ソチ五輪金メダリスト羽生選手専属のマッサージ・セラピストが教える身体と健康 #03

aoshima-tadashi青嶋 正

RMT:カナダ公認マッサージセラピスト / 日本オリンピック委員会 日本スケート連盟の強化スタッフ


第3回 バレエダンサー

前回、前々回で紹介させていただいた、フィギアスケーターと同様に体を酷使している患者さんにバレエダンサー達がいます。毎日8時間にも及ぶ過酷な練習に励み、1年間の公演をこなしていくのは容易な事ではありません。プロ意識の高い彼等は、怪我の予防やメンテナンスを兼ねて、よく施術に訪れてくれます。

先日プリンシパルダンサーとの会話の中で、常に技術を磨き、ライバルとの競争に勝ち続けなくてはならないプレッシャーは相当なものだと聞かされました。その意味でも体の手入れをして常にベストな状態に保つのはとても重要なことだそうです。しかし、これだけ気を使っていても、長年にわたり体に負担をかけてきたダンサー達にはそれぞれウィークポイントがあります。

昨年11月の“白鳥の湖”公演の際のお話をします。白鳥の湖は多くの見所があり観客を魅了する演目ですが、ジャンプやトゥを使う動きが多く、バレリーナには過酷な演目です。特に、主役は白鳥と黒鳥の正反対の個性の役を踊り分け、32回連続回転など高度な技をこなし、優雅さと観客を惹きつける演技力と表現力、技術、体力、スピード全てに高いレベルが要求されます。この過酷さからプリンシパルダンサーが公演の5日前に動けなくなるというアクシデントがあり、緊張が走りました。古傷が再発したような症状であり、本人も主役の責任感からミゼラブルな感じです。

このような時に私の出来ることは、
1)最悪のケースも想定しつつ安全性の高い施術プランを立てる。
2)慎重に動作確認を行い問題点を限定し、患者さんに状態を理解してもらう。
3)内容を明確にすることにより、安心して施術を受けてもらう。
です。

このようなステップを踏んで私の方針に納得してもらえると、本人も前向きに取り組んでくれるので回復が早まります。また、基本的にバレエダンサーの身体のメンテナンスのレベルは非常に高いので、痛みなどの状態の説明も非常に明確でありアセスメントの際とても助かります。

“この筋肉のこの辺りの繊維がこの動きの時にこんな感じに痛くて、ナショナルバレエ専属のセラピスト達の見解は”~~~~“なのでよろしく。
という具合です。結果としてこの施術はうまくいって、公演前日に無事回復するに至りました。

また、ご褒美に白鳥(オディット姫)よりドレスリハーサルのご招待を受け、フォーシーズンズ シアターのグランドリングの“ド真ん中”の席で鑑賞させていただきました。周りにアジア人はおらず、日本人の風貌でこの特等席にいるのは場違いな気もいたしましたが、、、、、、。

終演後のバックステージで汗も拭かずに出迎えてくれたスワンをみて、晴れやかな笑顔にひと安心しました。

又、案内されたフォーシーズンズ シアターのステージ上から見るViewは、馬蹄形の5階の観客席に包まれる様で、ゴージャスであるとともに相当なプレッシャーであることを実感しました。
そこで、観客を魅了するスワンの翼の動きを生み出すエクササイズ

“中途半端な腕立て伏せ”

1) 胸の高さくらいのテーブルなど体を支える場所を探す
2) 右足を1歩前に踏み出し体を安定させて腕立て伏せの要領で真っ直ぐにした体を45度に傾け両腕で支える。
3) 両肘を曲げて腕立て伏せの動作(屈伸)をする
4) 気をつけるのは、胸の筋肉ではなく、肩甲骨が後ろに突き出ることです
5) 肩甲骨の内側と裏側が伸びて痛くなる手前位まで伸ばします。
6) そのポジションを30秒ホールド
7) この動作を2-3回繰り返します。
また、3)の動作を肘を締めて行うと夏場に気になる“二の腕のシェイプアップ”にも効果があります。

2週間後にはあなたも白鳥の様な、しなやかな肩の動きに????

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