池田安里さん 特集インタビュー

ブリティッシュ・コロンビア大学博士課程を首席で卒業し、現在は美術の世界でニューヨークで助教授、トロントではロイヤルオンタリオ博物館にて研究者として活躍。バンクーバー学生時代には出産も経験したスーパーウーマン

池田 安里さんの特集インタビュー

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学びの場にビクトリア大学やブリティッシュコロンビア大学などBC州を選ばれた理由を教えてください。

東京のテンプル大学ジャパンというところに1年半、高校を卒業してから通ったのですが、その大学の学長がビクトリア出身の方で、ビクトリアが綺麗で環境が良いところだと教えてくれたのがきっかけです。カナダはアメリカより治安もよいですし、女性の地位が高いことでも知られていたのもカナダを選んだきっかけです。 ビクトリア大学で学士を取り、オタワのカールトン大学で修士を終えたのですが、やはりブリティッシュ・コロンビアの風土や文化が自分にはあっていると思い、バンクーバーで生活したいと思いました。ブリティッシュ・コロンビア大学は太平洋に近いこともあり、アジアに関する勉強が進んでいるのが特徴のひとつです。日本研究では著名な学者の方もたくさんいらっしゃることもこの大学を選んだ理由のひとつです。

博士課程を首席で卒業されている池田さんですが、学生時代はどのように過ごされたのですか?

大学院には4年間在学しまして、始めの1年目は授業をとり、2年目は試験と試験勉強、3・4年目は論文を書いていました。アジア学科の学生の友達が多かったので、日本語を話す人や日本の文化、またはアジアの文化をよく知っている人と時間を過ごすことが多かったです。学生生活4年目にはウィメンズホスピタルで出産も経験しました。

出産・育児環境はいかがでしたか?

出産は病院の設備もよく看護師も親切だったので、とてもいい出産をしました。新生児向けのクラス等コミュニティーセンターなどもありますし、大学構内に住んでいたのですが、家族連れの大学院生や教授の方がたくさん住んでいて、構内に設置された公園などで一緒になることも多かったですが非常にいい環境でした。

その後ニューヨークに移り、現在は期間限定でトロントに在住されていますが、日本を含む世界各都市を見てバンクーバー(BC州)は、学びや生活の場としていかがでしたか?

いい思い出がたくさんあります。料理はおいしいですし、都会ながらも自然が非常に豊かで、心が癒されるスペースが多いです。バンクーバーからビクトリアに行くときに乗るフェリーから見える、山が霧に囲まれた景色は、私が世界のなかで最も好きな景色です。のんびりした雰囲気も大好きで子育てにも最適で、もし仕事の有無なども問わず好き勝手に住む場所を選べたとするならばバンクーバーを真っ先に選ぶと思います。 また、毎週数回ヨガに通っているのですが、バンクーバーはルルレモン発祥の地でもあるようにヨガのスタジオが多いですし、クラスの質もいいんです。カナダでは1番ヨガが普及している都市だと個人的に理解しています。ライフバランスを重視する人が多いですし自分には合っていると思いました。

美術や文化・芸術の分野に博識な池田さんですが、BC州には文化・芸術都市の香りや雰囲気はどのようなものでしょうか。

西海岸で印象が強いのは、カナダの先住民の方たちの文化や生活が東海岸以上にリスペクトされているということです。博物館のオープニング等には必ずその土地の先住民の方の村長がいらっしゃって、踊りや歌で入場者を歓迎するようなイベントもします。先住民の方の文化がもっと身近に感じられるという意味では、BC州の文化は素晴らしいものであると思います。

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池田安里/Asato Ikeda

ニューヨーク•フォーダム大学美術史助教授/ロイヤルオンタリオ博物館研究者(2014-2016)。ブリティッシュ•コロンビア大学博士課程を首席で卒業し、カナダ政府総督府より金メダルを受賞。著書に「Art and War in Japan and its Empire 」(監修 ブリル出版)、 「Inuit Prints: Japanese Inspiration」(共著 オタワ文明博物館出版)等。