道を極めるトロント・ピープル

トロントで活躍する日本人、日本文化を愛するカナダ人。


miray-singerMirayさん

母がジャズピアニスト、父はデトロイト出身の著名なジャズギタリストという環境の中で育ったMirayさん。音楽は幼い頃から毎日の食事と同じようになくてはならない大切なものだった。そして、若干9歳でドラムとタップダンスを始める。 その後、両親と共に鎌倉からトロントに移り、トロントではクラリネットをシンフォニーオーケストラで担当。他にもジャズやロックバンドでドラムを演奏する。 15歳で初めてソロボーカルの舞台を経験し、彼女のソウルフルそしてスイートな歌声で聴衆を魅了し、 以来、歌の分野でも活動を広げ現在はトロント各所で演奏を行っている。
「元々、アートや何かクリエイティブな物を創作するのが好きで、大学ではデザインを勉強していたんですが、デザインもやりながら音楽も真剣にやりたいと思いプロの歌手になることを決心しました。」大学在学中はジャズボーカルのレッスンを著名なリサ・マルチネリ、シェリー・マーシャル等などから教わり、そしてゴスペルコーラス、R&Bバンドに所属し活動を 行う。
両親が与えてくれた環境と才能。自分にしかないオリジナリティーを持っているからこそ歌手になりたいと思った。その個性を大事にしたいとMirayさんは言う。Mirayさんの目指す音楽のテーマは Sweet‘n’Soulful。ジャズミュージシャンの親の影響が大きく、また、父親の出身地であるデトロイトが発祥地のモータウンミュージックを主としたR&B系の音楽を愛する。楽曲の作詞作曲は自分で行い、母親はそれにアレンジなどの手を加えている。
2012年5月にデビュー曲“What You Do To Me” をリリースし、他のアーティストともコラボなど行う。現在はミニアルバム(EP)作成に向けて、トロントのスタジオでレコーディング中。と同時に、LAにあるハリウッドの著名なスタジオ East West Studio を訪れ、フィルムスコア(映画のサントラ)でのアカデミー賞受賞者であるプロディーサーNadeem Majdalany (ナディーム・マジダラーニー)ともタッグをくみ、さらなる曲作りを行っている。「将来は日本語も英語も歌える、国境を超えるグローバルな歌手になれたらいいなと思います。」

Website: http://www.mirayholic.com
Blog:http://ameblo.jp/mirayholic


tom-creative-directorTOMさん

日本では公務員だった傍ら、地元横浜でDJやアーティストへのマネージメント、イベントのプロモーターなど多岐に渡り活躍していたTOMさん。音楽関係の仕事をしていた叔父の影響もあり、幼い頃から音楽と共に生活し、将来は音楽関係の仕事に就きたいと思っていた。本場ニューヨークの音楽シーンを見てみたいという思いで公務員を退職し、ニューヨークから近く同じくエンターテイメントが盛んなトロントにやって来る。「ニューヨークや東京のような次々と新しいものが生まれ、速く流れる環境も好きだけど、少し横浜と似た地元を大切にしてスローに流れるトロントの音楽シーンも好きです。」と語るTOMさん。
現在TOMさんはカナディアンの友人が行う2つのイベントにDJとして参加しており、更に9月には自らが企画、主催したイベント『Beat at Creators’ lounge』が20日に初めて開催された。若手クリエイターには難しい、作品を披露できる環境を作りたいという思いから彼らのイラストや写真などの作品を展示する環境をつくり、そしてDJは観客や作者たちに音楽を提供する。「みんないいものを作ってるのですが、ただ披露する機会と方法がわからないんです。それってすごくもったいないと思います。」ここから若きクリエイターが羽ばたく日が来るかもしれない。
また、トロントのアーティストのマネージメント業にも積極的に取り組んでいる。本誌でも2度紹介したThe Jessica Stuart Fewは日本で1年過ごしたJessicaの意向で来年の秋に日本でのツアーを計画しており、日本へのマネージメントはTOMさんが行なっている。魅力溢れるトロントのアーティストを日本へ連れてくる。それが今のTOMさんの夢だ。
「まだまだトロントでは何もかもがチャレンジです。」TOMさんはそれぞれのチャレンジを楽しみながら前に進み続けている。

Blog:http://tomgoodmusic.blogspot.com
Beat at Creators’ lounge : http://creatorslounge.tumblr.com


mike-parsons

Django Timoschenkoさん

トロントでアーティストなどのプロモーターとして働くDjangoさん。彼は「日本の文化と出会ってなかったら自分の人生は今と全く違ったものになってたに違いない。」と語る。
日本を深く知るきっかけとなったのは2006年。故郷のジャマイカでの日本人DJとの出逢いだった。地元ジャマイカの音楽を愛する日本人が想像以上に多いこと、親切で、自分のことだけを考えるのではなく周りの人への配慮に長けていることなど、驚くことがたくさんあった。
24歳でジャマイカからNYに移り、Institute of Audio Researchでエンジニアリングを専攻。当時の最新の音楽システムなどを学んだ。そして結婚とともにトロントにやって来る。それから10年間カナダ国内最大級の楽器販売メーカーの元で勤務、その後はアメリカのFM局やアーティストとフリーランスのエンジニアとして働く。「特に仕事のとき、日本の”武士道”の精神が自分にとってとても大事。周りの人々を尊敬する心を常に持ち続けるよう心がけている。」とDjangoさんは語る。
2010年に沖縄を訪れた際に、更に感銘を受けた。ジャマイカも小さな島国。沖縄と故郷は、風景も、人々の暖かみも良く似

ていてますます日本が好きになったと言う。「日本食を知ってから健康思考になったんだ。今年52歳になるが今も健康でいれるのはそのおかげだと思うよ」
現在は多数のカナダ人、ジャマイカ人アーティストのプロモーティングを行いながら、時間があるときはDJ活動もしている。「日本人DJはジャマイカン・レゲエを流して、僕はジャパニーズ・レゲエを流す。それってすごく面白くない?」お互いに文化や音楽に惹かれ合う日本とジャマイカ。「もっと多くの日本人の人々に、ジャマイカのことも知ってもらいたい。」と語ってくれた。


django-timoschenko-artist

Mike Parsonsさん

黒一色での表現。アーティストMike Parsonsさんの黒インクだけで描かれる独特の世界観は、見れば見るほどその奥の深さ、細かさに驚く。未来と過去、自然と現代テクノロジーなど、対義にあるものを同じ絵の中で表現する。そんな彼の作品は日本のアニメーションや漫画から多大な影響を受けていると言う。
幼い頃に「宇宙戦艦ヤマト」などの日本アニメを見て衝撃を受けた。1話完結でお決まりのストーリー展開が多い北米のアニメと異なり、それらはロングストーリーな上に話の内容も複雑で、奥が深い。「小さいながらもかなりの驚きと感動を受けた記憶が鮮明に残っている。」と語るMikeさん。更に漫画ではカラフルな色を使用するアメコミとは違い、表紙と数ページ以外は白黒だけで表現される世界。黒一色での表現、自らも挑戦してみたくなった。
描くツールとして書道で使用する大きな筆や、竹を削ったものを使用したりと様々な点で日本がMikeさんの作品に影響していることが伺える。自分の考えや、思い、また実際に起こった出来事などを自分なりに作品では表現しているそう。
作品は1枚作品のものから、コミック、壁画やコンピューターゲームなど現在は多岐に渡って取り組んでいる。先日開催されたnuit blancheでも、もうすぐ発売されるコンピューターゲームが市内3ヶ所で出展された。
「今後は日本でも僕のコミックを販売したい。でも日本は本の表紙が逆など、対応が大変なことも多い。だけどそれも文化の違いでおもしろいことのひとつ。来年にはまだ行ったことのない日本を訪れたい。」と日本に対する愛情を伺わせてくれた。

Website : http://heyapathy.com


yusuke-patissierYusukeさん

THE RITZ-CARLTON TORONTOでパティシエとして働くYusukeさん。以前は東京のリッツ・カールトンで3年間勤務していた。外資系ホテルなので上司が外国人という環境。英語が話せないと、この世界では技術はあったとしてもコミュニケーションの面が足をひっぱり生き残ることは難しい。そこでYusukeさんは英語圏への転勤を申請する。しかしその直後にリーマンショックが起こり、雇用するだけでお金のかかる”外国人”をどこも受け入れてくれず悩んでいた。
そんな時、リッツ・カールトンがトロントで新規オープンすることを耳にする。一度日本で退職をし、再度いちからTHE RITZ-CARLTON TORONTOへ面接に挑み、見事合格した。当時27歳、イチかバチかの挑戦だった。
専門学校では料理を専攻。「学校の製菓の授業の時に料理よりもアーティスト性の高さが求められるパティシエの方が自分は好きだと気付きました。」その後製菓の専門学校へ進み、卒業後はパティシエとして結婚式場やホテルで勤務。のちに東京にオープンするリッツ・カールトンに転職、そして今に至る。
東京とトロント、同じリッツ・カールトンホテルだがやはり色んな面で違いがあるそう。人種のるつぼトロント、従業員も顧客も様々な国の人がいる。顧客の中には宗教上食事制限のある人々も多く、使用できない材料も出てくる。色んなケースに対応しなければならないが、「日本では経験できないことなので、制限がある中でも、最高のものを提供しお客さんに満足してもらえることが嬉しい。」とYusukeさん。
今後は自分の得意分野のアーティスト性が必要とされるスイーツ作りと、トロントで学んだ英語を武器に活躍の幅をもっと世界に広げたいと考える。「人生一度きり、いつまでも挑戦し続けたい。」Yusukeさんの挑戦はこれからも続いていく。

 

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