秋の夜長に楽しむ星空鑑賞のあれこれ

オンタリオ・サイエンスセンターのRachel Ward-Maxwell博士に聞く

コテージ泊でも寝る前には外に出て星空観察をしてみよう

コテージ泊でも寝る前には外に出て星空観察をしてみよう


秋といえば、涼しい気候に夜空が澄んで、冬にかけて1年で最も綺麗に星が見える季節。せっかくの星空シーズン、ちょっと郊外まで足を伸ばして美しくロマンチックな星の世界を見てみるのはどうだろう。オンタリオ・サイエンスセンターの天文学、宇宙科学研究者であるRachel Ward-Maxwell博士に星空観賞のコツやおすすめスポット、この秋冬に見るべき星座などについてお話を伺った。

★星空を観察をする時に道具は必要なのでしょうか?

望遠鏡を使えば、裸眼では見られない小さな星や月の細かい部分、惑星などを広範囲まで見ることができます。なかでも、反射式望遠鏡がオススメです。この望遠鏡はより光を集めやすいようにレンズや鏡が組み込まれているので、星空観察に向いているのです。

月や惑星のような特定のもの以外、広範囲に広がっている星座を観察する場合には視野を大きく保つことが大切なので、望遠鏡よりは双眼鏡の方が向いていると思います。このように道具を使えばより多くの星を見られるのは事実ですが、裸眼でも見ることのできる星座や惑星もあるのでぜひ夜空を見上げてみてください。

また、星の色でその星の年齢を知ることができるのですが、色の違いは裸眼でも確認することが可能です。青色や白色の星は高温度で激しく燃えているまだ若い星、赤色やオレンジ色の星は低温で古い星ということを意識して観察してみてください。

★トロントや郊外で星を観察するのにオススメの場所はありますか?

できる限り暗い場所が最適で、そういったダークスポットを探すのに便利なLight Pollution Map (darksitefinder.com/map/)というサイトがあるので是非使ってみてください。また、やはり都市から数時間離れたところには良いスポットがたくさんあります。そういった場所には星を観察するコミュニティがたくさんあり、そのために灯りを全て消しているキャンプサイトなどもあります。

または各地域で星空観察をしている団体が不定期でイベントを開催しているので、それに参加するのも良いかもしれません。他には、トロントより東や北東の方には良いスポットが多いですね。特に湖などの周りは穏やかで落ち着いているのでオススメです。

2 キャンプグラウンドで見られる星空は息を飲む美しさ / 3 数時間トロントから離れるだけで壮大な天の川が見られる / 4 冬の代表的な星座:オリオン座  / 5 本格的な星の写真を撮りたい人はキャンプ中にカメラのシャッターを開けっぱなしにすることで星の動きが写せる

2 キャンプグラウンドで見られる星空は息を飲む美しさ / 3 数時間トロントから離れるだけで壮大な天の川が見られる / 4 冬の代表的な星座:オリオン座 / 5 本格的な星の写真を撮りたい人はキャンプ中にカメラのシャッターを開けっぱなしにすることで星の動きが写せる

★星空観察に便利なアプリやウェブサイトはありますか?

私は“Star Walk”というアプリを使っています。有料ですが、ダウンロードすることで夜空マップや星空のナビゲーションなど多くの便利なコンテンツ使用できます。他には“Planets”というアプリも星や惑星など宇宙について知るのに役立ちます。星を見ていて、あれは何という星座だろう?と思った時には“Star Chart”というアプリを使ってみてください。あなたが今何を見ているのかが分かるので、とても面白いですよ。

他に私が使っているウェブサイトはClear Sky Chart(cleardarksky.com/csk/)です。このサイトを使えば、あなたが住んでいる地域の天気予報や現在の空の様子などが詳しくわかるので、出掛ける前に夜の天気を調べて参考にしてください。また、星のチャートや、観察・写真の撮り方などが載っているSkyNews MagazineやSky&Telescope Magazineも読んでみると良いと思います。

★秋と冬に見られる星座や特別な現象を教えてください。

秋には、秋の四辺形と呼ばれるペガサス座が見られます。そして冬には、オリオン座を含むたくさんの星座が見られます。例えば、3つの星が並んでベルトのように見えるハンターや、オリオン座のすぐ東上には、おおいぬ座の一つであり、恒星の中で最も明るい星とされるシリウスを見ることができます。また、Wの文字のように見えるカシオペア座も見られます。これは、星座について学ぶときに1番最初に知る星座なので、とても見つけやすいですよ。星座以外では、1000個ほどの星が集まったプレアデス星団(すばる)や、11月18日頃に獅子座流星群、12月14日頃に双子座流星群などを見ることができます。

他にも、満月には毎月違う名前が付けられているのですが、9月下旬から10月初旬にはその中でも最もよく知られている、ハーベストムーンと呼ばれるオレンジ色の月を見ることができます。それから、星ではないですがSpaceWhether.com(spaceweather.com)のサイトをチェックして国際宇宙ステーションの通過を観察するのも面白いと思います。

★未来のサイエンティストであるTORJAの読者にメッセージをお願いします。

探求し続けること、好奇心を持ち続けること、質問をすることが大事だと思います。私は幼い頃から学ぶことが大好きでしたし、今も変わらず大好きです。好奇心旺盛で、「知りたい」という意欲が私をこの道に導いてくれました。科学や数学、テクノロジーはたくさんのドアを開くカギになり、私たちの未来に大きく関わっていくものです。

ただ漠然と科学や数学に興味があっても、それが辿り着く先が分からないから手を出せないという方もいるかもしれませんが、それぞれにさらに多くの分野があり、その好奇心はきっと何かに繋がっていきます。何か新しいアイディアに繋がる「創造力」を常に持っていてほしいと思います。

壮大な写真が天文学ゾーンへの入り口

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実際に体験できる展示も多い

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3種類のショーが用意されたプラネタリウム

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銀河系に関する展示

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様々な惑星や星、月など天文学をわかりやすく楽しく学べる

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seiza09

Dr. Rachel Ward-Maxwell

2015年にMcMaster Universityで天体物理学の博士号を取得。Ontario Science Centreで天文学、宇宙科学の研究者またプログラマーとして、プラネタリウムショーを含むさまざまな天文学プログラムの作成に携わっている。10年以上に渡り、科学者として子供たちや若者に向けた宇宙科学プログラムの作成や講習なども行っている。

オンタリオ・サイエンスセンター

トロント唯一のパブリック向けのプラネタリウムを有した科学センター。プラネタリウムではその日の星空観賞を体験できるThe Sky Tonight、ブラックホールの成り立ちや太陽風など天文学を目で見て学べるThe Extreme Universe、歌や遊びで楽しく星空観賞体験を行う未就学児向けのEyes On The Skiesの3つのプログラムが用意されている。それぞれ1日を通して複数回公開されているが、人気があるショーはすぐ満員になってしまうので早めに並んでおくのが◎。

770 Don Mills Rd / 416-696-1000 / ontariosciencecentre.ca