カナダで活躍する日本の技術


日本綿布&コレクト × Parasuco (ジーンズ)

jeansカジュアルウェアの代表格といえるデニムは、性別や年齢を問わず世界中で愛されているアイテムのひとつだ。カナダ発のジーンズブランド「パラスコ・ジーンズ」は、ハイセンスなデザインと品質の良さで世界中から人気を集めているが、実はその生地や染色素材の一部は日本の岡山にあるジーンズメーカーのものを使用している。
阿波の藍染職人と「本藍デニム」を作るうちに、藍の色の深さを何とかインディゴで表現できないか…と試行錯誤を繰り返し、1995年に藍染めされた布が時を経て黄変し、絶妙な青を作り出す事に成功したコレクトの技術。また、昔ながらの草木染めと、備後絣の伝統による藍染めを活かしたデニムの生地に備中小倉に発する撚糸技術、織布技術を現在まで受け継ぎ、発展させた日本綿布の技術。これらが、世界で海を渡って遥か遠くのカナダでハイクオリティと評価され、同じくクオリティにこだわるパラスコ・ジーンズに素材や技術として採用されている。

(株)日本綿布
岡山県に所在する(株)日本綿布は昔ながらの人の手の温もりを大切にし、それを現在に蘇らせる企業。履き込むほどに味わいの深まるヴィンテージジーンズは、安定した需要があり、エドウィン、シュガーケーン、リーバイスなどの世界中で大人気なジーンズメーカーでも同社の生地が数多く使われている。90年にわたる「伝統と技」は確実に受け継がれ、ハイセンス、ハイクオリティ素材として注目が高い。

(株)コレクト
1992年に岡山・児島で『今までにない後世に残る本物の素材をつくりたい』との思いから、現代表である眞鍋寿男氏がそれまで勤めていた生地問屋を辞めて、洲脇将宏ら3人で5坪ほどの事務所を借りてスタートしたコレクト。岡山産のインディゴを利用した美しいブルーは、「JAPAN BLUE」と称され、中でもインディゴを使った二重織ガーゼ、ウール産地とのコラボレーションで実現した二重織ウールデニムは高評価を得ている。

Parasuco
美しいシルエットで、セレブにも愛用されているジーンズ「パラスコ・ジーンズ」はカナダで生まれたブランド。デザインと品質にこだわったジーンズは、商品の8割を中国で生産するもののデザインと素材の選定は全てカナダ本社で行うなどこだわりが強い。糸はイタリアから仕入れをしているほか、厳選されたデニム生地や素材は世界中から集められ、その中には日本の素材も使用されている。


ナインシグマ・ジャパン×アルバータ州政府

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nineshigma_albata温室効果ガスを有用な炭素製品に変換する技術募集

こんな募集がカナダのアルバータ州政府からリリースされたのは今年の5月23日。技術仲介業を営む㈱ナインシグマ・ジャパンは、カナダ・アルバータ州政府とともに、日本国内で「温室効果ガスを回収・再利用する技術」を募集し、厳正なる選考の後、革新的な技術に対して50 万カナダドル(約4,800 万円)が支給される。また、特に将来性のある優れた技術シーズに対しては、その開発費用としてCCEMC とそのパートナー企業から、最大1,300 万カナダドル(約12 億円)を支給するとしている。
カナダ・アルバータ州は、2050年までに、温暖化ガスの排出量を大幅に削減することを目標としており、その有効な手段として、「二酸化炭素の回収・再利用技術」に期待している。具体的には、2050 年までに温室効果ガスの放出量を2億トン削減することを目指しており、この目標を達成するために大気中の炭素を捕集して貯蔵し、炭素回収・貯留(CCS: Carbon Capture and Storage)技術を募集した。この取り組みがうまくいけば、最終的には100 万トンの温室効果ガス排出削減効果があるという。
現在のところ、温室効果ガスの大部分を占める二酸化炭素を回収する技術はある程度確立されているものの、それを再利用する技術はまだ実用化に至っていない。炭素含有率の高い高付加価値材料に転換する技術、あるいは藻類を使って燃料に転換する 技術が経済的かつ大規模に実現できれば、効果的な再利用の可能性が高まると期待している。アルバータ州政府は、高度な技術を保有する日本の大学や研究機関、大企業からの提案に期待しており、国内の企業や研究機関と太いつながりを持つナインシグマ社をパートナーとして、技術募集に踏み切った。この募集により技術の実現が達成されれば、日本の技術の高さを世界にアピールする絶好の機会になり、世界中で懸念されている環境問題解決の糸口をつくることができる。募集は7月15日で締め切られているので、応募された技術の中から採用される案が出てくるのかどうか今後の展開が見逃せない。


白凰堂 × MAC(化粧筆)

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プロのメイクアップアーティストから一般ユーザーまで、幅広いファンを持つMACは日本でもよく雑誌に登場する人気のブランド。そのMACの化粧筆を製造しているのが白鳳堂だ。約200年の筆づくりの歴史を持つ町・広島県熊野町において、5代目の筆づくり職人として伝統技術を生かし、これまでにない肌触りで自在に化粧品を操れる「化粧筆」を開発したのが、白鳳堂創設者である高本和男氏。MAC本社に直談判で乗りこみ、卸業者を通さずに市場を開拓し、契約を取り付けた。
均一な品質で多種な化粧筆を量産するために伝統技術を応用し、工程を細分化。毛先を切らずにそろえる丹誠込めた手作業に指先の感触で逆毛やすれ毛を選別して取り除く熟練技もそのひとつだ。これは全工程で繰り返され、完成時には初めの3〜5割の毛が捨てられるが、それだけ徹底した高品質となる。毛先を球面にする整穂の工程では、コマと呼ぶ手づくりの木の筒を工夫するなど、随所に見られる白鳳堂の伝統技術と高品質な筆づくりは今日も世界中の女性から愛されている。

(株)白鳳堂
1974年設立。髙本和男氏が家業から独立し、創業。「筆は道具である」をポリシーに、化粧筆、面相筆・陶磁器筆などの伝統工芸筆、書道筆、画筆、工業用筆を製造販売。82年から化粧筆の自社ブランドを開発。95年にカナダの化粧品会社MACと直接OEM(Original Equipment Manufacturing/Manufacturer)契約した後、知名度が広がり、現在は約70社にOEM供給している。

MAC Cosmetics
M・A・C は、プロのメイクアップアーティスト向けの製品を開発するため1984年カナダのトロントで誕生した総合コスメティックブランド。「人種・性別・年齢を問わず、常に優れた製品を提供し、的確な製品知識をもったプロのアーティストによって最高のサービスを提供する」という思いのもとに、MACアーティストは常にトレンドをリードし、クオリティの高いメイクを施しメイキャップ界でも注目を集めている。


ジャムコ × Air Canada(航空機内化粧室)

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日本のトイレタリーは世界でもトップレベルと言われるほど高性能で質が高い。ウォシュレットなどの海外ではあまり見かけない機能も、日本では一般家庭に普及しているほど日本と海外のトイレ事情は大きく異なる。その日本が誇る高いトイレタリー技術は、エアカナダエアラインの化粧室として採用されるなど、海外でも頭角を現している。
乗客にとって機内で唯一のプライベートルームとも言える化粧室は、10数時間にも及ぶフライトでは、化粧室で過ごす時間も大切な旅のアクセント。限られた空間のなかでいかに快適にくつろげる空間を演出するか、質感、機能に徹底的にこだわる気持ちはまさに日本人が持つ気配り。一方で、「軽量」という絶対条件に対してはコア・コンピタンスである「軽量化技術」を駆使し、これを具現化しているのもジャムコだ。世界中の787型機を含め、ボーイング社のワイドボディ機に搭載される化粧室は全てジャムコ製で、777型機及び787型機には業界初となるビデシステムの搭載を実現し、日本の質の高いトイレタリー技術を世界に向けて発信している。

(株)ジャムコ
1955年に小型航空機のメンテナンスセンターとして誕生して以来、航空業界に軸足を置き、航空機整備、航空機器製造、航空機内装品製造の3分野で事業を展開してきたジャムコ。航空機内装品製造事業では、航空機に求められる「軽量化技術」を駆使し、クライアントの要望に応じた客室内装品の開発・設計・製造・試験を一貫して行っている。約束した納期は必ず守るという姿勢と長年培った高い日本の技術を堅持した結果、2大航空機メーカーであるボーイング社及びエアバス社をはじめ、質の高いサービスを追求する世界中のエアラインから絶大な信頼を得ている。
Air Canada
カナダ最大のフルサービス航空会社として、年間3500万人以上の利用者があり5大陸に175以上の直行便を有するエアカナダ。北米ベストエアラインに4年連続で選ばれるなどクオリティの高さも認められており、エアライン各社との提携も積極的な会社として知られている。日本での知名度を高めるために全日空と提携し、強力な国内線ネットワークを利用して日本各地からの幅広い乗客動員を目指している。また、世界で初めて全便全席禁煙に踏み切ったエアラインとしても知られている。