カナダで働く日本人たち
■ 現在の仕事内容を教えてください。
総務・人事部門で給与計算と福利厚生、また採用活動全般、求人広告や面接などの人事制度の運営を担当しています。現在、スーパーバイザーという立場もあり、人事制度の構築、考案も手がけています。
■ カナダに来たきっかけ
もともと英語に興味があり、外国語大学を卒業後は英語を使える仕事をしたいと思っていました。幸い日本国内で海外購買部のある会社に勤めることが出来たのですが、残念ながら勤めて3年後、会社の方向性が変わりその部署が無くなってしまいまして…自分のやりたい事とズレが出て来てしまい、その頃から海外に行ってみようと考え始めました。外国人の知り合いやカナダ人の友人も数名おり、トロントはとても住みやすいと聞いていたので、まず旅行も兼ねて下見をし、私自身とても気に入ったので移住を決めました。
■ カナダ国内での就職活動はどのようにされたのでしょうか?
カナダに渡る前から計画的に物事を進めようと決めていたので、まずは日本国内から、カナダにある転職エージェントにコンタクトを取って自分の経歴が通用するかどうかを問い合わせました。数社問い合わせた中でもパソナは1番レスポンスが良く、日本国内にいる間からスカイプを使っての面談、そしてトロントに来てからもすぐに事務所にお伺いしてお話をさせていただきました。7ヶ月間、CNタワーにあるレストランでアルバイトをしながら転職活動をしている間に、現職である日通の仕事を紹介していただき、入社が決まりました。
■ 実際に就職されてみて苦労された事はありましたか?
ありますね。大きく分けると2つありました。1つは言語、英語の壁です。元々語学力には自信があったのですが、実際に働いてみてその自信が全部崩れ落ちました。日本で働いている時も英語は使っていたのですが、そのときは相手もこちらが日本人と理解した上でゆっくり話してくれたり、簡単な単語で説明したりと分かりやすく話してくれていたのですが、こちらでは話せて、仕事内容も分かって当たり前の世界のため、電話口などで対応出来ずにいると、「あなたは何も分かっていないから他の人に代わって欲しい」と言われた事もありました。
もう1つは総務人事に関する知識です。カナダは給与計算や福利厚生野分野において専門的な知識を要求されますが、私は真っ白な状態で働き始めたので本当に右も左も分かりませんでした。自分でもこれはまずいな、と思いペイロール・コンプライアンス・プラクティショナーの資格の勉強を始め、1年かけて資格を取得しました。勉強しながらOJTで活かせたので、理解度の進み具合はとても早かったと思います。
色々な壁にぶつかりながら、日本に帰りたいなと思ったこともありましたが、仕事内容も分かり、人にも説明出来るようになると楽しくなり自信もついていきました。ここに至るまでは1、2年はかかりましたね。
■ パソナのサポートで良かったことは?
親切、丁寧なのはもちろんの事、的確なアドバイスをいただける力強いサポートでした。仕事を紹介していただいた際、私はトロントに住んでいて、ミシサガまで通うことを少し迷っていた部分もあったのですが、当時まだ25歳という年齢と、将来のことを考えて経験しておいた方が良い仕事内容だと、強く推してもらい、受ける事になりました。あの時のアドバイスはまさにその通りで、実際に入社してみて自分にとってとてもプラスでしたし、満足しています。
■ プライベートはどのように過ごされていますか?
平日は勉強や体調管理のため、自分に厳しく過ごしている反面、休日は何も予定を立てずその時に自分がしたいことを気が向くままにするようにしています。飼い犬と散歩がてら街を散策し、新しいお店を見つけて入ってみたり、公園に行ったりと本当にゆっくりと過ごしていますね。
■ カナダで就職するという夢を叶えられた井手さんから同じ目標を持つ方にアドバイスをお願いします
日本である程度、働いた経験を持ってからこちらに来るのはとても良いと思います。カナダの人材マーケットは人事やエンジニアなどスペシャリストのポジションが多く、経験も重要視されるので日本国内で経験を積んだあと、海外に渡ると道も開けやすいと思います。
カナダ日本通運 社長 佐竹 陽一氏からの一言
井手さんは、今回当社勤務が2回目となりますが、当初は現在長期病欠の上司(次長)のアシスタントとして業務を行っておりました。上記の理由により、急遽様々な日常業務、特に日本の本社との交信や日本側からの調査依頼に対しての回答を自ら行ってもらうようになりましたが、てきぱきとこなしていく姿勢と能力は非常に評価しています。
ご存知のように、私共カナダ日本通運は日系企業ですが、社内規定や暗黙の決まり事に日本独特のルールが存在します。井手さんは、それらを理解し且つカナダ側のルールに沿った内容で適宜対処する等、当方の期待する業務を的確に行っています。
また、新たに採用したHR課長のアシストとして東西に広がる組織のHR関連業務にも能力を発揮してくれています。
今後も、従業員の発信する情報や意見を的確に把握し続けていくと同時に、総務関連の高度な知識や技術を習得すること。また、積極的に様々な業界情報を取得し、組織の発展に寄与してくれることを期待しています。