トロントで始めるエコ生活。

Interview

satiko_nakajima01Green Circle Salons / Director of Operations

中島 智子 さん

トロントを拠点とし、バンクーバーやモントリオールのヘアサロンやスパなど美容業界のエココンサルティングや、廃棄物のリサイクルを行う会社Green Circle Salons。同社の経営者のひとりに日本人女性、中島智子さんがいる。
智子さんは、トロントのカレッジを卒業したのち某会社で勤務。2009年にカナダ人の友人4人とGreen Circle Salonsを起ち上げた。軌道に乗るまでは営業活動の日々が続き、また、会社勤めも継続していたので忙しい日々を過ごした。
日本に比べるとまだまだリサイクル活動が発展途中のトロント。トロントで活躍する智子さんに、起業に至った経緯や事業の内容を伺った。

異国の地で起業をしようと思ったきっかけは?
まさが自分がトロントで起業するとは思ってもいませんでしたが、会社で勤めていた頃、セス・ゴードンという著者の本に出会いました。彼はその中で”Be an artist.”と謳っています。それはクリエイティブという意味だけではなく、社会に守られた自分の居心地の良いスペースから一歩踏み出して、型にはまったやり方ではなく自分らしいやり方を試行錯誤して探せということ。そこで自分にしかない何かを発見できれば誰でもアーティストなんだ!って。
起業ということは、やはり大変なことも多くありますが、今の仕事は自分自身の新しい道への挑戦だと思えますし、彼の言葉は当時起業を決意するきっかけになりました。

どうして美容業界を選んだのですか?
美容業界は本当に廃棄物が多いんです。でも、実際それらは廃棄物ではなく、リサイクルできるものがほとんど。染料が付いたアルミホイルやシャンプーのボトルなどのプラスチック、また髪の毛もリサイクルしています。私たちはそれらを回収し、それぞれのリサイクル業者に搬送します。
トロントは市がリサイクルを回収してくれますが、地域によっては全く行なっていないところもあります。そのゴミとなってしまうものの最大95%が、私達が回収することによってリサイクルされてゴミにならずに済むんです。

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顧客のヘアサロンのイベントに参加する智子さん

髪の毛のリサイクルは珍しいと思うのですが、用途は何があるのでしょうか?
世間的に、切り終わった後の髪の毛には市場はないと言われていますが、私達は何か価値はないか考えました。アメリカのノンプロフィットの団体が「髪の毛は油を吸収する」という発見し、石油流出の際役に立つのではないかと考えたんです。髪の毛をストッキングに詰め、ブイにして石油が浜辺に流れるのを阻止できるのではないかと。
実際2010年に石油流出が起こった際、1000lbの髪の毛をアメリカに送り、浜辺に石油が流れるのを防ぎました。これだけではない、他の可能性もあると考えて現在も大学などと提携してリサーチなど行なっています。

Green Circle Salonsは、リサイクルだけではなく、そのサロンをエコに優しいものにするプロデュースも行なっている。提携サロンはgreen salonと呼ばれ、お店をより環境に良い空間にするための提案や各サロンイベントなどの宣伝など、トータルでサポートしているのだ。現在オンタリオ州で約150軒、BC州に約100軒、そして現在開拓中のモントリオールでも約30軒ほどのgreen salonが存在する。

green salonが増えることでの環境へのプラスはなんですか?
サロンに訪れるお客様へも同じで、カットやカラー、パーマによって出た廃棄物をオフセット(廃棄した分を様々な方法でグリーンに戻す。プラスマイナスをゼロにすること。)する目的でプラス何ドルかお客様に伝えた上で頂きます。その金額の一部は私たちがリサイクルを行うために使用されます。お客様にも環境への意識を持ってもらい、green salonに行こう、と思ってもらえるようにマーケティングをするのが私たちの務めです。green salonが増えればお客様の選択肢が増えることになるので、自然と多くの人が環境に優しくできる機会が増えると考えます。

智子さんは、日本人は根本的な部分が他国に比べてエコ人間だとこの仕事をして気付いたそう。”もったいない”文化を持つ日本。そんな我々が他国で出来ることは何か。

今後のGreen Circle Salonsとしての目標は?
今年中にカルガリー、エドモントンに進出予定で、近年中にはアメリカにも進出したいと考えています。
「こまめに蛇口を閉めなさい。」など小さいことを親に言われて育って、無意識に植え付いている日本人特有のエコ精神をカナダに、そして北米の人々に伝えたいです。日本人らしいエコの提案や、北米に存在する廃棄物たちを出来る限りリサイクル資源にできるように。


earth-day-canada年々深刻化する環境問題。
4月22日のEarth Dayを迎えるこの時期に、一度エコのこと考えてみてみませんか? 「…私、地球に優しい生活なんて全くしてないな。でも私ひとりがやったところで。。」って思う方も多いかもしれません。そんなにかしこまって考えなくてもいいんです。私たちひとりひとりがちょっとずつ、小さな努力をするだけでも地球のため、そして私たちの未来のためになるはず。エコなスポットや、カナダ・日系企業の取り組み、今すぐに始められるプチエコ活動など地球のためにできるアドバイスを様々な目線からご紹介します。

Earth Dayとは、地球環境について考える日として提案された記念日。(※4月22日のEarth Dayが広く知られているが、それ以外の日のEarth Dayも存在する。)1970年に米国で環境意識イベントとして立ち上げたのが始まりで、環境保護運動として誕生した。現在、世界では約170カ国で1億人の人々が参加する地球規模の記念日で、カナダでも600万人以上の人々が地域の環境問題に対するイベントやプロジェクトを行う。また、カナダのすべての学校の子どもたちはEarth Dayの活動に参加している。近年ではEarth Week、またEarth Monthとして4月は地球に住む私たち全員が、地球環境について考え、様々な活動に取り組もうという期間となっている。
カナダのEarth Dayの情報は下記ウェブサイトからどうぞ。
www.earthday.ca/pub