銀杏・木村オーナーシェフのカナダストーリー Vol. 1 木村さんの歩み

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空港から5分、トロントにある老舗日本食レストラン『銀杏』オーナーシェフの木村重男さんは、30年以上カナダでレストランを経営し、さらに“日本食レストラン協会(JRAC)会長”と“日本食普及親善大使”を務めながら、“剣道道場の師範”という横顔も持つ。本誌では集中連載企画として、木村さんから30年以上の歩みを振り返ってもらい、同時に現在の活動を通して、カナダでの日本食の変遷や日本食文化の浸透、また今後、日本食のさらなる普及を促進するために必要なことなどを考察していきたい。

Vol. 1 イントロダクション—木村さんの歩み

1967年、戦後日本からカナダへの移民が再開され、移民者が増え続ける時代の中、1984年にオープンした日本食レストラン『銀杏』。30年以上という長い月日をトロントと共に歩んできた同店は、まさにカナダの老舗と言える。第一回目の今回は、木村さんの経歴を紹介しよう。

■1973年1月 カナダに移住。

■1978年 エグリントンに『笹々屋』をパートナーとオープン。『笹々屋』はオープン当初から爆発的な人気を誇ったという。背景にはニューヨークの寿司ブームにあったと木村さんは語り、「その時は本当に手が回らなくて、掛け持ちをしていた庭師の仕事を終えてから、妻と一緒に皿洗いや仕込みをやったりしていました。忙しかったのですが、それがとても楽しかったです。」と、当時を懐かしく振り返ってくれた。

■1984年4月 『銀杏』をソロ・オーナーシップでCambridge Motor Hotelにオープン。

■1995年11月 ホテルとの契約が切れたことをきっかけに、International Plaza Hotelへ移転。

■1996年11月 International Plaza Hotelで『銀杏』を再オープン。同ホテルは、トロント・ピアソン国際空港に近く、トロントの表玄関となるようなレストランにしたかったという。

■2005年 日本食レストラン協会(JRAC)会長に就任

■2016年5月 日本食普及親善大使に就任

レストランの名前の由来は、銀杏の英語名、“Ginkgo Tree”からきている。 カナダの人も呼びやすいように、最後の“g”を取り、“Ginko”と日本名の当て字を店名と決めた。銀杏は公害に強く、生命力があり、昔から神社などの神聖な場所に多く植えられている木で、その葉は末広がりで、秋になれば金色に輝き、毎年実りを授かるという、商売をする上で非常に良い意味を持っている。木村さんはそんな素晴らしい木に由来する店名でお客様に長く愛される店にしたいと願いを込めた。次回は銀杏のメニューやお客様への気配り、譲れないこだわりなどについて紹介していく。