不動産のプロフェッショナルに聞く ~ Toko Liuさん インタビュー

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トロントの不動産価格上昇の要因は外国人投資家の影響は軽微で、人口増によるもの。経済も比較的順調で移民受け入れも積極的なことからマーケットの活性は今後も続くのでは!?価格が高騰化している状況では、理想と現実のギャップを見据え、ライフステージに合わせて住宅やエリアを臨機応変に変えていくカナダスタイルを見習おう。

■トロントの不動産市場上昇の大きな理由の一つに、需要に対して供給量が足りていないという現状が見受けられますが、要因を教えてください。

いくつか理由はありますが、まず一般の方からするとトロントには沢山土地が余っているように見えるかもしれませんが、実際には自然保護区など法律で規制されているなど、開発業者が手をつけられない土地が多いことが理由の一つです。それと同時に、開発可能な土地があったとしても開発申請には多くの時間とお金がかかります。そうして供給量が追いつかない現実の裏で、人口増加に伴い家を買いたい人もどんどん増えているため、需要と供給のバランスが崩れ市場価格上昇に繋がっています。

■現状を緩和させるため、最近ではバンクーバーのように外国人投資家による物件購入を規制する動きがトロントにもありますが、どのように思われますか?

バンクーバーの場合は中国系を中心とした外国籍バイヤーが非常に多かったのは事実です。しかし、トロントの場合は、外国籍バイヤーの割合がバンクーバーほど多くないのではという見方が強いです。調査会社イプソスの調べによれば、トロントの外国籍バイヤーのマーケットは主にコンドミニアムであり、彼らが買い占めている割合は戸建てなど含めて全体的に見てもたった5%ほどなのです。つまり、外国籍バイヤーが物件購入時に支払う税率を上げるなどの規制を作ったとしても、あまり効果は得られないのではと言われています。そしてそれに伴い不動産市場の勢いを抑えてしまえば、銀行や他の市場にも大きな影響を与えることになるため、それは避けなければならないという声もあります。

■金利引上げになると返済出来ない人が出てくるため、結果として不動産の価格自体が下がるのではという予測もありますが、いかがでしょうか?

先ほども述べたように、不動産の市場が変動すれば他の市場にも大きな影響がでます。仮に不動産の市場価格が3~4割落ちれば、貸付に関わる銀行などの資産も3~4割減少してしまうことになります。その際、国家の経済において重要な役割を果たす銀行を政府は税金を使ってでも救済することになるでしょうが、結果的にその税金の使い道によって市民の生活にも影響がでるのは目に見えています。なので、そのような形で不動産の価格が下がったとしても私たちにとって意味があるのか?という点が疑問です。

■カナダでは多くの方が不動産などに投資をしてローンを抱え、現金をほとんど持っていない…という構図が浮かび上がり、日本人の感覚からすると少々違和感を感じてしまうのですが…

日本人は過去にバブル崩壊などの影響により現金主義の考え方が色濃く残っていますが、やはりカナダでは現金を持っていてもあまり意味がないと考える人が多く、毎月家賃を払って家を借りるくらいなら家を購入してそれを将来の資産にしようという「投資」への意識が強いです。家は自分がそこに住めるだけでなく、人に貸したり将来売却してまたお金を得ることもできたりと、いわば投資の中では優等生なのです。また日本人は一度家を持てば生涯をそこで過ごすという考えが一般的ですが、カナダでは自分のライフステージに合わせてどんどん家を移っていくのが一般的です。国が違えば家やお金への価値観も大きく異なりますが、個人的にはカナダ的価値観はかなり理にかなっていると思いますよ。

■バブル状態が続く中で、ごく一般家庭の方が家を買うとなるとどのような買い方がオススメかアドバイスをお願いします。

やはりまず一つは都市部ではなく離れた場所に住むということ。トロントは住むには高いのが現状なのでやはりトロント近郊の比較的安価な場所へ引っ越すという選択もあるかと思います。どうしてもトロント市内を希望されるのでしたら、古くて安めの物件を狙うのも一つです。例えば古めのコンドミニアムだとメンテナンス費が高いとも言われていますが、昔のコンドミニアムは間取りが大きめで、電気・ガス・水道など全て込みの物件もあったりします。全てが理想通りのマイホームを持つというのはトロントでは難しい現状です。理想と現実のギャップを埋めるお手伝いをさせていただくのが私の役目でもありますが、現状をよく理解された上で家の購入に臨んでいただければよりスムーズかと思います。

■今現在家の購入を検討している方々にアドバイスをお願いします。

マーケット情報を集め、焦らず的確なタイミングで動きましょう。
日本円をお持ちの方であれば、例えば今は円高が続いていますから、資産運用を上手に利用すれば自分の資産を増やすこともできるかもしれません。またカナダでの自分の収入を高め貯蓄を増やすのは勿論の事、一番いいのは賃貸ではなくどんなに小さくてもいいので早めに家を購入することです。そこから全てが始まります。賃貸は大家さんが儲けを生み出すものなので、そのサイクルからいかに脱却して月々の支払いでさえも自分の恩恵に変えていく、というところが重要になってきます。厳しい現実ではありますが、その中で出来ることから一つずつ始めていきましょう。

■Tokoさんについて少しお話をお聞かせください。トロントで不動産業を始められたきっかけはなんだったのでしょうか?

2007年にソフトウェア会社の営業職に就く理由でカナダに移住してきたのですが、他人の元で働くよりも自分で何かを始めたいという思いがあったため、その後1年半ほどで退職、日本にいた頃に不動産管理会社で働いた経験もありましたので、不動産のライセンス取得後に自ら事業を始めました。「成功するかしないかは自分次第。3年頑張ってみてダメだったらやめよう。」と心に決めてスタートしたものの、やはり2年くらいは厳しい時期が続きました。その頃も不動産市場は上がり続けていましたし、顧客獲得のための1からの営業活動は大変でした。3年目にしてようやく軌道に乗り始め、現在に至ります。

■Tokoさんがお仕事をされる上でのモットーは何でしょうか?

これは仕事だけに限らないのですが、互いにウィンウィンの関係を築くことです。そうでなければ人間関係も長続きしませんし、いい結果は生まれません。まずお客様にどのようにして喜んでいただくかという点を第一に考え、インスペクション料金のキャッシュバックキャンペーンをしたり、時間が合えば引越しのお手伝いや物件の清掃サービスを行うなどきめ細かいサービスを心がけています。

BOSLEY Real Estate Ltd所属
tokoliu@bosleyrealestate.com
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