eスポーツ | トロントの日系幼稚園の園長先生コラム【第77回】

皆さんはeスポーツって、ご存知ですか?

(e-sports)」とは「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームで行われる競技の事なのですが、コンピューターゲームに疎い私はこの言葉を実は最近初めて知りました。

ゲームをする楽しさだけでなく、高いレベルのゲームの観戦、それがエンターテイメントとしても注目され、それに関連したビジネスもどんどん拡大されているそうなのです。その歴史ですが…

1980年代にコンピューターゲームが普及し、世界中でゲーム大会が開催される。

1990年代は格闘ゲームがブーム。インターネットの普及によって、欧米ではゲーマーなどと呼ばれる人達のプロ化も始まる。

2000年代にはeスポーツの呼び名が使われ始め、大会の賞金も年々とんでもない金額になって来て、最近では賞金総額20億円超の大会もある。

って事で、もうびっくりしました!確かに健人が子供の頃にもだんだん携帯型ゲームやTV接続型等と色々なコンピューターゲームが普及し、大進化を遂げ、中には外に出ることなく、室内でひたすらゲームをする子供達も増えていました。

しかし、私がゲームなどに全く興味がなかったことから、健人にもゲーム類は一切買い与えませんでしたので、健人はとにかく外に出てロードホッケーをしたり、スケートボードや自転車を乗り回していました。子供は外で遊び、自然と触れ合い、ケガもしながら色んなことを学んで行くもの。また、アイスホッケーや武道などのスポーツチームにも入り、熱心に運動もして来ました。それこそが子供にとって健康な姿であり、社会性を身につける術であるとも信じていたのです。

が、ここ数十年で世の中のスポーツは知らない間に大きく変わっていました。最近では、北米ではeスポーツはプレイするだけでなく、インターネットで観戦する人が急増だとか。統計によると2018年にはプロのバスケットボール(NBA)、2020年にはプロの野球(MLB)を超える程の人気らしいのです。全く信じ難いのですが。


アメリカの大学では体育会系運動部として奨学金を出し、まさに他の人気スポーツと同じ様に優秀な〝選手(ゲーマー)〟を獲得する動きが広まっているそうです。実際に奨学金を出している大学での部活動では、長時間に及ぶゲームで集中力を保ち、思い通りにキーボードとマウスを駆使してゲーム操作を行えるように毎日筋トレも欠かせないそうなんですよ。

大学側にすれば、eスポーツがこれほどまでに注目を浴びている訳ですから、eスポーツの強豪校として知名度を上げればその大学への学生を集める広告効果も上がる訳なんですね。その上、シリコンバレーのIT企業も大学と提携してスポンサーとなり、無償でコンピューター機器を提供して自社製品の認知度を上げたり、販売の拡大を狙ったりしている企業も多々ある様です。

そもそも、これって本当にスポーツなの?っていう事で議論はされているそうなのですが、国際オリンピック委員会ではeスポーツに置いては、その競技に対する熱心さ、必要なトレーニングや準備期間などを考慮すれば、実質上、伝統的スポーツに匹敵すると認めているそうで、国際オリンピック委員会がeスポーツの五輪への正式競技種目として前向きに検討しているそうです。

「ゲームばっかりしてないで勉強しなさーい!」と言う、過去のお決まりの文句は今や逆になりつつあるんですねぇ。健人にももっとゲームをさせておけば良かったのかしら(笑)。

今や親がゲームで育ったという子供も多いでしょうから、家族で親しみもあるのかもしれません。確かに、随分前からコンピューターを取り入れているデイケアや幼稚園も多く出て来ていると聞きますが、池端ナーサリーでは今後もその予定はありません。コンピューターを否定するつもりはありませんが、せっかく子供達が集まれる大切な時間はとても貴重ですから、その時くらいは子供同士触れ合いながら社会性を養っていって欲しいものです。

それに私自身、古い人間になってしまいましたから…孫が出来てeスポーツをされても付いて行けるかどうか〜。やっぱり「ゲームばっかりしてないで、運動でもして来なさーい」って、言ってそうです(笑)。


池端友佳理

京都出身。大阪の大学看護科を経て同大学病院の産婦人科で看護師として経験後、1990年に渡加。伴侶は日系カナダ人三世。一人息子(大学生)の母。1993年に自宅で池端ナーサリー託児所を開設。1999年日系文化会館内に池端ナーサリースクールを設立。園長を勤める傍ら、カナダ唯一の産後乳房マッサージ師として活躍中。