カナダの食トレンドを牽引するホスピタリティーイベントRC Show 2017 レポート

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第72回目を迎えたRestaurants Canada主催のRC Showが2月26日~28日の3日間Enercare Centreにて開催された。マルチカルチャーなトロントでは一般向けに様々なフードフェスティバルが開催されるが、このイベントは年に1度の飲食業界人向けのホスピタリティーイベントとして、新しい食材や機材、調理法など食に関連するあらゆるトレンド情報を得られる場として知られている。カナダ建国150周年を迎える今年は“Canada Unleashed”というテーマを掲げ、食という観点からカナダの魅力を満喫できるプログラムになっており、3日間合計で過去最高の1万6千人以上の来場者が訪れた。

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今回のRC Showでは会場がシェイク&スリング、ワールド、カナダ、オンタリオ、エコ、テクノロジー、スペシャリティー、コーヒー&ティーの8つのエリアに分けられ、それぞれに用意されたメインステージやサブステージでは150近いプレゼンテーションやセミナー、調理デモンストレーション、そして3種類のコンペティションが行われた。シェイク&スリングのエリアでは、日本酒造組合中央会が出展し、10蔵が参加した。ここではすでにカナダで購入可能な日本酒だけでなく、今後輸入が検討されている日本酒を試飲することもでき、1日目から大いに盛り上がりをみせた。ブースを訪れた人たちはそれぞれの日本酒を飲み比べ、各ブースのスタッフによる日本酒の説明にも熱心に耳を傾けるなど、日本酒への関心の高まりや人気が上がってきていることが伺えた。

また、26日には日本酒への理解をさらに深めてもらうことを目的としたセミナーが行われた。日本酒の歴史や、文化や暮らしとの関係性、さらに種類によって異なる様々な日本酒の飲み方について話があり、聴講者は時折大きく納得するそぶりを見せながら日本酒について学ぶ良い機会となったようだ。

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他のエリアで注目を集めていたのはトロントらしいマルチカルチャーな面を見せる世界の食材が並ぶワールドエリアやカナダの食の魅力に迫るカナダエリア、近年の地産地消ブームに乗ったローカルなオンタリオエリアだろう。

ワールドエリア内にはアメリカやメキシコに並ぶ規模と存在感でJFC Internationalによるラーメン、カレー、居酒屋フード、お茶屋スイーツといった日本食を紹介するブースが賑わいを見せた。

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カナダエリアではケベックやマニトバ、PEIなどそれぞれの州が誇る地元の食材や各州で生産されている商品などが紹介されており、全体を通して最近注目されている炭が練りこまれた生地で作られた黒ピザや、ナチュラルフレーバーの炭酸水など、ヘルシー志向、ベジタリアン、グルテンフリーなどがトレンドとして多く取り入れられていた。

また、オンタリオエリアでは多くの農家や牧場が紹介され、3日間に渡って直接生産者と交流を持てる機会も設けられるなど、シェフがこだわりの食材をより仕入れやすいきっかけとなる環境が整えられていた。

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メインステージでは速さ・正確さ・パフォーマンスなど細かな項目ごとに技術を競うバーテンダーコンペティションや次世代のレストラン業界を牽引する学生たちに調理対決、そしてCanadian Culinary Federation主催の調理対決にはカナダ全国から24人のシェフが集められ、3日間に渡る熱い戦いが繰り広げられた。一番に輝いたのはサスカチュワン州出身のシェフDarren Craddockで賞金4千ドルが贈られた。

また今年は初めて“Uniquely Canadian Food Experience”と題した特別イベントがカサロマで開催され、チケットがすぐに完売するなど多くの人気を集め話題となった。これは当日各州から招待された有名シェフがランダムでタッグを組み、新しい料理を作り出すというコンセプトでカナダ飲食業界の可能性が追求された一日となった。

他のフードフェスティバルのように単に食を楽しむだけのイベントではなく、レストラン経営のヒントや食のトレンド、関連テクノロジーなど豊富な情報を得ることができるRC Showはまさにホスピタリティーを追求する人のためのイベントだろう。イベント規模は年々拡大しており、今年は入場制限がかけられるほどで、トロントニアンの食に関する関心の高さが伺えた。

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