「Fujifilm Printlife Photo Exhibit 2019」 がミシサガのSquare Oneで華やかに開催|「撮る、残す、飾る、そして贈る」写真本来の楽しみ方を伝える



 富士フイルムカナダが主催する写真展「Fujifilm Printlife Photo Exhibit 2019」が、10月7日から13日の期間、ミシサガのショッピングセンター・Square Oneで開催された。「想いをつなぐ」をテーマにカナダに住む一般のあらゆる年代層の方々から寄せられた全3700枚の写真が会場の壁一面に展示され、オープニングのレセプションには伊藤恭子・在トロント日本国総領事やカナダ人写真家のRandy VanDerStarren氏らが招かれた。

3700点もの作品が展示

 日本やアメリカ、欧州で行われている参加型写真展「FUJIFILM Global Photo Exhibition」は「自分がとった写真をプリントすることの楽しさを伝えたい」という想いから、2006年に「10000人の写真展」として日本で開始。このイベントは年を追うごとに拡大し、2017年より「50000人の写真展」として開催。写真撮影の技術によらず全ての写真はプリントされる価値があるというのがモットーで、今や日本を超えて世界にもその活動の幅が広がり、今年はヨーロッパ各地や中国や南アフリカ、ブラジルやアメリカでも開催されたほかタイやインドでも開催予定で、世界中で10万人以上の応募作品が集まる写真展となっている。

 ここカナダでは独自の「Printlife」というコンセプトに基づき、その一環として昨年はトロント・ピアソン国際空港で第一回目が開催された。第二回目となる今年は、枚数、来場者共に拡大し、昨年にも増して大規模なイベントとなった。

 写真は家の壁を飾るデコレーションとなったり、思い出をストックすることができるほか、職場に家族の写真を飾ることで励みになったり、雄大な風景の感動や驚きや新鮮さを見る者に伝えたりと、不思議な力を宿している。また、自分で楽しむだけでなく、大切な人にギフトとして贈ることができるなど、展示会を通して同社が掲げる「撮る、残す、飾る、そして贈る」というコンセプトが実感できる。

壁一面縦横に貼られた写真の数々

 夕日や雄大な自然の風景を切り取った写真、愛するペットや大切な存在である家族・友人・恋人と共に撮影された一枚など、一枚一枚から撮影者の個性や思い出が表現されていた。実際に自分の撮った写真を前に感動する人や写真とともにセルフィーを撮る人の姿が見受けられた。

 このイベントに、ハミルトンで撮影した桜の写真を投稿したという応募者は、「写真は自然の持つ美しさを表してくれる。自分が撮影した桜も、花が内側から持つ美しさを体現しているから撮ろうと思った。実際にプリントしたものを見ると、自然の美しさがそのまま現像されていて感動した」と笑顔ながらに語ってくれた。

カナダ人写真家RandyVanDerStarren氏が手掛ける「Take Your Seat」

 エキシビジョンの中には、写真家VanDerStarren氏がカナダで撮影した写真が飾られていた。あるときは絶壁の上、あるときは海に張った氷の上、と広大な自然の中のカナダのあらゆる場所に置かれた写真の中の小さな赤い椅子が印象的だ。

 VanDerStarren氏は日本や香港、トルコなど世界のあらゆる場所で写真プロジェクト「Take Your Seat」を手掛けている。日本とカナダで撮影された作品の数々は、日加修好90周年を記念し、東京のカナダ大使館で「Take Your Seat, Together」が開催されたほか、オタワの日本大使館、そしてトロントの日本映画祭でも展示されている。

来賓として伊藤恭子・在トロント日本国総領事が登壇

 伊藤総領事はトロントで2年目の開催となる今年は3700枚に拡張したことを受け祝辞を述べ、「去年のイベントはピアソン国際空港で開かれ旅行者などが写真を楽しむ良い機会となりましたが、今年はショッピングモールで開催され、さらに多くの写真や人を集めています。今年は富士フイルムカナダが40周年ですが、グラフィックプロダクトや高品質な技術はカナダの人々を驚かせ魅了し続けてきました。インスタックスやフォトブック、メディカルデバイスまで、消費者にソリューションを提供し今やカナダや世界を牽引しています」と展示会だけでなく同社の世界での活躍について称賛した。

 また、「日加修好90周年ですが、カナダと日本は同じ価値観をシェアしているパートナーです。また、美しい自然や写真から見える笑顔も共通です」とカナダと日本の密接な関係について触れ、写真についても、「カメラレンズは嘘をつきません。物質をそのまま映し、形や色だけでなく雰囲気や感情など経験したものをそこにいなかった人に伝えます。写真は人々をつなげる役割があり、言語が違っても意思疎通ができます。思い出や場所、出来事は写真を通して伝わります。今ではスマホでたくさん取れる時代になりましたが、私自身も、家族や自然の写真もお気に入りを毎日見れる場所に飾っています」とその魅力を述べた。最後に、「日本で撮られた写真が皆さんに興味を持ってもらい訪れてもらえれば嬉しいです」と結んだ。

「Fujifilm Printlife」ブースを編集部も体験

 富士フイルムの「Printlife」はデジタルで撮影した思い出の写真をプリントすることができるサービスで、形やサイズを自分好みにカスタマイズできる。プリントした後は家に飾ったり誰かにギフトとして贈ったりと、用途は様々だ。

 プリントして「Photobook」として形に残せるサービスもあり、お子さんの成長記録として、大切な人と過ごした時間を記録する記念として多くの人が利用している。

 会場には「Printlife」を無料で体験するコーナーや、それに合わせて写真撮影をしてくれる特設ブースが設けられ、編集部も撮影してもらってからプリントまでを体験した。手渡されるカードに書かれた記号をプリントブースの機械に入力し待つこと約2分、綺麗な仕上がりの写真が出来上がった。写真が出来上がるまでの間のわくわく感・高揚感と、出来上がって形になったときの喜びはひとしおである。

Interviews & Comments

岩崎哲也・富士フイルムホールディングスアメリカ
コーポレーション社長兼富士フイルムノースアメリカ
コーポレーション社長 インタビュー

“アメリカや日本と比べるとカナダでは撮影者の人間味が写真に表れていると感じる”

ー昨年に比べて応募点数もかなり増えました。

 回を追うごとに規模も拡大してきましたが、もっと作品が皆様の目に触れるようにしたいと思います。カナダでの開催が毎年の試みになれば嬉しいですね。アメリカや日本と比べるとカナダでは撮影者の人間味が写真に現れていると感じます。また、大自然、自然の広大さが映っている写真などが、カナダらしいと思いました。

ーお客様や来場者からのコメントではどんな声が寄せられますか?

 「楽しいからもっとやってください」とのお客様からのコメントが多いです。自分の写真よりみんなの写真が見れることも嬉しい、とも言われます。撮影技術が伴わなくても、自分の撮影した写真を飾ることで満足してくださっています。

ー「Printlife」の魅力はどんなところですか?

 「Printlife」は特別なものでなく、気軽に写真を楽しむということにつきます。スマホの時代になって写真が身近で手軽になりましたが、どんどん写真の価値がプリントして楽しむところから遠ざかり、なじみがなくなっているので、デジタルとは違う価値や、プロセスや材質選びなどの過程を楽しんでいただきたいです。お子さんがいたら成長記録を形にして残せますし、人と人とのコミュニケーションもまた違った形になります。

ー米国市場と比べてカナダのマーケットはいかがですか?

 カナダには、アメリカより先行した指標があります。カナダの人々は価格に厳しかったり、モノに対する見方がシビアなのか、カナダで起こることが様々なことが半年遅れくらいでアメリカに入ってきたりします。「Printlife」や「Instax」などがそうですね。カナダの指標に出たことで商品化したものもあります。また、フランス語が共用語としてあるのでヨーロッパ的な文化も反映されているのかもしれません。

ープリントして贈ったり飾ったりするのが魅力的ですが、スマホが浸透している中で、貴社のコンセプトがどんな形でカナダで広がっていけばいいと思いますか?

 「Printlife」はカナダで開発され、北米やヨーロッパなど世界中で展開しています。写真は以前は旅行や運動会など特別なものでしたが、最近ではスマホなどで気軽に撮れ身近なものになりました。身近なものということを伝えたいですし、思い出とか意味付けのある写真も大切ですが、何気なくこんな風に楽しめるいいものだと知ってもらえると嬉しいです。

ー貴社のフィルムが再ブームの兆しと報じられましたが、手掛けている姿勢や味があり思い出がある一枚の大切さが多くの人に響いているのではないでしょうか?

 写真の持つ本来の魅力を世界を広げたいという理念で展開しているので、そういうコメントをいただけるのは嬉しいですね。

津田英亮・富士フイルムカナダ社長

“プリントを通して写真が持つ温かみや、コミュニケーションを感じてほしい”

ー昨年のピアソン国際空港での開催時に比べ、今回は3700枚と2倍以上に応募数が増えました。心境はいかがですか?

 当社が写真の魅力をコミュニケーションツールとしてアピールしてきたことが、カナダの多くの人々に関心を持っていただき、写真の素晴らしさ楽しさを多くの人に認識されて集まったのではと思います。とても嬉しいです。やはり大自然などカナダらしい写真がたくさんあり、レベルの高い写真がたくさんありましたね。

ー最近はスマホでの撮影が多くなってきていますが、飾ったり贈ったりできる御社のプリントのコンセプトをどう伝えたいですか?

 デジタルカメラだけでなくプリントするということを通して写真が持つ温かみや、写真ならではのコミュニケーションができるのがパソコンやスマホの画面と違うところだと思います。実際にプリントすると面白いですし感動するので、ぜひ一人でも多くの人に知っていただきたいです。

ーカナダにいる多くの日本人も貴社カメラやインスタックス、プリントなどを活用されています。

 富士フイルムは日本でも多くの皆さんにご愛顧いただいていますが、カナダでも同じように写真ビジネスをさらに展開して行きたいと考えています。日本の皆様に応援していただければ本望ですし、これからもこのような活動を通じてカメラ・写真の魅力を多くの方々と一緒に盛り上げていければと思います。

カナダ人写真家Randy VanDerStarren氏

 多くの人が来場して私の作品を見てくれるのは光栄ですね。今回のブースで展示した自分の作品は「カナダ150シリーズ」のスモールサンプルなのですが、24日間でカナダの西海岸から東海岸まであらゆる場所に実際に赴いて、一枚一枚撮影しました。ケベック、ブリッティッシュコロンビア、ノバスコシアなどで撮影した写真が飾られています。風が吹いたら飛んでいきそうな崖の上で撮影したものもあります。

 この赤い椅子は特別なものではなく、「ディレクター(監督)の椅子」です。人生を大きい映画のスクリーン、あなた自身が映画のディレクターだと見立て、一人の人間の一つの人生、一つの瞬間として撮影しました。また、写真は違う言語を話す人ともコネクトできますし、人間はどこにいても根本で同じ、地球や世界は一つです。この写真を見て自分が世界中で座っている姿を想像することで、椅子は一人ひとりが自分の行動の責任を取るためことを思い出させるリマインダーでもあるのです。

 先日は日本の大使館やトロント日本映画祭でも展示がされました。その他香港やトルコでも活動し、現在はアラブ首長国連邦やベトナム、ジョージアなどを考えていて、私たちのプロジェクトがどんどん拡大しています。私の夢は、自分の写真が、人々が世界的に密接につながるように使われることです。自分の写真が、地球やお互いを、そして自分が今本当は何をしているのかということに配慮できるように導くメッセージになれば嬉しいです。

伊藤恭子・在トロント日本国総領事

 今年は多くの人で賑わうSquare Oneでの開催ということで、買い物などで訪れた方々が気軽に立ち寄れる場所で、多くの皆さんが鑑賞できるので良いと思います。女の子が水に飛び込むダイブという写真と、ひな鳥が大きく口を開けている写真が印象深かったです。展示されている写真は、みんなが楽しい気持ちになったり自然への畏怖を感じる写真など、素晴らしい写真が多い印象です。