ソロミュージシャンMiyuさん@indie WEEK
10周年を迎えたindie WEEKが10月16日から20日にかけてトロント市内各所で行われた。世界各国から250を超えるインディーズバンドの参加する今音楽フェスティバルだが、今年からインディーズフィルムフェスティバルのRiFFも新たにイベントプログラムに加えて、一層熱くインディーズシーンを体感できることとなった。今回はindie WEEK、RiFFともに1965年から1970年代初めに活躍したアメリカの伝説的バンドTHE DOORSのドラマー・John Densmoreさんをスペシャルゲストに迎えての講演会なども行われ、フェスティバル全体にアニバーサリー感が漂っていた。
そして今回のindie WEEKには、今年の6月に開催されたNXNEに参加した日本のロックバンド、Round Faceのボーカル・MiyukiさんがソロプロジェクトでMiyuとして参加。全部で4ステージのパフォーマンスを披露した。今回TORJAでは、ステージ後のMiyuさんにお話を伺った。
初めてのindie WEEK
私は今回がindie WEEK初参加ですが、以前からindie WEEKのことを聞いていて、ずっと参加したいなという思いを持っていました。NXNEはまさにお祭りという感じで、勢いの良いバンドが多かったのですが、今回のindie WEEKはバンドでありながらも、楽曲のアレンジや調の構成などの作り込みが結構されているように思います。コンテストもあるので、その賞を狙っているバンドも多いみたいです。NXNEとは少し雰囲気が違うように感じますね。
このindie WEEKにも6月のNXNEに出演した時のバンドで参加しようと思っていたですが、メンバーの都合が合わず、フェスの本部に相談したところ、ソロでのアコースティックスタイルの参加も可能だということで思い切って来ました。ソロでの海外公演は今回が初めて。日本出発直前になって正直気が引けてしまったのですけど、トロントに来てからはやりきって帰るのだという思いになりました。そうして迎えたindie WEEK。バンドだと音を出してしまえばいつもの自分になれるのですが、今回ばかりは自分に魔法をかけるような心持ちでした。お客さんも、バンドの場合はグルーヴがあるので自然とノッてくれるのですが、アコースティックは割と聴かせるスタイルの音楽ですから、「自分で持っていかないと!」ということを今回体感して、それがとても良い経験になったと思います。
バンドがソロでの音作りにも影響を与えている
ソロではアコースティックギターを使った、ギターと歌という一番シンプルなスタイルで活動しています。ライブの時には生ギターですが、録音の時には打ち込みもしています。コンセプトなどはバンドとソロで基本的に変わらないのですが、やはり私自身にバンドの時の音の感覚があってリズムを入れたいという思いがあり、ソロでもフットベルを入れたりしています。この体全体で演奏できる感じは、大変ですけどおもしろいのですよね。アコースティックで歌うというと、どうしてもフォークのようなイメージが自分の中に今まであったのですが、もっとノれるものを作りたいという思いで現在試行錯誤しています。
音楽をやる原動力は「瞬間の歓び」
私は15年以上音楽を続けていますが、楽しいのはライブの間と終わった時、そして曲ができた時が一番で、それまでの工程は大変でとても長いものです。時間の長さじゃなく、瞬間の歓びの方が強くて、しんどくなってもその瞬間を思い出すとまたやりたくなって、クセになっちゃうのですよね。
Miyu(みゆ)
日本人のギタリストでシンガー、ソングライター。ロックバンドRound Faceとしても活動しており、現在は東京を拠点に活動を行っている。ロック音楽を愛し、海外公演も積極的に行っており、数年前にはアメリカツアーを敢行、トロントでも今年6月のNXNEでRound Faceとして公演を行っている。今回のソロ公演ではソロアルバム『Rock’n Roll Witches』を引っ提げてのステージを披露。