日違う馬に乗ることも多いです。

ーあまり乗ったことが無い馬に乗るのは難しくないのですか?

 そうですね。馬によっても性格等が違うので、調教師や関係者の方から情報を聞いたりして、少しでも馬を分かってあげられる様にしています。相性の良い馬もいますし苦手な馬もいますが、やはり気持ちは馬に伝わってしまうので、ポジティブな気持ちで乗っています。

ー騎手として気をつけていることはありますか?

 体重は一応気にしています。軽すぎても重すぎてもいけないので。栄養管理なども基本的に自分でしています。

 もっとバランスのとれた食事とか、体調管理は難しいですね。以前はあまり気にしていなかったのですが、やはり調子が良くないときは食べ物が関係していることが多いので気をつけるようになりました。

ーエージェントについて教えてください。

 騎手の仕事はエージェントと二人三脚でやっている感じですね。自分でも営業をかけますし、彼も仕事を取ってきてくれます。その方とは実は元々同じ厩舎で働いていて、話しているうちにエージェントになってくれないかとお願いしました。彼も僕もお互いが初めてのことだらけで、自分は実力的にもっとレースに出られるはずだから、もっと仕事取ってきてー!と思うこともありますが…。レースに出られないと勝つチャンスも無いので、自分ももっと認められるように頑張らなければと思っています。

とにかく馬に乗ることが好きです

 僕は本当に馬に乗るのが好きなんです。オフの日も牧場に行って馬に乗ったり、1年のうち3ヵ月くらいレースがない期間があるのですが、他の国のレースを見たりしています。来年はその期間にアメリカでレースに出たいという目標を持っています。オフの期間は無給で大変ですが、僕は馬に乗る以外の仕事は出来ないと思っています。

ー本当に馬が好きなのですね。

 実家が小さな牧場だったので馬は小さなころから身近でした。3、4歳くらいからポニーに乗っていましたね。ポニーレースでも乗っていました。そのうち自然と馬に乗る仕事がしたいと思うようになりました。

海外を本格的に目指すきっかけ

ーなぜ海外で騎手になろうと思ったのですか?

 テレビで海外のレースを見ていて海外でもレースに出てみたいなと思うようになりましたが、小学生の時は日本で騎手として実績を作り、海外にでるのが一番良いかなと考えていました。

 しかし、中学3年生の時に受けた競馬学校の試験に最終試験で落ちてしまい、次の年も合格できず、そこから色々考えて海外に行こうと考え始めました。でも、今考えたら海外で乗りたいという思いが消し切れていなかったのも落ちた原因なのかもしれません。

 また中央競馬の学校を2回受けて落ちたのですが、地方競馬の誘いもありました。しかし、高いレベルで騎手になりたいと思ったのでまず海外に挑戦しようと決めました。


 そして17歳になった時にカナダに来ました。初めはアメリカに行きたかったのですが、様々な要件が難しそうだったのでカナダを選びました。カナダに来る前から「Woodbine」という大きな競馬場があることを知っていたのも理由の一つです。

 観光ビザで来た最初は、コネクションがつくれなかったら英語を一か月勉強して帰ろうかなと思っていたのも事実ですが、今考えれば無謀かもしれませんがコネクションを作るために競馬場に行って、馬が生活をしているところに関係者のふりをしてもぐりこみました。

 英語も出来なかったので、ただ関係者の人達に手当たり次第「騎手になりたい」というフレーズだけ言って歩き回りました。厩舎を3、4か所まわった後でもう諦めかけていた時に、やってみるかと言ってくれた調教師さんがいて、その人に付いて学ぶことになりました。

 後からなぜ引き受けてくれたのか聞いたのですが、

「誰かがチャンスを与えてやらなければならない。俺はただチャンスを与えただけだ。」

と言ってくれたことは忘れられません。

ー騎手をしていて大切だと思うことはなんでしょう?

 細かいことは沢山あるのですが、僕は常にレースがある時は良い気分で挑んでいます。「頑張るね」って思いながら馬に乗ります。また、馬に失礼が無いように、「宜しくお願いします」とも。全ての気持ちは馬にも伝わってしまうので。

 近い目標は次の試合に勝つこと。そして現在この大きな「Woodbine」で走らせてもらっていますが、今後はもっと大きなところでレースに出たいと思っています。アメリカのカリフォルニアやニューヨークの競馬場も挑戦したいです。将来の目標は、世界に通用する騎手になることです。

ーワーキングホリデーや留学でカナダにいる同世代に一言お願いします。

 ぜひ目標を見つけて恐れずに挑んでほしいです。僕は周りから色々と言われることもありましたが、夢や目標をモチベーションに頑張れました。皆さんもぜひ諦めずに挑み続けてください!