銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol.12 銀杏レストランの移転

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1984年から木村オーナーが自身初となる店、銀杏レストランをHoliday Innにオープンしてから約10年、ここで初めての転機が訪れた。ホテルとの契約が打ち切りとなり、閉店を余儀なくされることとなったのだ。しかし、そのわずか一年後、International Plaza Hotel(現Delta Hotel)に再オープンが決まった。そこには銀杏レストランが30年以上、地元トロントに愛され続けている秘密が隠されていた。今回は、そこに焦点を当てながら銀杏レストランの軌跡をご紹介しよう。

Vol. 12 銀杏レストランの移転

1995年10月当時Holiday Innの新たなオーナーより契約が打ち切られ、その一ヶ月後には閉店を決めた木村オーナー。次へ進むべく、しかし当てもなく場所を探していた時に、ある人物と出会った。International Plaza Hotelの当時のオーナーだ。そのオーナーから熱いラブコールがあったのだそうだ。「私も最初は気づかなかったのですが、話をしていく内にその当時のホテルのオーナーが銀杏レストランの常連客だということがわかりました。そのオーナーから“銀杏レストランであるならぜひ来て欲しい。”との話になり、そこからトントン拍子で進みました。」と木村さんは語った。

そんな常連客の思いを受け、銀杏レストランはわずか1年後の1996年11月International Plaza Hotelに返り咲いた。なぜここまで早く進めることができたのか?それは、木村さんを始め、全従業員が一丸となり、閉店や移転を支援したからこそだと、木村さんは語った。「以前(旧Holiday Inn)使っていた寿司カウンター、畳や格子戸、釘やネジまでの状態が非常に良かったのです。それを元に新しい店を設計・施工してもらった為、工期も工事費も抑えて、通常の1/3程度で行うことが出来ました。それ以上に、昔の銀杏(レストラン)に携わってくれた人たちの気持ちや思いを全部上手く取り入れることができたからこそ、今こんなに良いお店になったのではないかと思います。」と木村さんは当時を振り返った。

International Plaza Hotel(現Delta Hotel)へ移転してから、純和風を目指し着物でサーブを開始している。

そして、待ちに待った開店当日。その扉を開いたと同時に、たくさんのお客さんが列を成して、レストランの前で待っていてくれたのだそうだ。「昔の常連客さんたちもたくさん来てくれて、行列ができました。Ginkoを探してきてくれたそうなのです。それまでにもたくさんの人たちから、“Ginkoはいつ再オープンするのだ”とたくさん聞かれていましたね。」と木村さんは語った。

たくさんの人々の思いを受け継ぎながら、銀杏レストランは再生を果たした。また、受け継いだだけではなく、日本伝統のものを取り入れ、さらに格式の高いものへと発展と遂げていった。次回はどんな発展を遂げたのか、その全貌をご紹介していこう。