「自分自身で納得する道を選べばいい」|トロントのカリスマ美容師 Hiroさん×Creators’ Lounge 加藤豊紀さん 対談【後編】

ヒロさん快挙!ELLE Canada(ビューティーページ内) 2月号登場!

サロンbespokeにてヒロさん(右)とトムさん(左)

「ワーホリ→起業→日本帰国」

 これで最終回となるトムさんとの対談シリーズ。今回は、ワーキングホリデーからスタートし、起業を経験し、トロントでの経験をもとに日本での新しいチャレンジを迎えている中で、長い年月を過ごしたヒロさんとともにトロントにいる若い世代に対して思うことや、就職に対する考え方、さらには日本とトロントに対する想いを語ってもらった。

ヒロ: 僕達は二人ともワーホリからチャレンジし、ここトロントで多くの人たちと会ってきましたが、若い方々ともたくさん接点を持ってきましたよね。

トム: 私はインターンの受け入れなどで若い方とも接点がありましたが、昔に比べるとアクティブな方が減ってきたという印象があります。

ヒロ: そうですね。 それと、今の時代の恵まれた部分を良く活用している人と、恵まれていない部分に巻き込まれそうになっている人たちとの差が激しいと思います。

 仕事なら今は人手不足の業界が多いからこそ、昔なら残念ながら埋もれていた人材が、今は見つかる可能性が高いと思います。
 一度でも良い環境に飛び込めれば、そこで経験値も積めて、ステップアップへの扉が開くと思うんですけど。

トム: 今の若い人たちを見ていて、自分が今ワーホリだったら、もう少し具体的な目的意識を持ってくるかと思います。その方が可能性は広がりますよね。

ヒロ: 事前に可能な限りのリサーチとコンタクト等の準備が以前よりも重要になってますね。 そして、逆に今が情報社会だからこそ、海外に来た後で目標が定まらない、もしくは目標がブレるという方も増えたみたいですね。

トム: 結局、自分自身で探すしかないんですよね。それを探すにしても、常に意識をしていないと大事なことが拾えないんです。

ヒロ: それが良い経験なら、とりあえず給料の額は二の次で考え、まずは自分がその仕事・業界が好きか嫌いか見極めるのも良いかもしれません。

 良くも悪くも、この時代の恵まれたことは、スマホ1つあれば言葉が喋れなくても、大して困らずに生活はできることです。

 スマホが便利過ぎるからこそ、日本の漫画や動画を見過ぎたと後悔する人もいれば、そのスマホのお陰で次々とコネやチャンスを作り、もっと自分の可能性を広げていく人もいる。

 ちなみに、僕も日本の番組とか大好きですし、アンチではないです(笑)。要するに、目的やバランスですよね。

トム: 最近は就活のために大学を一年休学してカナダに来るワーホリも多いですよね。ヒロさんも若い人との接点が多いと思いますが、どんなアドバイスをされているんですか?

ヒロ: もし就活を意識して、休学で来ているなら、自分の希望や適性をより知る、そして現地でも爪痕を残すような時間を過ごして欲しいですね。価値を感じたら2年休学でも良いのでは?

 大学に現役合格していたら、2年遅れでも大丈夫じゃないかな。そして価値観や視野を広げたその有意義な2年の経験をもとに就職した場所は、ある意味で次の学校・訓練所だと思えるんです。そこで経験・知識・コネを得てから、アラサー前後までに一度、30代以降をどうするかと考えれば良いと思います。 既に海外経験があるので、常に海外も自分のマーケットだと考えて、どこでも戦っていけるような価値観を持つことが大切ですよね。どうせ、日本で就職しても今後は、お客様、提携先、上司、部下など仕事全てのグローバル化がより進むでしょうからね。

 それに〝巻き込まれる〟のではなく、〝巻き込む〟位に活用してもらいたいですね。

トム: 私は今の時代って個人の時代だと思っています。組織に入るのもいいけど、個人として何ができるかに注力した方がいいのではないでしょうか。欧米のビジネスシーンなんかは、スキルが無かったらガンガンと首を切られますが、そういう時代が日本にも来るかもしれない。

 個人で戦うためには何をしないといけないかっていうことを考え、そのために自分自身で納得する道を選べばいいと思いますね。

ヒロ: トムさんは、この連載の最終回が掲載される時にはもう日本に帰国していますね。今後、どのようなチャレンジを描いていますか?

トム: 今後は日本側でカナダをプロモーションできるだろうとも考えます。マイノリティとしてカナダで過ごした経験を日本に持って行き、日本で外国人が増えていく中で、多文化共生というところも日本に広めていきたいです。

ヒロ: 約7年間にわたりトロントで培った経験と共にトムさん自身が日本に逆輸入され、その経験がどれくらい武器になり、日本でどのような花を咲かすのか。そして将来、それがまた再輸入という形でトロントに戻ってくる日が楽しみです。

 トロントには知る人ぞ知る魅力があると思うんですけど、トムさんの思いは?

トム: 私は世界がトロントみたいになればいいと思います。色々な人が交わっていて、共存し、チャレンジも受け入れてくれる。トロントはブランディング力がある街なので、もっとスポットライトが当たってほしいとも思います。それを言葉にするのが難しいんですが、住んでみると分かるんですよね。

ヒロ: 出会ってから、今まで何年も語り合ってきたことが、既に僕らの〝ヒロの部屋〟だったかと思うのですが、改めて、この対談ページという機会を振り返っていかがでしたか?

トム: トロントではこのヒロさんのサロンが私にとって唯一の場所だったんです。1対1で話すことのできる、とても大切な場所でした。今回あらためて色々な言葉を聞けて嬉しかったです。自分の中ではヒロさんとの対話はずっと、自分のやってきたことを報告できる場で、結果的にそれが自分の成長にも繋がっていたと思います。本当にお会いできてよかったと思います。
(聞き手・文章構成 TORJA編集部)


加藤 豊紀(かとうとよのり / トム)さん

 神奈川・横浜生まれ。元警察官から、クリエイターの表現の場を創るために世界へ。カナダのトロントを拠点に、企業の広報PR・イベントプラニング事業を中心に展開する。また国際的なクリエイティブ・コミュニティを形成するということを念頭に、アート関連の人材・知識をビジネス関連分野で活かせるような場の提供を行う。

Creators’ Lounge Inc. CEO / Japan Festival Canada Director

Twitter: GOODMUSICTOM


Hiroさん

 名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。NYの有名サロンやVidal Sassoonの就職チャンスを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。ワーホリ時代から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再びトロントのTONI&GUYへ復帰し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今もサロン勤務を中心に、著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。世界的ファッション誌“ELLE(カナダ版)”にも取材された。

salon bespoke

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