大川栄美子さんに聞く育児・幼児教育

14歳でカナダの名門5大学に合格した「ギフティッド」大川翔くんの母親大川栄美子さんに聞く育児・幼児教育

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大川翔くん

◼︎ 2014年にご子息の翔君が「ザ・ギフティッド」(扶桑社)を出版し、日本はもちろんカナダでも大変話題になりました。大きな注目を集めましたが、当時を振り返っていかがですか?

もともとは、高校が新聞社に翔のことを伝えたことがきっかけなんです。記者さんやカメラマンさん達がすぐに高校にいらして、翔は学校への恩返しの気持ちから取材を受けたわけなんですが、反響が大きかったみたいです。すぐにカナダのTV局からの取材も受けることになり、また、日本のマスコミからも取材を受けたり、知らないうちに日本のテレビでも報道されたりして、本を書く機会にも恵まれました。本を書くのは、翔にとっていい経験になったと嬉しく思っています。本人は張り切って書いてましたが、さすがにへとへとになってましたね。
本が話題になったといっても、本人は当初、それほど実感はなかったと思います。その後、「ザ・ギフティッド」がベストセラーになり、書評をいろいろな方が書いてくださり、ブログ「実録!翔の『極楽カナダ生活』」への応援や質問も増え、翔は評価されていることを実感できたようです。大変有り難いことだと感謝しています。

◼︎ 今回、ご自身の著書「9歳までに地頭を鍛える!37の秘訣」(扶桑社)を執筆・出版された経緯や理由などについて教えてください。

前回の「ザ・ギフティッド」(扶桑社)は、翔が自分の思いや体験などを書き綴った本です。カナダでのナマの学校体験談や翔が考えていること・努力の軌跡などが分かるためか、おかげさまで大変評判が良いです。ただ、大人の視点からの話は、私が少し解説を付け加えた部分だけとなっています。そのため、親の視点からの話を聞きたい、幼少期の育て方についてもっと知りたい、という声が多くあったそうで、出版社の方から執筆依頼を受けました。何かしら皆さまの参考にしていただけることがあればと思い、「ザ・ギフティッド」の解説では書ききれなかったこと、妊娠中から小学校低学年くらいの時期に親として工夫してきた諸々のことにつき、具体的エピソード付きで読みやすく書いて出版したのが、今回の「9歳までに地頭を鍛える!37の秘訣」(扶桑社)というわけです。

◼︎ なるほど、今回の著書では、具体的な体験内容やノウハウについて7章に渡ってお話されていますね。それでは、あらためて新著に込めたかったお考えや内容のポイントを教えていただけますか。

「9歳まで」と銘打っていますが、本にも書いた通り、思い立ったが吉日。子どもが何歳であれ、今すぐ、やれることからやり始める、で良いのだと思います。本の中で私が伝えたかったのは、「楽しんで子育てする」、「親子でいろいろな体験をする」ということです。

(左)5歳の時、友だちのバースデー・パーティにて (右)4歳の時、カナダへ旅行に来て、ロブスターを茹でたところ

(左)5歳の時、友だちのバースデー・パーティにて
(右)4歳の時、カナダへ旅行に来て、ロブスターを茹でたところ

◼︎ 毎朝、親子で計算バトルや音読・読書などをしていたとのことですが、睡眠時間を大切にしながら、同時に、毎朝、早起きして勉強というのは大変だったと思います。何かコツはありますか?

誤解されがちなのですが、特別な「早起き」はしていません。早朝4時起き・5時起きで猛勉強という話ではありません。朝、普通に起き、学校へ行くまでの約1時間を利用して、計算バトルや音読・読書などの軽いウォーミングアップ勉強を親子で一緒にやったというだけの話です。小学生時代に使用したのは、日本の中学受験用の教材です。親子で競争して遊びのように一緒にやったのが良かったと思っています。とても楽しかったですよ。今でも良い思い出です。気をつけていたポイントは、「早起き」ではなく、「早寝」の方ということです。実のところ、「早寝」は「早起き」以上に難しいことだと思います。そこで我が家では、子どもを寝かせる予定時間の30分前頃から、「あと〇〇分で寝る時間だね」と、ベッド行きロケット発射のようにカウントダウンして、子ども自身寝る時間を意識するよう仕向けていました。突然「寝なさい」と言うより効果的だった気がします。また、夜、仮に勉強などが途中でも、「続きはまた明日ね」と時間になったら切り上げ、寝る方を優先させていました。そうしていると締切効果もあり、夜の勉強の集中度が更に上がったように思います。創作活動、研究などの場合、時間で切り上げるより、区切りまでとことん集中し続けた方が捗るのかもしれません。ですが、いわゆる勉強の場合、ちょっと物足りないくらいでもコツコツと規則正しい毎日を送った方が、質の高い勉強時間を継続的に多く確保することに繋がると思います。これは、自分の司法試験受験時代の試行錯誤経験から学んだことです。

◼︎ 「早寝」と言いますと、翔君は、たとえば、小学校高学年くらいでは、何時ごろに寝て何時ごろに起きる生活だったのですか?

小学校4年の頃は、だいたい夜の9時半頃に寝て、朝の7時半頃に起きていましたね。ですから、10時間くらい寝ていたと思います。その後、徐々にやることが増えてきて、小学校5年から6年の頃は、夜は9時45分頃に寝て、朝は7時15分頃に起きていたと思います。この頃で、9時間半睡眠くらいですかね。小学校高学年のカナダ人の子ども達は、こちらでは大抵、夜の9時頃には寝ているのでそれに比べるとちょっと遅いですが、日本の中学受験をする子供たちの平均に比べたらかなり早寝で、睡眠時間も多いと思います。もっとも、しっかり寝てたのは子どもだけで、親の方は、かなり睡眠時間を削って翔との時間を作ってきました。苦労といえば苦労ですが、大変だと感じたことはありません。子育て自体、楽しかったということだと思います。それから共働きの子育てでは夫の協力が欠かせません。義母もフルタイムで働いていた方でしたので、夫自身に共働きの文化があり、その点、恵まれていたと思います。規則正しい生活も、家族みんなの協力があってこそですね。

◼︎ 睡眠時間をしっかり確保しつつ多くのことをするのは、スゴイの一言なのですが、一体、翔君は、どのようなタイムテーブルで動いていたのでしょうか?

タイムテーブルは、キンダーガーテン時代とハイスクール時代とでは違うわけで、翔の成長に合わせ、その時その時で変わっています。また、曜日などによってもかなり異なるので一概には言えないのですが、イメージがわくよう、小学生時代の一例をお話ししますと、

7時15分 起床 ハーブティを飲みながら自家製ハーブ足置きで足を温める

7時15分~8時15分 朝食&日本語学習。親と一緒に中学入試問題で計算バトル、一行問題。音読・読書・日本語読み聞かせ、中学受験用国語教材など(約1時間)

8時20分 登校
学校 通常クラス&ギフティッド・プログラムに参加(宿題・英語読書・ハイスクール用数学の応用問題集などは学校でやる。上の学年になってからは、英語エッセイも学校で書いていた)

14時30分下校

14時30分~18時 友達・ベビーシッター・お稽古事(空手・ピアノ)など(3.5時間)
友達と英語で遊ぶ(おやつ、友だちと英語ビデオやテレビを見ることも)、近所のお姉さんにベビーシッターしてもらう(英語読み聞かせ)、ピアノ練習。(週末は、日本の友達と日本語でスカイプしたりメールしたり。日本語漫画や本を読んだりも)
お稽古事:空手(平日週2回と土曜日の合計週3回)、ピアノ(週1回)。空手もピアノもない日は、別の英語ベビーシッターさんに、さらに1~2時間英語読み聞かせをしてもらう。日本語学校(週に1回、日本語学校に通っていた時期も)。夏休みは水泳レッスン、サッカーキャンプ、バスケットボールキャンプなどに参加して運動

18時 夕食(学校の出来事など親と話をする。日々の観察眼を養うように。その他、日によっていろいろ。例えば、親の方で事前に下調べ・テーマを設定し・視点が増えるよう会話。食後のお茶の時に親が本の読み聞かせ。日本のテレビドラマを一緒に見ながら解説を加えるなど)(約1時間)。ピアノ練習少し

19時 勉強(親と一緒にZ会通信教育など)(約2時間)

21時 お風呂(お風呂と勉強時間の順番を入れ替えた時期もあります。その場合は寝る前に足湯など)・明日の準備
21時15分 日本語学習(漢字練習・中学受験教材・日本語読み聞かせなど)(約30分)

21時45分 就寝(9時間半睡眠)

多くの事ができたのは、

❶ たっぷり寝たクリアな頭で集中して勉強したこと

❷ 学校にいる時間を効率的に使ったこと

❸ 全てのものが近場にあり、時間の無駄が少なかったこと、例えば、自宅から学校まで約5分だったこと、近所に英語で読み聞かせをしたり面倒をみてくれたりするベビーシッターのお姉さん達がいたこと、同じく学校近くにお友達の家があり学校帰りに遊べたこと、空手・ピアノ・水泳などのお稽古も約10分で行ける距離だったこと

❹ 夏休みが二か月以上ありその期間を有効利用できたこと

などが挙げられると思います。

◼︎ 現地校(英語)の宿題などはどうしていたのでしょうか?お手伝いされましたか?

小学校低学年の頃は、英語に不慣れだったため、親の方で宿題の確認をしていました。小学校高学年の頃は、例外もありますが、ほとんど全部学校で済ませてきていました。ですから、あまり家で宿題をやることはなく、その点は助かりました。グループ学習の宿題などは友達の家で学校帰りにやったりしていて、それはそれで楽しかったようです。学校によって宿題の出し方が違うのかもしれませんが、翔の場合、学校で終わらせることができる量だったのが幸いでした。
なぜ学校で宿題ができたのかというと、それは、自由な校風によるものです。翔が通っていた小学校では、授業中先生に出されたワークを終えた人は、残りの時間、読書をしてもいいし、自分で好きな問題集を解いてもいいし、騒がなければ自由にして良いというルールだったのです。そのため、翔は与えられたワークをドンドン終わらせ、余った時間で、宿題の他、英語読書、ハイスクール用数学の応用問題を解くなど、時間を有効に使うことができたようです。
また、帰国子女枠の中学受験を意識してからは、英語の勉強にも力を入れ、学校で、英語エッセイ書きもしていました。日本の帰国子女枠中学受験の英語レベルは非常に高く、学校によっては英検1級レベルの子どもでも不合格となることもあると言われるほど過酷なものです。単に語彙力・読解力を伸ばすだけでなく、多角的な視点を養うことが重要で、異なる見解を提示・分析できることや、自分の意見を具体例を挙げながら主張できることが必要です。Z会など中学受験の国語の勉強や、親子でいろいろなことをテーマに会話してきたことなどが役に立ったと考えています。また、こういったことの積み重ねが、予定していなかった「飛び級」につながったのだと思います。

(左)2014年6月、空手初段黒帯(国際明武舘)を授かる (中央)カナダで夏のキャンプ。たき火で料理中 (右)恐竜化石などで有名な、アメリカ、モンタナ州のロッキー山脈博物館にて

(左)2014年6月、空手初段黒帯(国際明武舘)を授かる (中央)カナダで夏のキャンプ。たき火で料理中 (右)恐竜化石などで有名な、アメリカ、モンタナ州のロッキー山脈博物館にて

◼︎ 小学校、中学校など大きくなってからの日本語の読書や読み書きのレッスンなどはどうされましたか?

小学校低学年の頃、現地の日本語学校に毎週1回通っていたほか、小学生時代は、日本の中学受験の勉強を家庭学習の中心にしていました。日本で中学受験をして日本の中学に進学する予定だったからです。SAPIXの国語問題集(ぴぐまりおん)、日能研の知の翼通信教育、アルゴ通信教育、Z会の受験コース等の通信教育を中心に日本語の勉強をしていました(時に四谷大塚の問題集、学林舎の成長する力GTシリーズ、出口汪の日本語論理トレーニングなども)。朝や夜、音読・読書・ワークブック・漢字学習を少しずつ継続し、また、週末には、読書の他、漫画などを気晴らしに読んだり、日本の友人らに手紙を書いたりもしていました。加えて、毎週末、カナダにある日本語図書が置いてある図書館に通い続けました。その他、日本から本を取り寄せたり、夏にはアメリカに日本語図書を買いに出かけるなどして、いつも身の回りに日本語の本があるようにしていました。
中学は飛び級したのですが高校に入る少し前頃から、手で文字を書く手紙ではなく、保育園時代の友人(日本在住)とメール交換したり、スカイプで話をしたり、ブログを書くといったことが日本語の勉強となりました。また、親と一緒に日本のドラマ、アニメ、映画を見るようにしています。その他、日本からラノベを取り寄せ、休みの時期に読んだりしています。

◼︎ 一般的な普通の子供に対して、好きなことや夢中なことに対して能力が開花するように、親としてその子の強みや個性をどのように伸ばしてあげたら良いと思いますか?

翔は、楽天の執行役員、北川拓也博士にお会いする機会があったのですが、北川拓也博士が翔に、「僕の行動原理はワクワクすることをしたい、ってことです」という趣旨の話をしてくださいました。北川拓也博士は間違いなく内的モチベーションの強い方だと思います。内的モチベーションとは「自分自身の知的好奇心によって生じ、 外的な要因とは無関係に、ただやりたいからやっている状態における動機付け」のこと。子供の強みや個性を伸ばすというのは、この内的モチベーションを伸ばすということだと思います。具体的には、「子どもが好きなことに一生懸命取り組んでいるときは、邪魔しない」。例えば、翔はパズルや迷路が大好きで、一心不乱に集中して遊んでいました。そういうときは、親の方で間違いに気づいても「あ、それ、こっちだよ」と声をかけたりせず、じっと黙って見守るようにしていました。強味や個性は、そういうところから育つのではないでしょうか。

2015年7月、渋谷で料理教室に参加

2015年7月、渋谷で料理教室に参加

2015年1月、カナダ総督(エリザベス二世女王の名代)から、ガバナー・ジェネラル・アカデミック・メダル賞を受章

2015年1月、カナダ総督(エリザベス二世女王の名代)から、ガバナー・ジェネラル・アカデミック・メダル賞を受章

2014年7月、楽天執行役員、北川拓也博士と

2014年7月、楽天執行役員、北川拓也博士と


◼︎ 「ギフティッド」の翔さんの優秀ぶりはすごいの一言ですが、大川さんは多くの一般的な学生を相手にも教鞭を執られてきましたが、一般的に普通とされる学生に対して、どのような指導や、どのようにやる気を発揮させてきたのですか?

日本にはやる気のある学生がたくさんいます。しかし、やる気はあってもどうしたらよいかわからず、気持ちが空回りしている場合も多い。そういう学生さんに対しては、やるべきことを絞って具体的に示してあげる、ということが大事でしょう。
それから本の中にも書きましたが、やる気が弱い場合、気持ちを奮い立たせる鍵は、セルフ・エスティーム(自尊感情)にあると思います。成功体験が多ければセルフ・エスティーム(自尊感情)が高まり、益々やる気になり、好循環に入ります。しかし、これまでに成功体験が少ない場合、どうしたらいいか?セルフ・エスティーム(自尊感情)を高めるには「『自分で努力をして結果を出せた!』という経験を積む」のがベストですから、最初は遠くの大きな目標に挑むのではなく、まずは課題をとことんスモール・ステップ化し、やるべき対象を絞った形で認識。力を集中させ、一つ一つ小さな成功体験を積んでいくことがコツです。「とても無理」と思うことではなく、「ひょっとしてこれならできる?」と思えるところから取り組むのです。また、メンタル面では、偉人と呼ばれる人達、成功者と呼ばれる人達も、というかそういう人たちこそ、多くの失敗を重ねたり苦労したりしていたことを知らせると良いと思います。

2015年7月、ラジオ番組「セイタロウ&ケイザブロー おとこラジオ」に出演(パーソナリティーの大野勢太郎氏、ケイザブロー氏と)

2015年7月、ラジオ番組「セイタロウ&ケイザブロー おとこラジオ」に出演(パーソナリティーの大野勢太郎氏、ケイザブロー氏と)

◼︎ 「ギフティッド」大川翔君の母として知られ、弁護士として活動しながら、予備校・大学・法科大学院で教鞭と執られて“リアルドラゴン桜”とも称される大川さんですが、ご自身の幼少期や学生時代はどんな方だったのですか?

人にはさまざまな面がありますし、自分を客観視するのは難しいですね。ただ、おそらく、忍耐心の強い子どもだったと思います。行動面を振り返ると、かなり活発だったと言えるかもしれません。例えば、子ども時代は、休み時間や放課後など、男の子たちとよく野球をやって遊んでいました。また児童会の会長選挙に立候補し当選、共学校で開校100年来初の女性会長を務めたり、クラブ活動も積極的にやっていたので、翔と重なる部分がありますね。私も全校生徒の前で演説をしたり、ピアノを弾いたりしていました。その他、合唱の指揮をしたり、新聞部の部長をしたり、放送部のアナウンサーをやったり。実は内気な性格で、などと言ったら、どの口が言うと言われそうですね。ただ、立候補・会長・部長などといったことは、流れというか、そのあたり、翔も同じなんじゃないかと思います。出たがりというより、気がついたらそうなっていた。麻雀で言うと「来る牌に逆らわず」流れに乗る、ですね。それと私は中学時代剣道部でしたが、息子はずっと空手をやってきました。武道にご縁があるのも同じかもしれません。学生時代はというと、家庭教師や塾講師のアルバイトで食いつなぐような貧乏学生でした。勉強と生活費を稼ぐので手一杯。下宿にテレビもラジオもなく、NHKの集金人が驚愕してたのを覚えています。でも、辛いと思ったことはありません。当時はインターネットもなく、図書館で新聞を数紙読めばそれで足りました。その頃の経験が、勉強を教えたり、指導したりするのに役立っている気がしますね。

◼︎ 現在の翔君について教えてください。また今も一緒にされていることなどありますか?

現在翔はブリティッシュ・コロンビア大学サイエンス学部2年生で、今年の9月から大学3年に進級予定です。一緒にしていることは、日本のドラマや映画などを見ることですね。流行り言葉も含む現代的な生きた日本語表現を学ぶだけでなく、日本の文化を学ぶという意味もあります。翔は「リーガル・ハイ」や「半沢直樹」が好きだったこともあり、大河ドラマ「真田丸」も見ています。ただ見るだけではなく、翔の理解が深まるよう、時に解説を加えたり、調べたりしながら見ています。日本には良い作品が多いので、とても楽しいですね。

(左)ブリティッシュ・コロンビア大学 海が見えるローズガーデン(右)ブリティッシュ・コロンビア大学 The Irving K. Barber Learning Centre

(左)ブリティッシュ・コロンビア大学 海が見えるローズガーデン
(右)ブリティッシュ・コロンビア大学 The Irving K. Barber Learning Centre

◼︎ では次に、翔君にお尋ねします。今回の「9歳までに地頭を鍛える!37の秘訣」に関して、翔君はどのように関わったのでしょうか?

「ザ・ギフティッド」では母に解説を書いてもらったので、今回は僕が協力しようと思って、エッセイを書きました。ことわざ戦いの話、たき火の話、プロムの実際、良い道具を選ぶ話、お手伝いの話、ブログで書いたことをリライトしたものもあります。特に「たき火」の話は、教育評論家の松永暢史先生に評価いただいて、本当に嬉しかったです。

◼︎ 翔君は飛び級して大学で学んでいるわけですが、飛び級について、翔君自身はどう考えていますか?

いろいろな意見があると思いますが、理系の研究分野に関しては飛び級を積極的に受け入れても良いのではないかと思っています。極端な話かもしれないけれど、中学3年くらいで東大に合格できる力のある生徒もいると聞いたことがあります。もちろんそういった人が残りの中学・高校生活で得る経験というのもとても大切だと思います。それに人生経験が特に大事な職業もあると思います。例えば、学校の先生とか、カウンセラーの先生とか。そういう職業は、体験やそれにもとづく成熟度も深く求められると思うので、飛び級して早く大学で学ぶより、むしろ、少しまわり道した人の方が向いてるかもしれない。
でも、理系の研究に興味がある場合、もし学力が十分に伴っているのであれば、早く大学で学ぶ機会があってもいいんじゃないかなって思うんです。先人たちの教えは膨大で、スタートラインに立つだけでも時間がかかります。その上、研究の成果が出るのは何十年かかるかわからない。なんか寿命との戦いみたいになるのかもしれない。だから、飛び級もありだよなって僕は思うんですね。いろいろなパターンがあっていいんじゃないかなって思います。

『9歳までに 地頭を鍛える 37の秘訣』 大川栄美子著 (扶桑社)

『9歳までに 地頭を鍛える 37の秘訣』 大川栄美子著 (扶桑社)

◼︎ 最後に読者のみなさんに、翔君から一言お願いします。

僕を応援してくれている人たちに心から感謝しています。これからも、勝手ながら、日本代表のつもりで頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。