Hiroの部屋 旅人美容師 桑原 淳さん [前編]

Hiroさん(左)と桑原淳さん(右)


今回のゲストは旅人美容師の桑原淳さん。世界一周の旅を通して、各地で出会った人々1000人のヘアカットを行うという偉業を達成し、現在は東京高円寺で美容室を営んでいる。Hiroさんとの出会いは遡ること2015年。美容師であることや、海外経験が豊富なことなど共通点の多いお二人の対談を今回は三編に渡ってお送りする。

Hiro:僕たちが初めて出会ったのは2年ほど前、ここトロントのお客様に紹介されてという経緯でしたね。

桑原:トロントで知り合ったあるブログの読者さんが、知り合いの美容師さんを紹介してくださることになって、それがHiroさんだったという流れでした。Hiroさんがカナダという外国で自分のお店を持ち営業されていることにすごいな、という印象を受けました。あとは、髪型などからもイケイケな感じが出ているなと…(笑)。

Hiro:そんな第一印象だったんですね(笑)。僕もバックパッカーではないですが、中米グアテマラにスペイン語留学の経験があり、今でも定期的に行ってることから、淳君には会う前から興味や親近感が湧いていました。実際に会ったら、僕がグアテマラで知り合った友達や高校の同級生が淳君と旅の途中で知り合いになっていたことが発覚したり、美容師で海外に身を置いているという共通点や、淳君の考え方、発信している内容なども非常に共感が持てました。

桑原:僕もHiroさんとは考え方が似ているというか、共感する部分が多いなと感じていましたし、共通の知り合いが多かったことには本当に驚きましたね。

ヘアカット中には人だかりができることも


Hiro:そもそも淳君はどうして世界中を旅して1000人ヘアカットをするという〝旅人美容師〟を始めたんでしたっけ?

桑原:もともと海外自体に興味があって、就職やワーキングホリデーなど選択肢は色々あったんですけど、自分としては一つの国に留まるのではなく、いろんな国に行きたいという気持ちがありました。初めから「絶対やってやる!」というような強い意気込みがあったわけではなく「やれればいいな」というくらいの気持ちで始めました。だから最初の方は実は観光などをメインに楽しんでいたんですよ。

Hiro:それは意外ですね。では1000人の髪を切ろうというビジョンはどんな風にして出来上がっていったんですか?

桑原:ただ観光していてもきっと面白くはないから、どうせなら世界でいろいろな出会いを経験したいと思っていて、旅の中で人の髪を切らせてもらうことで、いろいろな人々に会えるのではないかと思い、それをきっかけに始めていった形でした。また将来的にお店を出せたらいいなというビジョンを頭の中に描いていたこともあり、その上でもたくさんの人々との出会いは経験値としての意味でもプラスになるだろうと考えていました。

Hiro:なるほど、そういった思いがあって旅人美容師の1000人カット世界一周の旅が創られていったんですね。ちなみに合計で32か国を1年2ヶ月で回り、目標の1000人カットを達成したと聞きましたが、それらの行き先はどのようにして決めたのですか?

ウユニ塩湖でヘアカット


桑原:カンボジアのアンコールワット、ペルーのマチュピチュ、など初めから行ってみたい場所も幾つかありましたが、基本的には日本から西へ西へと進んでいければというざっくりとしたイメージでした。当初は1年の旅を予定していたので大陸やエリアごとなどで2ヶ月ずつくらいの滞在予定が、なんと初めに訪れた東南アジアで3ヶ月半にまで延びてしまって(笑)。その後も訪れた先々でその隣国に興味が湧き、急遽行ってみるなど予定通りに進まないことも多々ありましたが、自分の行きたい場所へとどんどん足を進めていました。

Hiro:世界一周をする中で英語が通じないような国も多かったと思いますが、どのようにカウンセリングやコミュニケーションを行っていましたか?

桑原:基本的に〝髪を切る〟ということであれば、長さやどんなイメージにしたいかなど話す内容はお互いに大体想像がつくとは思っていて、英語を話せる人であればそれらを英語で説明したり、そうでない場合は周りの英語が伝わる人に通訳してもらったりしていました。どうしても言葉が伝わらないことも中にはありましたが、鏡をこまめに見せてチェックしてもらいながら身振り手振りでコミュニケーションしていました。

Hiro:僕があまり英語が話せなかった頃、カナダには英語の話せない移民の方も多いので、現在でもそういったお客様を担当する際には、淳君が言ったのと同じ方法を取ってきています。以前、他のサロンのカナダ人美容師仲間と「1インチはどのくらいか?」との会話になり、それぞれ指で表現した時にみんなその認識がバラバラだった、ということがありました。その時に改めて、言語でのカウンセリング以上に、最終的にはビジュアル的にお客様とどのように理解を合致させていくかというところが重要なのかもしれないと気付きましたね。

桑原:細かいところは伝えることが少々難しかったりもしますが、髪を切るという同じ目的に向かっているので、自然と分かり合える部分も大きいですよね。

次回、Hiroの部屋〈中編〉もHiroさんと桑原さんの貴重なお話をたっぷりとお届けします。お楽しみに!

(聞き手・文章構成 TORJA編集部)


桑原淳さん

日本美容専門学校卒業後、都内の美容院に勤務。2014年4月より「世界を旅しながら1000人のヘアカットをする」という目標を掲げ、世界一周の旅を開始。1年2ヶ月後の2015年6月、ペルーのクスコにて目標の1000人カットを達成。国内外のメディアに多数出演、2016年には著書『世界を知るために旅に出たら日本を知る旅だった』を宝島社より出版。現在は東京高円寺で美容室Up to Youを経営するかたわら全国各地で出張美容室を行う。講演会、執筆活動、イベント企画、居酒屋、ブログなど美容師以外にも様々な活動を精力的に行っている。オンラインの全国シェアサロンコミュニティ、サロカリ代表。
HP: junkuwabara.com


Hiroさん

名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。若い頃から憧れた、NYの有名サロンやVidal Sassoonからの誘いを断り、世界中に展開するサロンTONI&GUY(トロント店)へ就職。1年目から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再び、トロントのTONI&GUYへ復帰。クリエイティブディレクターとして活躍し、北米TOP10も受賞。2011年にsalon bespokeをオープン。今現在も、サロンワークを中心に著名人のヘア担当やセミナー講師としても活躍中。

salon bespoke Tel: 647-346-8468
130 Cumberland St. 2nd floor / salonbespoke.ca
PV: “Hiro salon bespoke”と動画検索