「日本だったらありえないようなことが起きるのが、トロント」|トロントのカリスマ美容師 Hiroさん×Creators’ Lounge 加藤豊紀さん 対談【中編】

ヒロさん快挙!ELLE Canada(ビューティーページ内)
今月発売、2月号登場決定!

サロンbespokeにてヒロさん(左)とトムさん(右)

 トロントでワーホリから起業を果たしたトムさん。前回はヒロさんとの出会いやビジネスに対する心境の変化を語り合った。第2回目は、トロントという街から受けた影響や、ビジネス上での苦労、さらには日系コミュニティをテーマに盛り上がってもらった。

ヒロ: トムさんはどうしてトロントに残ろうと思ったのですか?そして、カナダのどのあたりが気に入って、ビジネスをしようと思ったのですか?

トム: まず居心地がとてもよかったです。来加時は英語もできませんでしたが、自分がやりたいことを伝えれば相手がきちんと聞いてくれるんですよね。カナダには本当に色々なバックグランドの方がいるので、話を聞いているだけでも面白かったです。

 それと街のサイズ感ですね。小さくて面白くないということを言う人もいますが、いざ住んでみると深みがあって、知れば知るほど面白く夢中になりました。ヒロさんの場合は?

トロントから感じた今後の可能性

ヒロ: 僕は、このトロントから感じた今後の可能性ですね。この街は多種多様にクリエイトされている真っ只中だと思うんです。そこに、ある意味〝ライフクリエーター〟のような僕らがいるというのが、まさにドンピシャリだと思うんですよ。カナダの中で、特にトロントはダイバーシティで、僕らのようなマイノリティの言動も受け入れられやすいので、明るい未来が見えたんです。

トム: これが東京やニューヨークとなると、みんなで消耗している感じがするんですが、トロントには隙間があると思いますね。心のゆとりというか、違う文化も受け入れてくれる余裕というか…。

ヒロ: そういう部分にモザイクカルチャーと言われる由縁があるんでしょうね。国籍で分けるのではなく、十人十色の考え方を尊重してくれる寛大さがあるわけですね。

トム: 多文化共生ですね。
 ビジネスの先輩としてトロントでビジネスを継続していくことの良い部分や難しさってなんでしょう?

ヒロ: カナダは多民族国家なので、それぞれの常識が違うということを知っておかなければなりません。日本だったらありえないようなことが起きるのが、トロントの難しいところですね。

トム: 私の場合は3人でマネジメントをやってきて、3人とも国籍やバックグラウンドが違いました。話し合って解決しないといけないことが、英語だと上手く伝えられなかったり、育った環境が違うので根本的な考え方が合わなかったりというのもありましたね。

ヒロ: でもそれは、例え日本でも3人の価値観が違えば、きっと同じ問題が起きるでしょうね。価値観の差は日本人同士でもあるけど、更に言葉や文化の壁があるのが海外。ただ逆にそれが良い方向に動くこともたくさんありますよね。

トム: 化学反応ですね。

ヒロ: 逆にこの街でビジネスをやって良かったと思うのはどんなところですか?

日本人というマイノリティでも挑戦できる

トム: 日本人というマイノリティでも挑戦できるところです。隙間があって受け入れてくれる、そして認めてくれる風土があるように思います。

2012年ワーホリ時代。CL1回目のイベントにて


ヒロ: 僕はトロント1年目に、〝この街は僕ら外国人が作っているんだ〟と思いました。 世界中からの移民が第一線で活躍しているのを見て、自分もこの街の一部、そして努力次第では何かの先駆者にもなれるのだと。ただ、きっと皆さん、積極的に行動してきた人なんだとも感じました。

 話は変わるけどトムさんは日系コミュニティにも関わってきましたよね。

トム: 私はジャパンフェスティバルカナダに2016年から携わっていますが、日系コミュニティの協力がなければイベントも出来ていません。長くこちらにいる方たちが真摯に向き合ってくれて、私のような若者もサポートしてくれました。そのような人たちが海外にいるからこそ、日本の若い人たちはもっと海外に出れば良いのにと思っています。

ヒロ: トムさんの会社も、しっかりその役割を果たしていると思います。トロントに来たばかりのワーホリの方々にとって、非常にありがたい存在だと思います。そしてトムさんを通じて企業の社長と仕事ができたり、大きな会場でライブや展示・公演ができたりする。そうやっていつの時代も、次へと繋がっていくことができるのが日系コミュニティの良いところでしょうね。

トム: 時代とともにコミュニティの在り方も少しずつ変化しますよね。

ヒロ: 今だとオンラインの世界でコミュニティが作りやすく、出会った直後でもお互いの事を知ることができ、長い年月をかけずに仲良くなれたりします。その点で確かに日系コミュニティの在り方も変わりつつありますよね。 昔に比べて、情報がないことによる誤解のようなものが生まれにくくもなりました。これは良いことです。 そんな中で僕は、トムさんの存在が大きく、トムさんは日系コミュニティに新しい形を作ったと思っています。

トム: 恐縮です…(笑)。僕は時代に恵まれていたのだと思います。昔だったらなんだそれって思われることを、SNSを通じて自分の言葉で想いを発信し、伝えることができたのが良かったのかもしれません。

(聞き手・文章構成 TORJA編集部)


加藤 豊紀(かとうとよのり / トム)さん

 神奈川・横浜生まれ。元警察官から、クリエイターの表現の場を創るために世界へ。カナダのトロントを拠点に、企業の広報PR・イベントプラニング事業を中心に展開する。また国際的なクリエイティブ・コミュニティを形成するということを念頭に、アート関連の人材・知識をビジネス関連分野で活かせるような場の提供を行う。

Creators’ Lounge Inc. CEO / Japan Festival Canada Director

Twitter: GOODMUSICTOM


Hiroさん

名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。若い頃から憧れた、NYの有名サロンやVidal Sassoonからの誘いを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。1年目から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再び、トロントのTONI&GUYへ復帰。クリエイティブディレクターとして活躍し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今現在も、サロンワークを中心に著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。

salon bespoke

WEB: salonbespoke.ca
TEL: 647-346-8468
130 Cumberland St, Toronto, ON M5R 1A6
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