カナダ総選挙の影響|カナダで永住権! トロント発信の移民・結婚・就労ビザ情報

 2019年10月21日にカナダ総選挙が行われました。この選挙の結果は、今後の移民法にどのような影響を及ぼすかということについて今月はお話します。

連立政権の影響

 今回Liberalが勝利したことで、Justin Trudeau首相の2期目が決定しました。但し単独過半数には14席及ばないことから、連立政権が誕生することとなります。従って法案を可決するためには、他党との交渉・協力が必要になってきます。幸いにも移民に関する政策は他党においても方針はあまり大きく異なるということもなく、また選挙前のキャンペーン中もConservativeのリーダーがLiberalの移民政策に関しては”reasonable”であると発言していたこともあり、今後移民法について大きな問題や争いが発生することはないと言われています。従って現状の移民法の内容のまま、細かい部分を必要に応じて改定していくのではないかと認識しています。

今後の移民政策において具体的にはどのような変更が予定されているか

 Liberalは今後の移民政策について、次の内容を提案しています。

•移民者の年間受け入れ合計人数

 2021年までに、人数の合計を33万800人(2019年度)から3%増加し、35万人とし、その後は年間につき1万人ずつ増加すると発表しています。現在、約60%の移民者がEconomic Class(個人移民)で移民権を取得しており、この数字を保つよう、引き続き「高いスキルを持つ外国人」がカナダに移民することができるようなプログラムに焦点を当てて政策を進めていくとしています。

•Citizenship申請料の無料化

 近年Citizenship申請数の減少が問題視されており、その一番の原因は料金であると指摘されています。
 Citizenshipを申請する際、合計630ドル(申請料100ドル+市民権料530ドル)の支払いが現在義務付けられています。

 LiberalはCitizenship申請は条件を満たしている者が無条件で申請できるものであるべきだとしており、低所得者なども取得できるよう、負担を減らすとしています。但しこの政策を実現した場合、年間100億ドル以上の経済負担がカナダ国民に発生すると言われているため、これに関しては実際に実現するかどうかということは現時点で不明です。

 一方でCitizenship申請数の増加を狙って、今後LiberalがCitizenship申請の条件を多少変更する(簡易化するなど)期待は高まっています。

•Express Entryに関して

 LiberalはExpress Entryに関するルール等の変更をする予定は今のところ特に無しとしています。Express Entryは2015年にConservativeが発足したプログラムであり、このプログラムに関してLiberalが変更したのは、2016年にJob Offerのポイントを600点から200点に下げたことです。

•地方限定推薦プログラムの発足

 1999年にProvincial Nominee Programが発足したとはいえ、その後も新移民者の大半がカナダの大都市に居住を構えることとなった結果、地方に移民者が不足する状態が起こり、地方の人口が伸び悩むという状態が続いています。今回の総選挙において、Liberalは地方に移民者を誘致するプログラムの発足を約束し、年間最低でも5千人を受け入れると発表しています。

•“Permanent, Dedicated Refugee Stream”の発足

 命の危険に直面している人権擁護者、ジャーナリスト、人道支援者などがカナダで新しい人生を始めることができる支援をするために、年間最大で250人分の特別な難民プログラムを発足すると約束しています。

•Temporary Foreign Workerについて

 雇用主に対する毎月の外国人労働者数の開示義務付け、雇用主が雇用条件をしっかり守って外国人を雇用しているかということの厳正な調査結果開示などの義務付けを提案しています。

 以上が選挙前にLiberalがカナダ国民に今後の移民政策として打ち出した内容となります。

残念な部分

 移民法において、今回の総選挙でLiberalにもっと政策を打ち出して欲しかった、との声が国民より上がっているのは次の内容です。

  • Parents Grandparentsカテゴリーの上限を無くす
  • Parents Grandparentsカテゴリーの申請方法の徹底見直し
  • Express Entryにおける、カナダで就学した者に対するポイントの見直し
  • 難民受け入れ人数の見直し

 これから4年間、移民法に関する動向が大きく変わるかどうかということは現時点では分かりませんが、今後移民に関してカナダ政府がどのように動いていくかということはカナダ国民の注目の一つであることは間違いありません。

aya-kawakita

川喜多 綾

カナダ政府公認移民コンサルタント
Aya K. Immigration Services Inc.代表

移民法以外にも様々な法律を学んだ後、有名移民弁護士事務所にて実務を学ぶ。移民コンサルタントとしての国家資格取得後、2009年に起 業。お客様とご相談しながら、ビザや移民取得に向けたプランを提案。個人のみならず、大手日系法人のクライアントも多い。

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