菅野文先生にインタビュー!

aya-kanno-05ドラマ化され流行語にもなった「オトメン(乙男)」を生み出した漫画家。
そのユニークな視点で作品を描く
菅野文先生にインタビュー!

2009年にドラマ化され作品タイトルが流行語にもなった、累計部数350万超といわれる人気作品「オトメン(乙男)」を生み出した漫画家・菅野文。今回初参加となるTCAFではパネルディスカッションやサイン会に参加し、ファンの方と和やかに交流していた。現在、シェイクスピアのリチャード三世を題材にしたダークファンタジー「薔薇王の葬列」を描いている彼女に、TCAF開催前日にお話を伺った。


漫画家を目指されたきっかけは何でしょうか?

絵も本も両方好きで漫画も流行っていたので、最初から漫画が好きだと思いましたね。絵を描くことが、というよりは子供の頃からコマを割って漫画を描いていたので、気付いたら漫画家を目指していました。

漫画の技術はどこで習得されましたか?

高校を卒業して、専門学校でパース(遠近法を使った透視図法)や背景など基礎の技術を習いました。その時に学校からアシスタントの仕事を紹介してもらったので、学校は辞めて朝基まさし先生の下で、約1年半の間、週2回アシスタントをしていました。その時、朝基先生のアシスタントへの接し方とか漫画家としての条件みたいなものを学びました。

漫画家は締切に追われてストレスが溜まりやすいと思いますが、どのようにしてストレス発散していますか?

私はかなり発散できていないタイプ、常に緊張しているタイプですね。結局、編集さんとの長話とか仕事の話でリラックスしていることが多いです。漫画が好きだから一番楽なのは締切のない状態で漫画が描けることが理想ですね。そしたら、他のこと何もやらなくても楽しいかなと。漫画を描くことは辛くなくて、締切が辛いだけですね(笑)

オトメンがドラマ化された時、キャスティングとか関わられていきましたか?

こういう感じの人でどうですかとは聞かれましたけど、基本的に漫画家はあまり関われないので、編集さんとテレビの人で進めているという感じでした。キャスティングは大満足で、とても似合っていると思いました。私は実写が好きで元々ドラマになったらいいなと思っていたので、嬉しかったです。

オトメンも含めて作品のインスピレーションはどこから受けますか?
情報収集が趣味というか、ずっとニュースとか見てしまうタイプですね。今何が流行っているかとかを追いかけるのが大好きなので、今こういうのイケそうみたいな感じで描いています。オトメンの時は言葉から始まったような所があります。言葉を思いついて自分の中でこれはイケる!となったので、オトメンって誰かもう発見しているかなとインターネットで検索して特に見当たらなかったので大丈夫だろうと思い、作品化しました。

TCAFでのパネルディスカッションの様子

TCAFでのパネルディスカッションの様子

「薔薇王の葬列」英語版

「薔薇王の葬列」英語版

サイン会には多くのファンが駆けつけた

サイン会には多くのファンが駆けつけた


作品ではジェンダーの問題を意識して描かれているかと思いますが、少年漫画や少女漫画とジャンルを分けること自体について疑問をお持ちでしょうか?

はい、持っています。でも、特にこのジェンダーの問題を描こうと思ったわけではなくて、結果としてそうなっていたというか、自分の中で常にそういう疑問があって、描くと自然にそうなってしまうという感じですかね。親の教育が影響しているわけでもないですし、むしろとてもいい両親で自由に育ててもらえたので、逆に世間が違っていて違和感を感じた部分が作品に反映されているのだと思います。

好きなことを仕事にできた菅野先生から読者へメッセージをお願いします。

私個人の経験談だけですけど、続けられないものは止めた方がいいですね。続けられるものが向いていると思うので、無理しない方がいいと思います。もっと向いていることが他にあると思うので、「続けられているな、これ」というものをやったら成功すると思います。それを探すには色々な人に会ったり色々なことをやるしかないです。私自身は漫画以外、何も続かなかったです。好きなものはいっぱいあって音楽も大好きだったので色々な楽器に挑戦しましたが、練習が面倒くさくなってどれも続きませんでした。漫画は練習した記憶がなくて自然と描いていたら上手くなったので、皆さんもそういうものを見つけるのが1番いいのかなと思います。

菅野文プロフィール

2001年、花とゆめより「ソウルレスキュー」でデビュー。2006年から2013年まで別冊花とゆめにて連載した「オトメン(乙男)」では、男らしさや女らしさといったジェンダーの問題を取り上げ、2009年にドラマ化、「オトメン」という言葉は流行語にもなり話題となった。英訳版はニューヨークタイムズのベストセラーリストにも頻出。現在は、月刊プリンセスにてシェイクスピアのリチャード三世を題材にした「薔薇王の葬列」を連載中。これまでに、「ソウルレスキュー」、「悪性-アクサガ-」、「オトメン」、「薔薇王の葬列」が英訳にて発売されている。