日本の伝統芸能と料理がトロントで一挙に味わえる 観光促進イベント“Evening of Japan” 開催|カナダ人に日本の魅力を発信

日本をより良く、そしてより多くのカナダ人、トロントニアン達にに知ってもらうことを目的とした“Evening of Japan”が3月28日、日本政府観光局(JNTO)の主催によってThe National Clubにて開催された。

 対日観光促進のイベント、Evening of Japanでは2017年のMiss International Canadaであり、日本観光特使も務めるマルタ・マグダレナ・ステピンさんを招き、日本食材を使った料理や、ディナーの途中での演出によって日本の伝統・文化を知ってもらう機会が設けられた。ステピンさんはお花模様の絞り染めが施された綺麗な赤い着物姿で登場し、多くの来場者が彼女と写真を撮る姿が見受けられた。

 イベント開始前には日本を紹介するにあたって、近畿日本ツーリストやエイチ・アイ・エス、IACEトラベルをはじめとした日本を代表する旅行会社やJNTOのブースだけでなく、オンタリオで地酒を製造している泉から日本酒が振舞われ、来場者たちは会場内で軽食を楽しめるようになっていた。来場者たちは興味津々の様子で、様々な資料を片手に有意義な時間を過ごしているようだった。

 伊藤恭子総領事は「このようなブースで日本に関連する情報を集めたり、魅力的なドアプライズなどを通じて、普段あまり日本に関心を持っていないThe National Clubの会員たちにも今宵のイベントを楽しんでいただければ嬉しいです」と語った。また、ステピンさんが観光特使として日本のプロモーション活動を行っていくことについては「彼女に日本の魅力をより深く知っていただき、彼女自身にも日本へもっと足を運んでいただくことで、カナダでの発信の幅を更に広げていっていただきたいです」と期待を寄せた。

日本の伝統をその目に焼き付ける演技

 ディナー会場の準備が整うと、来場者たちは各自アサインされたテーブルに着席し、イベントの開始をいまかいまかと待ちわびているようだった。来場者たちが席に着くと最初に始まったのは永田社中の太鼓パフォーマンス。永田社中はトロントを拠点に太鼓演奏を披露し、これまでにカナダだけでなくアメリカやイタリア、中東でも公演を成功させてきた歴史を持つ。彼らが演奏したのは毎年12月3日に埼玉県の秩父で行われる秩父夜祭で演奏される「秩父屋台囃子」だ。奏者の息がぴったり揃った、迫力の満点の演奏の後ろでは秩父夜祭の写真がスクリーンに映し出され、さながら実際に日本にいるかのような気分が味わえた。

 また、2008年にトロントで結成されたよさこいグループ桜舞はパワフルなソーラン節を披露した。桜舞は結成以来様々なエキシビジョンや国際的なイベントを始め、トロント日系文化会館でのイベントに積極的に参加し、よさこいをトロントに人たちに紹介しながら日本文化の発信に努めているグループだ。2016年には彼らは高知県のよさこい祭りに招待され、「よさこいアンバサダー」として認定されている。彼らの演技中は高知県の映像が流れ、観客たちは様々な日本の伝統的パフォーマンスを写真やビデオに撮ったりと楽しんでいた。

成長余地のあるカナダを始めとした欧米からの観光市場

 様々な演技や料理、日本酒が振舞われる中、今回のイベント開催に携わった方々から挨拶が行われた。最初に登壇した伊藤総領事はスピーチの中で、「観光業の促進は在トロント日本国総領事館の非常に大事な仕事の一つであるため、このイベントをサポートしてくれたThe National ClubやJNTOを初めとする、全てのスポンサーに感謝します」と述べた。また、「日本への旅行者は年々増加しており、去年にはついに2800万人にまで到達。2020年の東京オリンピック開催を機に日本をさらに世界へプロモーションしていきたいです」と日本の観光産業への期待を寄せた。さらに参加者たちに対し、「日本の伝統文化・現代文化、食文化、自然をはじめとした日本についての理解を深めていただきたいです。日本に訪れたことのない人には、このイベントが新しいアドベンチャーのきっかけに、既に訪れたことのある人には、新しい日本の側面を紹介する機会になることを期待しています」と日本への関心を促す姿勢を見せた。

 そして、The National Clubの会長であるウィニー・ゴーさんは参加者を歓迎し、今回のEvening of JapanはThe National Clubで今後開催されていく観光プロモーションイベントの幕開けにぴったりのイベントになると語った。ゴーさんは日本語でも「みなさんよくいらっしゃいました。どうぞ楽しんでください」と述べると乾杯の音頭を取った。

美しい着物を纏ってスピーチを行うステピンさん

 食事が始まってからしばらくするとステピンさんからも挨拶が行われた。ステピンさんは8歳の時にカナダへと渡り、ある時母親と一緒にニューヨークへ旅行したことがきっかけで日本への興味が湧いたというエピソードを話した。ニューヨークで初めてお箸を手にしたステピンさんはその使い方がわからずに苦戦していたとき、同じ年齢の日本人の少女が近づいてきたという。お互いの共通言語が無い状態だったものの、その少女はステピンさんにお箸の使い方を教えてくれたそうだ。その幼い日の思い出からこうして日本の観光特使として活動していることが信じられないと語った。日本での滞在を通じて学んだ日本の文化や観光地のことをこれからも積極的にカナダで発信していきたいと挨拶を締めくくった。


 JNTOの中澤秀郎所長は来場者と関係者への感謝を述べたあと、カナダから日本に来る観光客は去年で初めて30万人を突破したと語り、日本への観光客自体も年々増加しているとした。JNTOは2020年には4000万人、そして80億円の経済効果を得ることを目標に掲げている。また、昨年の観光客数である2800万人の内85%はアジアの近隣諸国からの観光客である一方、アメリカ、、ヨーロッパ等の欧米からの観光客は11%しか占めていないと明かした。そのため、欧米からの観光客を増やし、ターゲットである4000万人に到達するためにはこの市場が重要になるとした。その目標に到達するため、JNTOでは新たに“Enjoy my Japan”キャンペーンを開始した。

 このキャンペーンは外国人旅行者自身が自分にぴったりの日本の魅力を発見することを目的としている。オフィシャルサイトでは、どんな街に行きたいか、といった質問が投げかけられ、その答えに応じて自分だけの日本観光コンセプトムービーを見ることができる。最後に、このイベントをきっかけにまた更にカナダからの観光客が更に増えることへの期待を寄せた。

JRACが振舞う日本産食材を贅沢に使ったメニュー

 このイベントで振る舞われたメニューはJapan Restaurant Association of Canada(JRAC)に所属する、トロントを代表する日本食レストラン、GinkoやZen Izakaya、Izakaya Juのシェフたちが総力を挙げて手掛けた。水菜に揚げたレンコンを添えたサラダ、玉子豆腐のスープ、飛騨牛のステーキ、お寿司5種盛りと言った全部で6品の和食コース料理が振舞われた。また、料理と共に八海山スパークリング濁り酒、郷乃誉純米吟醸、南部美人、百年梅酒といった日本酒が料理と共に提供された。日本酒を提供したOzawa Canadaの小沢彰太郎氏からそれぞれのお酒の解説が食事と共に行われた。美味しい食事と日本酒を前に、参加者たちの会話も自然と弾んでいるようだった。

 イベントの最後には抽選会が行われ、商品券や日本酒などが当選者に渡された。とても和やかな雰囲気の中イベントは幕を閉じ、参加者たちは満足そうな表情で会場を後にしていった。まだまだ伸びしろのある日本の観光市場。今回のイベントを機に、カナダからの観光客が増えることに期待したい。


The National Club会長
ウィニー・ゴーさん

 このイベントはThe National Clubの会員にも非常に人気で、チケットもすぐ完売しました。このトラベルシリーズでは今後も様々な国にフォーカスを当てて、メンバーたちが次の旅行の計画を立てるための手助けになることに期待して企画されました。このシリーズのトップバッターが日本だったことは、私たちにとっても、メンバーにとっても大きなプラスになったと思います。メンバーも日本食好きが多かったため、確実に今日のイベントがきっかけで日本に観光へ行くメンバーが出てくると思います。メニューにあった飛騨牛のステーキがとても美味しかったので今度は是非日本で食べてみたいですね。

JNTOトロント
中澤秀郎所長

 日本政府も観光産業は日本の経済活動の中でとても重要な位置を占めていると認識しており、その中でこれからのターゲットは欧米、特に欧米の富裕層だと明言しています。そういった今後のターゲットと照らし合わせると、今回The National Clubでこのイベントを開催できたことは、プロモーションとして大きな意味を持っていると思いますし、今後も積極的にこのようなイベントを開催していく必要性を強く感じました。また、料理の方もJRACが総力を結集して提供していただくことができ、とても嬉しかったですし、皆さんにも和食の素晴らしさ、美味しさを直接感じていただけたのではないでしょうか。ステピンさんも、広告塔として積極的に活動していただいておりますので、今後も彼女の活躍に期待しております。