カナダで働く日本人たち 〜採用企業版〜

PASONA CANADA x TORJA 集中特別企画!

第7回目 山崎晴久さん

Vice President, NTN Bearing Mfg Canada

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これまでカナダでキャリアを積む人々に焦点を当ててきた連載「カナダで働く日本人たち」。今回は少し視点を変え、人材を採用する企業側に光を当て、トロントに拠点を置く日系企業がどのような人材を求めているのかお話を伺った。

カナダでのキャリアを考える日本人の皆さんの、今後の就職活動に役立つ情報をお届けしていく。

今回は、自動車や産業機械向けのベアリングを製造・販売するNTN Bearing Mfg Canadaの山崎晴久さんに、採用活動や求める人材像についてお話いただいた。

■ 事業内容を教えてください

大阪に本社のある軸受、ドライブシャフト・精密機器商品等の製造及び販売する会社です。

ベアリング(軸受)とは、回転する部品または製品には不可欠な部品の一つです。当社は、グローバルに展開しており、NTN Bearing Corporation of Canada は、販売部門と製造部門が一体となった会社です。販売部門は、工作機械、建設機械等の産業機械向けのベアリングを扱っていますが、製造部門で製造している約95%のベアリングが自動車向けのものです。製造部門のNTN Bearing Mfg Canadaは、1973年に設立され、ミシサガでは歴史の古い会社のひとつです。

北米にある会社として、非常に離職率が低く、平均勤続年数も13年と比較的長いです。製造オペレーションに関する教育や福利厚生がしっかりしていること、また現場で働く従業員は、労働組合に加入していて、雇用が守られている事が主な理由と思われます。設備はすべて自社製で、新しい設備が導入されるとトレーニングを担当する日本人が派遣されてきますが、今では基本的なオペレーション教育担当は現地採用のスタッフです。

■ NTN Bearing Mfg Canadaが求める人材とは

国籍に関わらず、優秀な人はいつでも採用したいです。ただし、やはり日系の会社なので、日本語と英語が流暢でかつエンジニアとしても優れた方に出会えるとなお良いです。オペレーションや設備に関して日本に問い合わせが必要な場面も多いので、そういう時に詳細にやりとりできるスタッフがいると助かります。

最終的な目標はやはり現地化ですが、日本のモノづくりのプロセスや自社製(日本製)の設備を扱う以上、日本でのエンジニアリングのレベルが基準となります。そうなると現地採用した社員に最初からそのレベルを求めるのはとても難しいため、採用後、教育をしっかりと実施しています。

そういった点から、バイリンガルのエンジニアで、かつ日本のもの造りの知識、経験があって目標に向かって挑戦する精神を持った人材が理想ですね。

■ 日本在住のエンジニアをカナダで採用

日本で約10年の経験を持つ日英バイリンガルのエンジニアをパソナ様に紹介していただきました。勤務していたのはアメリカの会社でしたが、日本の拠点ということで日本のモノづくりの仕組みを知っていたこと、かつアメリカと日本の間に立って言語面でもサポートしていたことがわかり、当社でも活用してもらえると判断してオンラインインタビューを通して採用の運びとなりました。

偶然その方の日本在住地とNTNの事業所が近かったため、工場見学や作業見学、設備制作研究所見学など、来加前に一週間の研修を実施できました。

■ パソナのサポートで良いところとは

数ある人材会社のなかでも、優秀な人材を紹介してくださるところです。今回の件は偶然も重なりましたが、こちらの求める人材像と、もともとカナダに移住する予定だったという本人の条件がぴったりマッチしました。私たちが探していた人材を的確に見つけてくださったと思います。

■ 採用後の人材の見極め

組織という限られた枠の中で「日々どのように目標に向かってチャレンジして成果を出していくのか?」、また「どんな提案、改善に取り組んでいるのか?」というポイントを見ています。仕事には様々な制限が付きものですが、その制限を言い訳にして改善を諦めるようでは評価は出来ません。それを踏まえた上で、PDCAサイクル(Plan、Do、Check、Action)をまわして改革を推進し、目標達成していく事で、その人のパフォーマンスを見極めます。如何に自発的に日々挑戦、継続していく事が重要と考えています。

■ 今後社会にはどのような人材が求められるか

人と人とのコミュニケーション、繋がりを大切にする人。我々は、もの造りの会社で多くの設備を使って製品を造っていますが、ベースとしては人が設備を動かし、品質も含め管理しています。役職を持ったとしてもそれを笠に着ているようでは信頼関係を築けません。

私がカナダに赴任してきたエピソードとして、あるベテランのエンジニアがいました。彼とは何度も衝突を繰り返しましたが、立場に関係なくお互いに腹を割って議論したことが結果として今の信頼関係を生み、仕事もスムーズに進むようになりました。その他には、数週間の出張後カナダに戻って製造現場の様子を見に行くと、スタッフが「しばらく顔が見えなかったけどどうかしたのか?」と、逆に声をかけられたのです。これはカナダでの私の宝物です。

やはり人と人の繋がりが全体のパフォーマンスに影響し、会社の成長に繋がると確信しています。カナダでの残りの赴任期間では、そのような面も現地スタッフに伝えていきたいです。