「目の前のお客様からは逃げられない」|トロントのカリスマ美容師 Hiroさん×山口 晃さん・仙石 翔大さん 対談【中編】

今年3月にはカンクンで嬉しい3人の再会

目の前のお客様からは逃げられない

ヒロ: どうしてアキラさんは美容師になろうと決めたのですか?

山口: 実は僕は高校生のころヤンキーだったんですよ。

ヒロ: やっぱり(笑)!

山口: 通っていた美容室のおばちゃんが「山口君、卒業したらどうするの?」と聞くんで、「トラックの運ちゃんかフリーターになる」と答えていたんですよね。すると、おばちゃんが「あんたセンスがありそうだから美容師をやってみない?」と誘われて…。そこから急に美容師になることを考え始めました。そして、高校卒業後にその美容室で働き始め、自分の母と同世代のドギツイおばちゃんが師匠となりましたね。

ヒロ: 今に至るまで、どんなところがこの仕事の魅力だと思いますか?

山口: やっぱり美容師の仕事というのは、鏡の前にいる目の前のお客様から逃げられないんですよね。スタイリストとしてデビューしたとき、どんなに自分の技術が拙くても、アシスタントと違って逃げられないんです。だから最初は冷や汗かきながら必死でしたけど、自分がイメージしたスタイルがまぐれではなくて、きちんと作れるようになったときに、お客様がすごく喜んでくれたのが、何事にも変えられない幸せと気づきました。

 お客様が笑ってくれることが一番嬉しいですし、この仕事はお客様と近い距離でコミュニケーションを取ることができます。例えば、旦那さんの愚痴とか、彼氏彼女の愚痴とか…。

 その方がマイナスな時でも僕がプラスに変えるお手伝いをする、お客さんを笑顔にできるっていうのが一番の醍醐味ですね

ヒロ: 凄くわかります。僕もお客様に喜んでもらうことが一番です。担当期間が長くなればなる程、ある意味でそのお客様の人生の一部になれるかもしれない。幼少時から担当し続ければ、ある時から一人でご来店できるようになったり、入学式や卒業式の担当なども。そして、友人や恋人を連れてくるかもしれないし、気づいたら結婚をしていたり、子供ができていたりと…。お客様によっては、人生の大切な節目さえもシェアしていただいてるなって感じるこの職業は、本当に素晴らしいと思います。こんなに身近で、人生の長期間にわたり関わらせていただく職業は他にないと思います。先ほどアキラさんが仰ったように、ネガティブな状況にいた方も一瞬で笑顔に変える可能性を持ってるんです、我々の〝美容師〟という職業は。

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ワーホリのイメージを変えたかった

ヒロ: ショウタ君はなぜワーホリを?

仙石: 僕はもともと昔から海外に興味があって、高校生の時は野球部だったこともあり、交換留学制度にも参加できなかったんですよね。だから高校卒業後は、自分でお金を貯めて海外生活を満喫しようと思い、オーストラリアに行きました。その時は何も考えずただ海外に出たい、海外で生活したいという思いでした。

ヒロ: ワーホリ生活はいかがでしたか?

仙石: ワーホリ生活はダイビングのインストラクターになるためにダイビング漬けでした。同期のメンバーもいて、高校野球と似た熱い感じの青春でしたね。熱いものがありました。ただ、どうしてもワーホリっていうと「遊んでいるだけ」って捉えられがちな気がして、僕はなんとかそのイメージを変えたいとずっと思っていました。

ヒロ: なるほど。ワーホリは、名前・定義の如く〝ホリデー〟でも良いと思うんですね。ただ、〝ワーキング〟って権利の可能性は無限大だってことも知っておくことが重要かなと。

  実際に、積極的に行動して一流の会社やお店、もしくは日本にない特殊な職種などで、貴重な勤務経験した方々もいっぱいいます。海外なんだし、物事を見る角度や発想の転換をして、自分でワーホリの限界を作らないことですね。

どのような目的があるのか、どんな目標を作るのか、それが成功の道

仙石: せっかく海外に行くのであれば、そこでしかできない経験や目標をもってやってもらいたいですね。そうしないと、次につながらないし、次に活かすための努力、工夫をしてほしいです。

山口: どのような目的があって海外に行くのか、ということが大切だと思います。毎日何をするか、自分で自分を律することで遊んでばっかりにならず、目的を見失わずにいることができると思います。

 目的を持たないと、誘惑もたくさんあるし、ダラダラとあっという間に時間が過ぎていきますから。

 でもね、若い時にしかできないこともたくさんあるから、少しくらいハメを外したり、遊ぶことも良いことだと思います。恥ずかしい経験とか、たくさんすることも大事ですからね。

(聞き手・文章構成TORJA編集部)

「Hairmake&Spa Tento-」代表 山口 晃さん

 埼玉県出身。様々な美容師の働き方を経験し、大規模チェーン店では2千人の中でNo.1スタイリストとして活躍。2015年東京都練馬区大泉学園に【Hairmake&Spa Tento-】をOPEN。サロンワークでは店舗全体で、リピート率90%、おまかせ率90%、客単価2万円と業界平均の底上げを実現。社外美容師に向けたセミナー講師としても活躍。2018年に夢であった世界進出の為、メキシコ・カンクンへ移住し、日本人初となるヘアサロンをOPEN。
HP: tento-hair.com
Instagram: 1010akira

仙石 翔大さん

 岐阜県出身。オーストラリアでワーホリ中にダイビングインストラクターの資格を取得し、カリブ海憧れ2011年にカンクンに移住。
カンクンに移住後、1からカメラと映像の技術を学び2019年1月にSAKURA Styleを設立。ビーチでのウェディング撮影以外にも空撮や水中撮影、メディアへの撮影協力など幅広く活動。
HP: sakurastyle-cancun.com

Hiroさん

 名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。NYの有名サロンやVidal Sassoonの就職チャンスを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。ワーホリ時代から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再びトロントのTONI&GUYへ復帰し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今もサロン勤務を中心に、著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。世界的ファッション誌“ELLE(カナダ版)”にも取材された。

salon bespoke

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647-346-8468 / salonbespoke.ca
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