フィンテック金融会社MTFX社 佐藤智子氏インタビュー

米利上げを聞く
フィンテック金融会社MTFX社 佐藤智子氏インタビュー

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為替スペシャリスト 佐藤智子氏

12月16日、米連邦準備制度理事会FRBがおよそ10年ぶりに米国金利引き上げを決定。非常に大きな話題となった今回の金利引き上げの背景には、アメリカの景気が着実に回復していることが挙げられるが、米利上げが与える為替相場やカナダドルへの影響や個人・法人におけるお金との向き合い方などについて、為替スペシャリストである佐藤智子氏にお話を伺った。


1. 今回の米国金利引き上げの為替相場のインパクトは?

これまで何度も先延ばしになってきた米利上げが、12月16日遂に実行されました。ゼロ金利政策解除は約10年ぶりです。マーケットは株高、ドル高で反応。見通しも、来年末までに利上げ4回、トータル1%の利上げ、と変わりませんでした。強すぎる米ドルの悪影響も各種米経済指標に散見され始め、米国以外の世界経済が下向く中、引き続き金利を上げていけるかには疑問が残りますが、アメリカ経済が利上げをできるところまで回復できたことを素直に歓迎し、また、利上げが無事実行されたことへの安堵感が強かったというところでしょうか。

2. 今回の米利上げは、カナダドルにどのような影響を与えますか?

米国経済回復に伴った米ドル高の影響だけでなく、カナダドルは、資源国通貨と呼ばれるように資源価格動向に大きく影響を受けます。カナダドルと原油価格の相関性は現在80%ほどもあり、今年のカナダドルの下落は原油価格下落に大きく起因しています。現在、私が勤めるMTFXには、日本や中国など新興国から原材料、食料、部品などを購入する輸入企業のお客様も多く、最近は米ドルを介さずカナダドルから直接日本円、人民元に両替する企業が増えています。地場通貨でダイレクトに取引をすることで為替にかかるコストを節約し米ドル高のリスクもマネージできます。米国とカナダの現在のファンダメンタルの差を考えるとカナダドル安はさらに進むこととなりますが、カナダの輸出産業にとっては好機となり盛り上がってくると思われます。

3. 個人や法人は今後お金とどう向き合っていくべきでしょうか?

個人にも法人にも言えることですが、テクノロジーを活用し効率と生産性を高めること、不透明、不確実要因を最小化し、できるだけ現実・事実に基づいて動きをとること、有効な情報やサービスを選別し利用し丁寧にリスクを管理していくことです。

低成長の世の中に突入する中で、個人は収入増を見込んで生きるのではなく、まずは無駄な出費、時間、エネルギーが使われていないか現状を丁寧に見直す努力をすることで豊かさを増やし、法人は利鞘が薄くなる中、不確定要因を最小限にする努力、不効率な業務体制を見直し、リスクのマネージを丁寧にしていくことでコスト削減、生産性や効率を高め、コア業務への集中を図ることが重要になってくると考えます。

これから益々テクノロジーが従来人間がしていた業務を代行する世の中になってきます。テクノロジーをうまく利用することの重要性も増してくることでしょう。

4. 読者の皆様へのメッセージ

ファイナンシャルハイテク金融会社いわゆるフィンテック企業であるMTFXのモットーは“Manage Risk without speculating” です。為替の世界からspeculation(投機的な為替取引)を省き、お客様への情報提供とマーケットをお客様のニーズに基づいて丁寧に抑える為替取引のみに特化したサービスを提供していますが、少人数体制で何千という法人、個人のお客様に日々、シャープな為替レートの提供と為替取引後のグローバル送金を同時にスピーディーにこなせるのは、やはり画期的なテクノロジーを活用し、コア業務への集中化ができているからです。やはり現状に基づいた選択と集中が今後の成功のカギとなってくると思います。


佐藤智子(さとう ともこ)

神戸出身。神戸大学卒業後、北京に1年留学。その後1996年に香港に移住。現在のカナダ人の夫と結婚し20年近く香港に滞在。香港では16年以上金融業界でキャリアを積む。(直近8年はみずほ銀行香港の資金室でカスタマーディーラー職に従事)。母国語日本語以外に、英語、広東語、北京語を話す。今年5月末にトロントに夫、娘(11歳)と移住。11月より為替取引とグローバルペイメントを専門とするフィンテック金融会社MTFXに勤務し、日々、輸出・輸入業の法人への為替取引に従事する。

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