第1回目エア・カナダ マーク橋本氏×H.I.S.カナダ 佐々木健一郎氏|日系旅行会社と語り合う日本とカナダをつなぐ旅

 トロントから日本へのアクセスに唯一の直行便を持つ「エア・カナダ」。数年前に羽田国際空港線も運航し、昨年にはモントリオール・成田線、今年は6月2日からバンクーバー・関西国際空港線をレジャー向けブランド「エア・カナダ ルージュ」からビジネスクラスが設定されたボーイング 787-8型機に変更するなど、ますます日本そしてアジアとのアクセスの発展に力を入れている。

 カナダからの訪日観光客の増加も高い成長を遂げていることと同時に、在住日本人の方々の利用も堅調に伸びているという。今シリーズではエアカナダで日本をはじめとするアジア地区のセールスを担当するマーク橋本氏を中心にトロントで長年日本マーケットを見ている各旅行会社の方々に登場いただき、旅行における様々なトピックを語り合ってもらう。

エア・カナダ・セールスマネージャー・アジア担当 マーク橋本氏
H.I.S.カナダ・トロント支店長 佐々木健一郎氏

第1回目は、トロント・バンクーバーを起点に日本とカナダをつなぐ代表的な存在であるH.I.S.カナダからトロント支店の支店長を務める佐々木健一郎氏をお招きし、マーク橋本氏と対談を行ってもらった。お二人は仕事以外でも遊びに行く仲だそうで、率直な意見交換で盛り上がりをみせてくれた。

―日本とカナダをつなぐ航空便。現在の運航について

マークさん: トロントからは羽田空港への直行便が、またモントリオール、カルガリー、バンクーバーの3都市からは成田空港への直行便があります。夏には毎日運航しており、特に昨年6月から就航が始まった成田―モントリオール間の直行便はカナダ東部、アメリカ側のお客様からの反響が大きく、日本行きルートとして定着しています。

佐々木さん: 日本への直行便があるのはエア・カナダさんの大きな魅力ですね。英語に不慣れなお客様には乗り継ぎの不安は大きいですし、待ち時間を含めた移動時間の長さは身体の負担にもなります。

―旅行業界、航空業界それぞれから見た旅行客数の変化は。

佐々木さん: 最近ではカナダから日本に旅行されるお客様が増えています。一生に一度は行きたい場所として日本を挙げられる方も多く、1年~2年先の旅行計画を立てられていることも。添乗員が同行するプランや、すでに旅程が組まれたプランにお申込みされるというよりは、個人で旅行の計画を立てられる傾向が見られますね。日本のどこに行くか、そこで何をするかという具体的な目的をお持ちの方が多いように感じます。インスタ映えするスポットや食事を撮影することを軸に旅行計画を立てられる方もいらっしゃいますよ。これは今時の流行りでしょうか。

マークさん: 佐々木さんのおっしゃるように、カナダから訪日観光に行かれるお客様の数は毎年右肩上がりですね。日本の食文化への関心がとても高いように思います。さらに日本では今後ラグビーワールドカップや東京オリンピック、大阪万博などの国際的なイベントも続きますし、訪日観光客は今以上に増えるのではないでしょうか。

―日本とカナダのフライトを利用される方の傾向や特徴は?

佐々木さん: 弊社の場合は、家族旅行やワーキングホリデーなどでカナダに来られる方など若い年齢層の方が多く、座席のオプションなどのこだわりより価格重視のお客様が多いです。インターネットが普及していますので、個人で航空券を検索して前後の日付やルートを比較した上で最安値のフライトを選ばれる傾向があります。一方で、乗継に伴う手間や時間といった負担を軽減したいという中高年の方やビジネスでカナダに来られる方には、直行便人気が根強いですね。

マークさん: カナダのお客様は身近にある、安心感がある地元の航空会社として弊社を利用してくださる方が多いように感じます。今後は機内にいる間から日本を感じられるような食事や飲物の提供も検討していきたいと考えています。同時に、日本人のお客様の好みに合わせたお食事の提供も検討しています。

―エア・カナダのビジネスクラスであるシグネチャークラスは、今年4月にトリップアドバイザー『トラベラーズチョイスアワード2019』において『北米のベスト ビジネスクラスエアライン』を受賞されていますね。その魅力は何でしょうか。

マークさん: 新しく導入された「ボーイング787ドリームライナー」では、快適な空の旅を実現する様々な工夫を体感していただけます。エグゼクティブポッドになったシートはフルフラットベッドにすることが可能で、ヘッドレストにはマッサージ機能を搭載。アメニティやスキンケアグッズ、エンターテインメント設備も充実しています。

 カナダの一流シェフであるデイヴィッド・ホークスワース氏が監修したワンランク上の機内食、エア・カナダ専属ソムリエのヴェロニク・リベスト氏が選出したワインやリキュールをご堪能いただけます。

 その他、機内の気圧を低く保ち時差の影響を出にくくしたり、電子カーテンによる遮光調整、照明の色に配慮したりとストレス軽減のための取り組みがなされています。

 いずれもお客様に目的地で最大限のビジネスパフォーマンスをしていただきたいという想いが込められています。

―H.I.S.カナダの歴史、旅行会社を利用するメリットとは。

佐々木さん: H.I.S.トロント支店は2006年にオープンしました。カナダに来られた日本人のお客様にお越しいただきやすいようにという想いから、ダウンタウンの中心地にオフィスを設けています。今ではインターネットから個人で旅行の計画を立てる方が多いですが、旅行会社をご利用いただく一番のメリットはオンラインで手配するよりもはるかに広い選択肢を得られることでしょう。たとえば、実際に弊社をご利用いただいたお客様からのアンケートをもとに最適な宿泊先のご提案をしたり、現地支店のスタッフから得たその時々の旬な情報をお伝えしたり、お客様の知りたい旅先の情報をご提供したり。また、何かトラブルがあったときにもすぐに対応できたりします。そうしたサービスはやはり旅行会社だからこそできる強みと言えます。まずは気軽に私たち旅行のプロに聞いてみてほしいです。

―どんなお客様がH.I.S.カナダを利用されていますか。

佐々木さん: 留学やワーキングホリデーなど日本からカナダに来られているお客様が約3割、企業のお客様の出張手配など業務渡航が4割、残りの3割は日本に旅行する外国籍の方の来店が増えています。

―旅行会社と航空会社は切り離せない関係。お互いに助けられている部分は。   

   

マークさん: お客様からの生の声を知ることができるのは、サービス向上のためにとても役立っています。ビジネスパートナーという面では、たとえば50人、100人、1000人といった大人数のグループ予約を取り扱っているのは、やはりH.I.S.さんのグループ力の強さですね。

佐々木さん: 日本からカナダへ行く方、カナダから日本へ行く方の双方のニーズに合わせて直ぐに相談できるマークさんのようなニュートラルな存在は強いですね。訪日観光客も年々増えていますので、パンフレットなどの目に見えるツールで販売促進の取り組みを続けていきたいですね。

―カナダにとって「H.I.S.」の強み、魅力は何でしょう。

マークさん: やはりカナダの方に日本への旅行をすすめるなら日本を知りつくしたプロにお任せしたいですね。H.I.S.トロント支店はクイーン駅から徒歩圏と好立地でアクセスもしやすいですし、プロだからこそ知っている情報をもらえると思います。ユニークな旅を求めている方のニーズにも応えてくれるのが魅力ですね。

佐々木さん: 様々なご要望がありますので、日本のどこで何をできるのかをご紹介したり、エスコートツアーをご提案したり、宿泊先のみ手配したりとお客様のご希望を伺いながら旅行のご提案をしています。日本の観光モデルコースを紹介しているパンフレットも用意しています。カナダのお客様は日本へのご旅行時に他のアジア諸国へ足を運ばれる方が多いですね。

―年々増えている訪日観光客。何か課題はあるでしょうか。

佐々木さん: 日本食ブームやアニメ人気などに後押しされ、日本への関心は世界的にも高まっているでしょう。しかし、まだ日本をよく知らないカナダの方々にその魅力を発信するためには仕掛けが必要。それにはまず受入側である日本国内での準備、協力体制が不可欠です。宿泊先の拡充、道路標識や案内表示の多言語化といった、安心して旅行を楽しんでもらうためにはまだ不十分な点もあります。外国人観光客の中には、スーパーで売っているようなお菓子やコンビニ、B級グルメといった、日本人の私たちからすると当たり前にあるものに魅かれる方が実はたくさんいらっしゃいます。そうしたローカルな情報や大都市以外の日本の魅力をお伝えしていくのも私たちの課題です。

マークさん: 日本文化や食文化に触れたくて訪日されるカナダ人が増えているのは確かですが、実際に日本を訪れた際に戸惑わないようにマナーや習慣などについて事前に知る機会があると心強いですね。

佐々木さん: 日本国内の主要ターミナルにある弊社の支店やツーリストインフォメーションセンターを気軽に利用してもらえたら嬉しいです。訪日観光客向けの情報やサービスの提供を行っています。たとえば、外貨両替、WiFiルーターのレンタル、荷物預かり、公共交通機関のチケット販売、日帰り旅行取扱など、海外からのお客様をおもてなしするためのサービスが充実しています。

―最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

佐々木さん: 旅行会社を上手く利用してほしいですね。個人で調べるよりも多くの情報を把握していますし、71ヶ国305都市にある現地支店からの最新情報をお伝えできる強固なネットワークがあります。オンラインで値段を比較してチケットを購入するだけではわからない利用価値があります。ぜひ気軽にオフィスへお立ち寄りください。一緒に最高の旅を計画しましょう。

マークさん: 旅行の計画を立ててオンラインで手配するのは便利ですが、購入する前に旅行会社ならどんな商品を扱っているだろう、どんな違いがあるのだろうというのも気にすることで、プラスの情報、サービスや割引があるかもしれないです。そして、まだエア・カナダの航空機に搭乗したことがない方にはぜひお試しいただいて、感想を聞かせていただきたいです。きっと良い方向へ変えていけるものがあるはずですし、今後も日本人のお客様の快適な空の旅をサポートしていきたいです。

佐々木 健一郎

 1995年エイチ・アイ・エス入社。本社にて航空券発券、ツアー企画など経験し北海道営業本部設立の為転勤。その後、スイスのチューリッヒへ赴任。帰国後は本社にてヨーロッパ方面責任者を担当。現在、カナダのトロントへ2度目の海外赴任となる。

マーク橋本

 トロント生まれの日系二世。家業はトロントで懐石料亭を営む。大学卒業後は京都の老舗旅館で3年間務める。エアカナダではコールセンターからスタートし、現在は日本旅行会社を中心にアジア・セールスマネージャーを担当する。