日本料理の真髄を武器に 海外を渡り歩く元公邸料理人 濱名 省爾シェフ|カナダで活躍する日本人

 濱名シェフは、現在はミシサガにある銀杏レストランにて技術指導を行なっている。もともと有名懐石料理店で修行を積み、その後、海外でいくつもの日本食レストランの立ち上げやメニュー開発も手がけてきた。

老舗料亭での懐石料理の修行から公邸料理人を経て、海外でのお店立ち上げも経験

 日本の老舗料亭で5年間修行し、公邸料理人を経てその後は、イスラエルのテルアベルの日本食レストランでメニュー開発を担当したり、マレーシアのクアラルンプールの寿司店の立ち上げに従事しました。

木村さんとの出会い、そしてカナダへ。「海外が性に合っている」

 日本に帰国後、再び海外で料理を作りたくなり、今秋に公邸料理人として働くかもしれないのですが、昨年末に銀杏レストランオーナーで日本食親善大使の木村氏と出会い、銀杏レストランの技術指導などを受け持ちながら、カナダで働くことになりました。

 料理人にとって海外で日本食を作るというのは食材の面など不便が伴います。しかし、私自身は逆にその方が面白くて魅力に感じていて、日本と同じ食材が手に入らないなかで、現地の食材をどう活かし、代替していくのか、どう本場の味に近づけるのかということにやりがいを置いています。私のスタイルは、モノを探しにマーケットに行くのではなく、マーケットに赴いてモノを見てから、献立を考えるようにしています。

料理の道に進んだきっかけ、極意

 学生時代に肉屋でのアルバイトを機に料理の世界に関心を持ちまた。自分では覚えていなかったのですが、小学生の時の作文でコックさんになりたいと書いていたようで、料理人になると両親に伝えたときには、「やっぱり!」と言われました。

 老舗料亭では、妥協をしない精神を学ぶなど、いい経験をさせていただきました。今でも当時の総料理長だった私の師匠には、日本に帰国した際にお店を手伝うなど勉強をさせてもらっています。

海外の文化と日本食の融合

 昨今の日本食ブームに関する賛否両論は「郷に入れば郷に従え」と考えています。海外で手に入らない食材や好まれるものを学んできているので、現地でできることの中で、おもてなしや技術と合わせることが大事だと考えています。

銀杏オーナー木村氏(左)とともに

 そして、日本文化の大事な部分や良さを取り入れるように心がけています。お正月やひな祭り、子どもの日や七夕など、季節の行事なども含めて海外に伝えるように努めています。

 近年は日本の魚もカナダで比較的たくさん食べられるようになりましたが、地場や近郊のものに比べてやはり美味しいですよね。それは、鮮度が落ちないように工夫された日本の技術がずば抜けて高いという風に言った方が良いかもしれません。

 日本酒に関しても今カナダを始め世界で日本酒の販売振興に一生懸命だと思います。日本各地には素晴らしい銘酒がたくさんありますので、良いお酒を提供すればおいしさを伝えることができると思います。

 私自身ができることは手がける献立の中で、現地の食材をどう活用するかを一番に考えています。日本食を大きな枠組みで慣れ親しんでもらうには現地の食材・素材が重要なキーワードだと思います。そこに日本でしか手に入らない食材や素材を取り入れ、お客さんとの会話を通して日本料理の魅力を伝えて行くことが、日本食が草の根的に広がることにつながると思っています。

 是非一度、銀杏レストランにお越しください。事前にお問い合わせいただければ、出来る限りご要望にお応えしたいと思います。先日はカウンターで天ぷらを揚げながら日本料理を振る舞うディナー企画なども催しました。今後も様々な企画を予定しておりますのでどうぞご贔屓のほどよろしくお願いいたします。