ケベック店閉店から得た学び – 後編 | 銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol.20

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 前編ではケベック店の閉店を経て学んだことを包み隠さず語ってくれた木村さん。後編となる今回はカナダにおける日本食の第一人者として若い人たちに対して思うこと、ご自身の経験を今後どのように活かしたいかについてのお話を伺った。

日本食文化を継承する若者をサポートしたい

「ケベック出店も含めてこれまでのことを実は書き綴っているんです。その内手直しして本でも書こうかなと思って。」そう言って木村さんは微笑んだ。書き連ねてきたメモは既に50ページにも及び、その中には寧ろ失敗談の方が多く書かれているそうだ。

 ケベック店を畳んだ年の失敗経験は自分が一番ある、と語る木村さんは既にカナダにおける日本食の未来を見据えていた。若い人には成功例よりも失敗例を教えた方がいい、としながらも挑戦しようとする若者との出会いがないという悩みを吐露した。

「日本人の若い子たちにカナダで和食文化を根付かせてほしいですね。どうしても今の若い子たちは懐に飛び込んでこない印象があります。我々の若い頃は年上には頼らせてもらっていました。」

 本気で夢を実現させたいというガッツ溢れる若者が出てくればいつでもサポートをしたい、という木村さん。日本食文化を深く理解するにはある程度日本で育ったか、日本の食文化で育った方が継承しやすいのではないかという理由で特に日本人の若者へと期待を寄せているのだ。

日本文化が重きを置く「継続」

 挑戦する若者を応援したいという熱意の裏には「自分が常に面倒を見てきてもらったので、同じ人に返せなくても別の方法で返していければと思うんです」という木村さんなりの恩返しの気持ちが込められている。日本の文化は継続を最も重んじているからこそ、自らもその伝統文化の一端を担うことが大切だと木村さんは語った。

 若い人たちが具体的に取るべき行動を伺うと、「経験を積んだ人を積極的に利用すべきです。その人たちの知恵や過去を知ることでより良いものができるはずです。」と即答。これから事を成そうとするのであればカナダで経験を積んだ人から学ぶことが貴重な経験になるため、これを利用しない手はない。