マッサージセラピスト・青嶋正さんに訊く #01

ソチオリンピック・フィギュアスケート金メダリストの羽生結弦選手をはじめとする 数々のスポーツ選手たちの施術も手掛けるマッサージセラピスト・青嶋正さんに訊く
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金メダルを持ち帰った羽生結弦選手と。


ダウンタウン、スパダイナ駅近くで指圧鍼灸のクリニックを経営、ご本人もカナダのRMT(Registered Massage Therapist)の資格を持ち、カナダでの施術経験も20年以上になるマッサージ・セラピストの青嶋正さん。クリニックでは指圧、針以外にも様々なタイプのマッサージが提供されており、青嶋さんはその20年以上の経験を通して、マッサージのタイプや自分のスタイルに固執せず、相手一人一人の痛みや問題に合わせて施術をするスタイルを確立してきた。

昔からトロントは日本人フィギュアスケート選手たちの練習拠点とされていて、青嶋さんが初めて診たのは天野真選手だった。ほかにも荒井万里絵選手や村主章枝選手、恩田美栄選手や小塚崇彦選手、織田信成選手といった選手たち、そして今年のソチオリンピックで日本人初の男子フィギュアスケート金メダリストとなった羽生結弦選手の施術も行ってきた。羽生選手においては二年前に練習拠点をトロントに移して以来、ずっと青嶋さんの元へと通い続けて、金メダリストを支える専属のマッサージ師として、毎日身体のメンテナンスを担当するほか、時にはカナダ国内や日本への試合にも同行する。日本スケート連盟のマッサージ師として登録されている青嶋さんは、日本オリンピック連盟にも正式にマッサージ師として登録されていると同時に、ここトロントでもナショナルバレエ団のバレリーナ達を顧客にもつ。今回は羽生選手が金メダルを獲得したことを機に、青嶋さんにスポーツ選手と一般の人の施術に関して共有項や大切な要素を伺った。

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18年来施術にくる村主章枝選手

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日本テレビ、アナザースカイの撮影にて織田信成さんと。

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小塚 崇彦 選手

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宮原知子さん

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元世界ジュニアチャンピオン太田 由希奈さん

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施術室には羽生結弦選手や織田信成選手のサイン、日本オリンピック連盟から委嘱状などが飾られている

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自然光の入る、白と緑を基調にすっきりとした印象の施術室

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自宅にてインタビューに応えるマッサージセラピストの青嶋正さん


お互いがお互いを理解し、信頼し始めたときにようやくスタート地点に立つことができる

“一方通行ではなく、相互通行にならないと結果にならない”、これは青嶋さんが長年の経験を通して実感したことだ。トロントに練習に来る選手というのは、日本で既に結果が出ている選手たちが主だが、多くのアスリートが自分の体をきちんと手入れできていないことも多く、その選手たちと歯車を合わせていくことはとても根気がいることだそうだ。ストレッチひとつ取ってみても、筋肉や筋の構造を理解した上で、正しい方法でストレッチを行うことが大切だという。その助言をひとつひとつしていくことはスポーツ選手にも一般の人に対しても施術においては共有できることだと青嶋さんは言う。

マッサージセラピストとしての枠を超えてのサポートも

特にスポーツ選手の場合には、ただ施術するのではなく、長期間一緒にいるなかで大会に向けての精神的なサポートであったり、最近では選手のカナダでの父親的な存在として生活面からも選手の体調サポートをしている。栄養管理や睡眠は、重要な要素であり、その栄養や睡眠、ストレスでさえもコントロールし、常に体の流れを良くすることを青嶋さんは理想としている。そしてその理想を現実にするために大事なのはチーム力。ストレスや精神状態を整えるときには、心理療法士や、または違う分野のアスリートとの会話が効力を発揮するのだという。同じ分野のアスリート同士では、ストレスを分かち合うことは出来るかもしれないが、その解決法を導きだして前へと進むことは難しい。羽生選手の場合にはスキー選手との対談によって、新たな発見が生まれたそうで、羽生選手にとって今もなおその対談は練習の原点となっているのだそうだ。

私の体も、選手の体も、みなさんの体も、人間の体は同じですから

一般の人への治療でも青嶋さんのアスリート対応の経験が凝縮されている。週末のゴルフで肩を痛めてしまった人の痛みをとることを例としてみよう。この場合、何も伝えずにあと2,3回通ってくださいね、と済ませることもできるが、青嶋さんはただ痛みを治すのではなく、どうしてそうなったのか、どうやったらもう痛めなくて済むのか、相手の話から実際何が体を痛めたのかを推測し根本からの治療を行っていく。それも一人一人、被施術者に合わせた治療を行っていく。

女性の人でも冷え性や更年期障害などで身体の不調を訴える人はたくさんいる。マッサージで一時的に良くすることはできるが、根底からよくしようすればこそ、青嶋さんは栄養と睡眠のバランスなどマッサージだけでなく、健康全般に関する重要性を伝えながら原因を探っていく。ストレスなどに関しても、体を無意識のうちに緊張させて症状がでるということは選手にも一般の人にも同じように多々あるのだという。

カナダ公認のマッサージ・セラピストの青嶋さんは今までの20年来の経験と金メダリストを始めとするトップ・アスリートとの施術の経験を一般の人にも役立てていきたいと語る。マッサージ・セラピーは多くの保険適用となる施術なので、頻繁に身体のメンテナンスを行っている人は一度試してみたらいかがだろうか。他にも身体に不調を感じていたり、ストレスを感じるなど健康上の悩みなど気軽に相談してみよう。


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カナダ公認マッサージ・セラピスト青嶋さんのコラムが今月よりスタート。ソチオリンピック金メダリスト羽生選手のチームの一員として、また多くのトップ・アスリート達との経験を通して、身体と健康についてのアドバイスを執筆いただきます。