ケベックへの進出 | 銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol.15

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トロントの老舗レストランとして30年以上、愛され続けている銀杏レストラン。それはひとえに木村オーナーシェフとそれを支える従業員の努力の賜物だといっても過言ではないだろう。そんなトロントで功績を残している木村オーナーだが、苦戦を強いられた土地も存在した。銀杏レストランの第二陣として、ケベックにオープンしたレストラン、“Ginko Restaurant Jaonies”。しかし、わずか4年で閉店に至ってしまったのだ。今回はケベックでの裏側にあった苦労について、お話しを伺った。

Vol.15 ケベックへの進出

2005年4月、銀杏レストランの第二店舗としてオープンした“Ginko Restaurant Jaonies”。そのきっかけは、引き寄せられた縁のようだったと木村さんは語った。始まりは2004年にケベックで行われた大きな剣道大会で、木村さんが審判長を務めた時の帰り道だった。ケベック市のシャンゼリゼ通りと言われるグランダレー通り、ケベック市では一番の繁華街の中に、すでに閉店しリース状態になっていた日本食の鉄板レストランが目に止まった。そこは、カナダに木村さんのご両親が遊びに来た時、母親が久々の日本食に喜んでくれた思い出の店だったのだそうだ。そこを一目見た時、「私を待っているのですかね。」と冗談で話していたほど、無意識に何かを感じていたそう。

「ちょうど息子たちが大きくなってきたので、トロントで第二店舗を探していたところだった時に、この看板を見たのです。それから最初にそこを訪れた時はクローズして4〜5年ぐらい経っていたはずなのに、吸い込まれるような感覚がありました。そこは昔からあるレストランで、とても豪華で美しかった。その瞬間に、アイディアや構想が浮かび、見学を終える頃には、新しい店の図面が頭の中にほとんど描かれていました。きっと、その店が私たちを待っていてくれたのだなと思いました。この店でうちの味を出して、ちゃんとした日本食をケベックに出したいと思いましたね。」と木村さんは当時の様子を語った。

そして1年後2005年4月10日、規模は200席、1階が寿司レストラン、2階が鉄板焼きレストランとして、“Ginko Restaurant Jaonies”はオープンした。立地もよく、集客数は見込めると踏んでいた。けれど、木村さんたちを待っていたのは、ケベックとトロントの間にある、大きな大きな文化の壁だったのだ。

次回は移民の国カナダ、その特徴とも言える文化の違い、そこに触れながら“Ginko Restaurant Jaonies”を話していこう。

Ginko Restaurant Jaoniesがオープンした際の写真。木村重男さん(右)、次男拓也さん(中央)、鈴木喜信さん(左)