カナディアン・ビジネスピープルに迫る。#06

グローバル展開をする日系企業で働く、カナディアン・ビジネスピープルに迫る。#06
日本を代表する企業が、ここカナダでも多岐に渡るビジネスを展開している。現地の社員たちはどのような考えを持って、自社のビジネス・商品・サービスを受け入れ、自分のキャリアに活かしているのだろうか。今回、企業と独立行政法人で働く6人のカナディアン社員に、ビジネス慣習や言語・文化の違い、仕事のスタイルなどについて実際感じていることや体験したことなどを語ってもらった。

独立行政法人で日本の文化発信を促進するカナディアン

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(ジャパンファウンデーション)
Kate Scullinさん

部署 :  Program Officer, Arts and Culture (Film)
職歴 :  Assistant language teacher
趣味・特技 : Watching movies, Playing scrabble, Travelling, Sewing

独立行政法人という職場環境で日本の文化芸術交流、海外における日本語教育、日本研究・知的交流など3つの異なる分野の中で特に文化芸術交流、映画関連業務を通して、日加の交流促進に努めるKateさん。日本文化をよく知っていても、まだ感じる異文化体験について語ってもらった。


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2013年ハロウィンの映画HOUSE上映会 にむけてデコレーション

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オフィスのスタッフパーティー

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図書館妖怪ディスプレイ

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ヒカシューコンサート前の食事

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ハイテクノロジーのアシカロボット〝PARO”


ジャパンファウンデーションにお勤めとのことですが、具体的にはどのような仕事をしているのですか?

私はトロントのジャパンファウンデーションで現地の芸術助成金と映画関連のプログラムマネージャーをしています。具体的にはジャパンファウンデーションで日本映画上映会を行ったり、日本映画を公開している映画祭のスポンサー業務をしています。また日本文化の促進に関連している芸術関連の展覧会や各フェスティバル、コンサートなどを行っている非営利団体の支援・スポンサーも行っています。それら外部での活動の他にジャパンファウンデーションではアートギャラリーがあり、様々な作品の展覧会を開催しています。同時に英語、日本語など多言語の本や雑誌を無料で貸し出している図書館も運営しています。他には日本語の授業、日本関連のワークショップやコンサート、映画上映会など様々なイベントを開催しています。

日本文化をカナダの人に広める活動を通して何か感じることはありますか?

私はジャパンファウンデーションで行っている様々なイベントが多くの人の興味を引いていることが非常に嬉しく思っています。トロントオフィスが企画・開催しているイベントのほとんどが入場料無料で一般公開されています。始めは日本にあまり興味のない方でも映画や芸術関連など様々なイベントや展覧会を開催しているので、より多くの方に頻繁に足を運んでもらえる環境になっていると思います。

日本人の方々とともに働く環境はいかがですか?

ジャパンファウンデーションはトロント以外にも世界21か国にオフィスを構えています。それぞれの国で日本人の方と現地の方がともに一緒に仕事をしているので、それぞれのオフィスで環境や雰囲気は変わってくると思いますが、自身の言語や文化を国際的により多くの人に知ってもらい、交流していくことをミッションとして働いている仲間と一緒に働くことは、私にはとても刺激的です。トロントオフィスはセラピー治療に使われるハイテクノロジーのアシカロボット“PARO”を所有しているのですが、ハイテクな一面があると思えば、逆に仕事上では今でも頻繁にファックスを使用していることが、非常に面白く感じます。

仕事中に日本の文化や言語などを強く意識する瞬間はありますか?

そうですね…私の同僚の皆さん非常に英語が堪能ですが、時々彼らが電話などで日本語を話しているのを聞くと、いつも日本語はとても複雑で難しい言語だということに気がつかされます。

研修で日本を訪問したとことがあるそうですが、特に何か思い出に残っていることはありますか?

私はトレーニングのために2週間、東京にある本部で研修を行いました。全体を通して、とてもいい経験になりました。研修内容は、まず日本の方々から、どのようにして本部では仕事が行われているのかを学びました。そして日本全国にある歴史的・文化的に重要な建造物などを見て回りました。特に思い出に残っていることは、横浜トリエンナーレを観に行ったこと、能や歌舞伎を見たこと、東京国立近代美術館にあるフィルムセンターを見学したこと、そして週末にビーチに行き、スイカ割りに挑戦したことです。

日本文化はカナダの文化と大きく違いがあると思いますが、ご自身の体験談でその違いを感じたことはありますか?

現在の同僚はとても優しく、こんなに異文化に理解のある方たちと一緒に仕事ができて幸運だと思います。私が初めて日本文化の中で仕事をしたのは、日本で経験した教員補佐のときです。毎日様々なことに驚きを覚えていましたが、大きな失敗も戸惑いもなく環境に打ち解けることができました。ただ、おかしいなと感じた体験は、私がある日、教室で貧血を起こし倒れた時のことです。顔に小さな切り傷を作ってしまったので、病院に連れていかれました。それから一週間、病院に通い医師の方に500円もかけて絆創膏をかえてもらいました。本当に、特に何もなく絆創膏をかえるだけなのです!!!それと同様に風邪を引いた時にも錠剤や粉薬など多くの風邪薬を処方され、混乱したこともあります。具合が悪いときは、このような文化の違いにストレスを感じてしまうこともありました。でも幸いなことに、そのような時はいつも誰かが助けてくれました。

日本的なコミュニケーション・スタイルについてはどのように感じていますか?

多くの人が日本人のコミュニケーション・スタイルはとても間接的だと言いますが、私にとっては自分のコミュニケーション・スタイルとそう大きな違いはないと思っています。私はアメリカのミネソタ州で育ちましたが、そこでも同じようなことを聞いたことがあります。ミネソタ州では“ミネソタ ナイス”という表現があり、これは日本の“本音と建て前”に非常によく似ていると思います。私は間接的なコミュニケーションも直接的なコミュニケーションもどちらも良いものだと思っています。

ジャパンファンデーションという日本の独立行政法人で働くことによる経験は今後のキャリアアップにどのようにつながっていくと思いますか?

私のオフィスでは12名のスタッフが働いています。イベントの企画・運営、ポスターや広告のデザイン作り、スピーチの準備、お互いの資料の確認、日英翻訳の確認など様々な作業において、お互いを助け合い、アイディアを共有する環境です。私はこのように自由に様々なことに挑戦することで多くのことを学んできましたし、それぞれに責任を持って行動することで自分自身の自信と柔軟性が養われていると思っています。