食材へのこだわり | 銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol.17

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料理の世界は、「仕入れ・仕込み・調理」であり、その中で特に大事だというのは仕入れと仕込みだと語る木村さん。日本の食材とカナダ・オンタリオの地元の食材についてどのように取り扱っているのか、そのこだわりについて聞いてみた。

エトビコの青果市場や地元ファームで食材を自ら吟味

この時期、エトビコにある青果市場には、世界中から野菜や果物などが集まってくる。毎朝、自ら市場に出向き、食材を見て触って気に入ったものを仕入れる木村さん。

「その日新鮮で旬な野菜や果物を生産者の顔を見ながら、会話を交わしながら仕入れることが一つの楽しみにもなっています。」と語る木村さん。毎年夏にはオンタリオじゅうのファーマーがこの青果市場に集まり、地元産の野菜や果物で溢れかえるという。

時間を見つけては、生産者の顔と管理方法を自分の目で確かめにファームなど現場に行くことを大切にしているという木村さんは、新しくオンタリオ産ビーフを取り扱うことを決めたという。

「トロントから北に200キロほど行った所にある3代続くファームを直接見学にいき、生産者と話し、仕入れることを決めました。銀杏では主にステーキとして提供しますが、ファームのオーナーも毎月、毎週さまざまな部位や料理の仕方などを提案してくれます。」と教えてくれた。

こうしてこだわり抜いた食材選びが同店の大きな強みになっているとともに、実際、生産者の方も銀杏を訪れて自分の育てた食材がどのように扱われているか、訪れることも多いそうだ。

日本食材への熱い思い

仙台出身だという木村さんは、3年ほど前から秋田産の赤味噌を直接仕入れ、お店で提供するようになったという。お客さんはそれまで白味噌しか味わったことがない人も多く、最初は色々言われたそうだが、熟成した本物の味の啓蒙を通じて、最近では皆、同店の赤味噌の味噌汁を好んでくれているそうだ。

「赤味噌だけでなく、これから三陸産の海苔やワカメも直接仕入れることにしました。コストもだいぶ高くなるのですが、本物を提供したい思いと海外に輸出したい日本の生産者や企業を応援したいのです。銀杏でまず活用し、物流はもちろん味なども満足いけば、他の日本食レストランにも薦められるし、皆が取り扱うようになれば、カナダでより入りやすい環境になっていきますからね。我々が日本食をここで提供する上で、生産者や業者のことももっと考えていかなくては」と木村さんは真剣に語った。

日本食普及の親善大使であり、カナダ日本食レストラン協会(JRAC)の会長も務める木村さんが考える日本食レストランのあり方は、まだまだ色々あり、非常に奥が深い。

「日本食普及の親善大使」任命状の授与式