銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol.6 『笹屋』の人気の秘密

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何もかもが手探りの状態、それでも仲間たちと共にアイディアを寄せ集め、ようやくオープンに至った『笹屋』。木村さん自身オーナー経験がない中で始めたその名前の由来は、木村さんと同志が長年携わってきた剣道からアイディアを得たそうだ。

「剣道で使われる竹刀は、その名の通り、竹から出来ています。その笹の葉は、とてもしなやかで品がある。そんな店になるように、という思いを込め、また、日本人にとって馴染み深い名前にしたかったのです。」と、木村さんは柔らかに語った。

Vol.6 『笹屋』の人気の秘密

■『笹屋』の当時のメニューはどのようなものでしたか?

お寿司、てんぷら、焼鳥が人気メニューでした。でもその当時でも私たちにとっては特に珍しいものではなかったのです。けれど、カナダ人は当時お寿司やてんぷらをあまり分かっていませんでした。本格的な寿司バーをオープンして、日本スタイルでお寿司を提供したのは、我々が初めてだと思います。技術移民で日本から呼んで働いてもらっていた職人ももちろんいました。

■その人気の秘訣はなんだったのでしょうか?

いつ出版されたのか定かではないのですが、Joanne KatesというGlobal & Mailのフードコラムニストの方が記事を載せてくれていたのです。その方が書いてくれた記事によってトロントで気軽に食べられる寿司屋になったことが大きいのではないかと思います。その他にもEglinton Ave WとAvenue Rdに面している立地の良さも多くの方に来ていただけた理由の一つに挙げられると思います。開店当初から40席が満席になり、2時間待ちの列が毎日できていたのには我々もびっくりしました。

■その当時の様子はいかがでしたか?

もうすでに移民していた6〜7人ぐらいの日本人と中国人の従業員でなんとか運営していましたが、それでも手が足りず、特に週末は家族にも手伝ってもらいながら経営していました。当時はまだガーデナーの仕事、剣道、笹屋へのヘルプを掛け持ちと、とにかく朝からやることが山ほどありました。あの当時はまだまだ若気の至りで、間違いや手違いが多く何度もお客さんに怒られていたように記憶しています。それでも一日一日がとても楽しかったですね。

木村オーナーシェフの原点はまさにここ『笹屋』から始まったのだろう。

次回からはいよいよ30年以上の歴史を刻む『銀杏レストラン』、その軌跡を追っていきたいと思う。

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