BeaverTails 社 C.E.O Pino Di Ioia氏 インタビュー

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第1回「BeaverTails (ビーバーテイルズ)」

オタワ生まれのカナダを代表するお菓子。2015年には東京にも進出。

1978年にオタワで誕生したビーバーテイルズ。その名の通りビーバーの尻尾のようなサクサクもっちりの揚げパンにシナモンシュガーをトッピングしたカナダ独特のペイストリーだ。1人のアルバイト店員としてビーバーテイルズで仕事を始めたPino Di Ioia氏。彼がCEOに就くまでの道のりや近年の急速な成長、日本への進出などについて語ってもらった。

■ビーバーテイルズとPino Di Ioia氏のストーリーを教えてください。

妻のTina、双子の弟のAnthonyと一緒にビーバーテイルズを経営しており、行楽地や旅行に人気な都市などを中心に世界的にビーバーテイルズを展開しています。創業は1978年、オンタリオ州のオタワで、私たちが営業権を買収し、本社をモントリオールに移したのが2009年です。現在は、ブランドが急速に成長しており、世界中に111店舗を構えています。それぞれのお店はフランチャイズ店として個々のオーナーが経営を行っています。

■ビーバーテイルズとの関わりとそのビーバーテイルズのフランチャイズ権を取得しようと決めたきっかけはなんですか?

マギル大学に入学する前に、学生の夏だけの仕事としてモントリオール州内にあるビーバーテイルズで働き始めました。フランチャイズ権の取得のきっかけは、ビーバーテイルズ商品の独自性が決め手となりました。私が従業員としてビーバーテイルズで働いている時、お客様が列を作って待ち、ビーバーテイルズを喜んで受け取っている光景を目にしました。それは私にとって他では味わったことのない幸せな経験と商品を販売する楽しさでした。

その後、私はマギル大学のMBAに申し込んだのですが、万が一入学できなかった時のことを考えて、ビーバーテイルズのフランチャイズの権利を購入しておくことにしました。実際は無事入学することができ、幸運なことにもMBAも取得することが出来ました。MBA取得の中で学んだことは、ビーバーテイルズ社の中でキャリアアップしていくためにも大いに役立ちました。

様々なフレーバーが楽しめるビーバーテイルズ

様々なフレーバーが楽しめるビーバーテイルズ

熱々の揚げパンと冷たいジェラートが相性抜群のビーバーバイト(奥左)、 ヘルシー思考なMoozooスムージー(奥右)、シンプルなシナモンシュガーフレーバのビーバーテイル(手前)

熱々の揚げパンと冷たいジェラートが相性抜群のビーバーバイト(奥左)、 ヘルシー思考なMoozooスムージー(奥右)、シンプルなシナモンシュガーフレーバのビーバーテイル(手前)

■ビーバーテイルズ本部から会社全体の経営を任されたきっかけと当時のお気持ちを教えてください。

1990年後半、私はTinaとAnthonyの3人でケベック州全体の経営を任されていました。本部は別の事業展開で非常に忙しく、いくつかの事業が計画通りに進まなくなり、そのまま財政難へと陥って行きました。そうなった時に、私は本部から会社経営を引き継いで欲しいとお願いされました。私たちのチームは数年間掛けて、懸命に会社全体の経営を再編し、負債を減らすことに奔走しました。それはとても大変なことでしたが、同時にとてもやりがいのある仕事でした。

■その財政難を乗り越えて、特にここ数年間でビーバーテイルズはカナダ国内に留まらず、世界へ積極展開をしたように思います。何がこの数年の急速な拡大につながったと思いますか?

私たちビーバーテイルズをとても愛してくれるファンがいることですね。主な国外の店舗開店のきっかけは、旅行中にお客様が私たちのペイストリーを食べて気に入り、大ファンになってくれることから始まります。そして、ビーバーテイルズの商品のユニークさやその独特な美味しさをそれぞれの国へ持ち帰りたいと強く思ってくれた人たちがビーバーテイルズのオーナーになることを決め、それぞれの国でフランチャイズ・チェーンとして店舗を開業していくという流れができたことです。

夏場は外にまで続く行列が絶えないほどの人気ぶり BeaverTails @Toronto Waterfront

夏場は外にまで続く行列が絶えないほどの人気ぶり
BeaverTails @Toronto Waterfront

■レシピは、どのように生まれたのでしょうか?

ビーバーテイルズの味は、創業者のGrant & Pam Hooker氏が家族のために作っていたレシピから誕生しました。好評だったレシピを少し改良して、地元のファーマーズマーケットなどで販売を始め、大好評を得ました。また、彼らの娘さんがそのパンの形がビーバーの尻尾に似ていると話したことから、ビーバーテイルズという名前が生まれました。同時に、ビーバーはカナダで有名な動物であったことから、たまたま選ばれたこの名前がとても良いシンボルとなってくれました。

■商品開発は、カナダ国内外問わず、それぞれの地域の特徴やトレンドなどを意識しているのでしょうか?

世界中のビーバーテイルズで同じ味を見つけることができ、私達自身どこの店舗でも正確に同じ味を販売していること誇りに思っています。それと同時に、海外の店舗ではその地域、店舗での独自のトッピングも揃えています。基本のフレーバーは常に全体的に一律させることを念頭に置いていますが、根本的にはその地域のお客様が求めるものを提供し、より多くの人にビーバーテイルズを楽しんでもらいですね。

店内奥では実際に手でペイストリーを伸ばして揚げているところが見られる

店内奥では実際に手でペイストリーを伸ばして揚げているところが見られる

■Pino Di Ioia氏のお気に入りビーバーテイルズを教えてください。

私のお気に入りフレーバーは、ヘーゼルナッツチョコレートです。甘くてクリーミーな味わいで、食べるたびに私の少年時代を思い出させてくれます。

■ビーバーテイルズのMOOZOOスムージーとジェラートも人気があると思いますが、この商品はどのように生まれたのでしょうか?

MOOZOOブランドは20年前に私と妻、そして双子の弟と一緒に作ったものです。モントリオール州でヘルシーなスムージーとジェラートを販売していた際に、使用していたブランドの名称です。2009年にビーバーテイルズの経営権を獲得した時から、MOOZOOブランドの商品はビーバーテイルズの商品に含まれていますが、私たちにとって大切なブランドだったので、今でもセカンドブランドとして名前を残してジェラートを販売しています。

Moozooジェラート

Moozooジェラート

■トロントのハーバーフロントには店舗面積が最大の店舗がありますが、賑わいはいかがですか?

2016年3月にオープンしてから大きな成功を収めています。その売り上げは、私たちが計画していた以上のもので、フランチャイズ・チェーンのオーナーたちにもブランドにとっても良い知らせとなりました。 もちろん地元の常連客の方々もいますが、水上タクシーが発着していたり、ハーバーフロントセンターやCNタワーなど周りに観光名所も多いので主な客層はやはり旅行者になっています。この店舗に限らず、全体的に私たちの主な客層は旅行者が中心というのが現状です。

■積極的な店舗拡大に伴い、どのような挑戦が訪れていますか?

新しい市場への進出は、いかにブランドの認知度を広めて行くかが課題になります。カナダ以外の多くの国の消費者は、私たちの商品を一度も口にしたことがないので、始めに商品の試食を優先して行っていきます。一度私たちのペイストリーを食べていただければ、皆さんビーバーテイルズの味に恋し、再びリピートしてくれると考えています。

■海外店舗のロケーション選定に対するお考えを教えてください。

当社の経営戦略的には、必ずしも私たちが国際的なロケーションを選ぶということはありません。大切なのは信頼できるフランチャイズ・オーナーとビーバーテイルズに適した市場が揃っていることです。そのどちらかが欠けてしまってはお店をオープンすることはできないと考えています。

Toronto Waterfront店

Toronto Waterfront店

■2015年には日本にもオープンし、現在まで店舗も増えていますね。

現在のフランチャイズ・オーナーが直接私たちにコンタクトをしてくれたことが始まりです。カナダを遠征していていた日本人スキー選手のインタビューのテレビ放送を日本でたまたま見ていた際に、その選手が手にしていたビーバーテイルズに感銘受けたと私たちに交渉を持ちかけてきました。そして彼はビーバーテイルズのペイストリーを食べるためにカナダへ来てくれたほど、私たちの商品にとても魅了されていたのです。彼は私たちの商品の真のファンであると同時に、ビーバーテイルズと働くことをとても楽しんでくれています。

■ビーバーテイルズの仕事や会社経営を通しての楽しさや喜び、そして難しさなどを教えてください。

活発な仲間達に囲まれていること、そしてビーバーテイルズの商品を積極的かつ楽しんで販売しているフランチャイズ・オーナーとともに多くの笑顔を生んでいることに楽しみと喜びを感じています。知り合う人々にビーバーテイルズで働いていると伝えると、いつもあなたはとても幸せ者だねと言われるのですが、まさにその通りでビーバーテイルズで仕事ができる自分は本当に幸せ者だと思っています。難しいことや苦労していることはとても少ないですが、一番大きなプレッシャーを言うなら、お客様が私たちのブランドに対して抱いている期待通りのお店であり続けるということですね。

■今後の展開や目標などを教えてください。

長期的目標としては、2020年までに250店舗をオープンさせることです。特に、多くのカナダ人に人気があるカナダ東海岸地域のリゾート地を中心に展開して行く予定です。そして、お客様の幸せとフランチャイズ・オーナーの利益を生むことができるような成功を収めている会社を導いていき、それが実現できるとこは本当に貴重な経験であり、素晴らしいことだと思っています。

左からCFO Anthony Di Ioiaさん、Creative Director Tina Serraoさん、CEO Pino Di Ioiaさん

左からCFO Anthony Di Ioiaさん、Creative Director Tina Serraoさん、CEO Pino Di Ioiaさん


Pino Di Ioia CEO

ビーバーテイルズのフランチャイズ・オーナーとしてモントリオール店を1988年から2010年まで経営する。その経営経験を通して作られたオペレーションマニュアルやトレーニングマニュアルで年間300人以上のスタッフを管理していた。その経験を買われ、2001年には本部の統括マネージャーに抜擢され、2009年にビーバーテイルズを買収、CEOとなる。以後、Big Beaverの愛称で親しまれ、ブランド認知度の拡充と同時に国内外問わず店舗拡大に努めている。

BeaverTails (ビーバーテイルズ)

1978年創業。昔ながらの家庭の味にアレンジを加えた揚げパンとシナモンシュガーの組み合わせが地元マーケットで人気を博し、1980年にオタワ第1号店をオープン。その人気はじわじわと広がり、2009年にPino Di Ioia氏がCEOに就任すると同時にブランド認知度を一気に広げていった。オバマ元大統領やヒラリー・クリントン氏などの著名人にも人気が高く、現在はカナダ国内外合計111店舗が展開している。日本でも自由が丘店が2015年にオープンし、昨年2店舗目となる東京ドームシティ・ラクーア店がオープンとその人気が広まりつつある。
beavertails.com(カナダ)
beavertails.jp(日本)